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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y24
管理番号 1234932 
審判番号 取消2010-300211 
総通号数 137 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-05-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2010-02-23 
確定日 2011-03-15 
事件の表示 上記当事者間の登録第4920597号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4920597号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATURE」の欧文字と「ナチューレ」の片仮名を上下二段に横書きした構成からなり、平成17年1月24日に登録出願、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,のぼり及び旗(紙製のものを除く。),ビリヤードクロス,布製ラベル」及び第25類「被服,仮装用衣服」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録されたものであり、当該商標権は現に有効に存続している。

2 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定商品中『第24類 布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布』(以下、単に「請求に係る指定商品」ということがある。)についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申立て、その理由を「本件商標は、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。」旨述べている。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証(枝番を含む。但し、枝番の全てを引用する場合は、その枝番の記載を省略する。)を提出した。
(1)本件商標の使用者について
本件商標は、被請求人からみて、いわゆる孫会社に該当する株式会社トーホー(以下「トーホー社」という。)によって使用されているものである。すなわち、被請求人は、国内の関連会社及び外国の現地法人を有しており、これらを総じて、いわゆる東洋紡グループを形成しており(乙第1号証、乙第2号証)、その中の一である東洋紡スペシャルティズトレーディング株式会社(以下「東洋紡スペシャル社」という。)は、被請求人の100%子会社であり、原糸・生地・アパレル製品等の企画・販売・輸出入などを行っている(乙第3号証)。そして、東洋紡スペシャル社は、100%子会社の一として、タオル・シーツや寝装品のギフト製造販売を行っているトーホー社を有している(乙第4号証)。
ところで、親会社と関連会社の関係にある企業同士については、使用許諾書の有無に拘わらず、何らかの形式による、明示もしくは黙示の使用許諾関係が成立していると解することができ、被請求人とトーホー社との関係においても、両者はいわゆる親会社と孫会社に該当するものであって、トーホー社は、東洋紡グループの一員であることから、本件商標に関する使用許諾契約書がないとしても、商標権者(被請求人)によって、何らかの形式によって使用許諾が与えられているということができる。
なお、下記の乙第5号証に示すトーホー社に係る製品カタログにおいても、被請求人に係る「TOYOBO」のロゴマークと「東洋紡グループ」の表示がなされており、トーホー社が、商標権者(被請求人)との関係において、使用権者として本件商標を使用していることは明らかである。
以上により、トーホー社は、法第50条第2項に定める通常使用権者に該当するものである。
(2)本件商標の使用について
ア 乙第5号証の1は、トーホー社に係る2008年における製品カタログ抄本の写しであるが、当該カタログに掲載の「マイナスイオン放射性わた入肌ふとん」の商品について、筆記体で「Nature」の欧文字が付されている。また、「綿マイヤー敷パット」及び「シンカーパイル先染敷パット」の商品についても、その商品に「Nature」の欧文字が付されている。
同様に、2009年の製品カタログにおいても、「Nature」の欧文字を付した各商品が、引き続き掲載されている(乙第5号証の2)。
イ 乙第6号証の1は、2008年において実際に取引先に送付した売上伝票(控)の写しである。当該売上伝票においては、「品名」の項目として、「マイナスイオン綿入 肌ふとん」、「マイナスイオン綿入 肌布団」及び「シンカーパイル敷パットシーツ」等の記載があるが、「品番」の項目においても、それぞれ「6361」、「6363」及び「6241」と記載されており、当該商品が、製品カタログにおいて「Nature」の欧文字が付された各商品に該当することが分かる。
同様に、2009年の売上伝票(控)においても、「6362」、「6243」に係る品番の商品が販売されているところ、これらは、2009年の製品カタログにおける「Nature」の欧文字が付された各商品に該当するものである(乙第6号証の2)。
ウ 製品カタログにおける「マイナスイオン放射性わた入肌ふとん」は、本件商標の指定商品「布団」に該当する。また、「綿マイヤー敷パット」及び「シンカーパイル先染敷パット」についても、一般的には、「布団用敷きパット(ド)」等といわれる商品であって、本件商標の指定商品「敷布」もしくは「布団」に属する商品である。
エ 各商品に付されている「Nature」の欧文字についても、その使用態様より商標として使用されていることは明らかであり、その構成も、本件商標と社会通念上同一と考えられるものである。
(3)以上のように、本件商標の通常使用権者であるトーホー社が、請求に係る指定商品のうち「布団」もしくは「敷布」について、本件商標と社会通念上同一の商標を審判請求の登録日前3年の間に日本国内で使用している。

4 当審の判断
(1)本件商標の使用者について
被請求人の企業情報に係るウェブページ(乙第2号証)、東洋紡スペシャル社の会社概要などに係るウェブページ(乙第3号証、乙第4号証の1)及びトーホー社の会社概要(乙第4号証の2)によれば、トーホー社は、東洋紡スペシャル社の100%子会社であり、かつ、東洋紡スペシャル社は被請求人の100%子会社と認められる。すなわち、トーホー社は、被請求人のいわゆる孫会社にあたり、被請求人と密接な関係にあるということいえるものであって、これと被請求人の主張とを併せみれば、口頭によるのか、または黙示の意思表示であるのかは定かでないとしても、トーホー社は、本件商標に係る通常使用権者であるとみて差し支えないものである。
(2)本件商標の使用について
ア 乙第5号証及び乙第6号証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第5号証の1は、「FRESH LIFE COLLECTION PRESENTATION 2008」を表題とする製品カタログ(抜粋)であり、「11 TOYOBO」とする頁に「11-6361 5,250円 マイナスイオン放射性わた入肌ふとん」、「11-6362 8,400円 マイナスイオン放射性わた入肌掛ふとん」及び「11-6363 10,500円 マイナスイオン放射性わた入肌ふとん2P」などの商品表示と共に、当該各製品(写真)に筆記体で「Nature」の欧文字が付されている。
また、「35 TOYOBO」とする頁に「35-6241 5,250円 シンカーパイル先染敷パット」及び「35-6243 10,500円 シンカーパイル先染敷パット2P」などの商品表示と共に、当該各製品(写真)に筆記体で「Nature」の欧文字が付されている。
(イ)乙第5号証の2は、「Fresh Life collection PRESENTATION 2009」を表題とする製品カタログ(抜粋)であり、「11 TOYOBO」とする頁には、乙第5号証の1と同様に、「11-6361 5,250円 マイナスイオン放射性わた入肌ふとん」、「11-6362 8,400円 マイナスイオン放射性わた入肌掛ふとん」及び「11-6363 10,500円 マイナスイオン放射性わた入肌ふとん2P」などの商品表示と共に、当該各製品(写真)に筆記体で「Nature」の欧文字が付されている。
また、「31 TOYOBO」とする頁に「31-6241 5,250円 シンカーパイル先染敷パット」及び「31-6243 10,500円 シンカーパイル先染敷パット2P」などの商品表示と共に、当該各製品(写真)に筆記体で「Nature」の欧文字が付されている。
(ウ)乙第6号証の1は、トーホー社作成に係る売上伝票(控)の各写しであり、2008年04月14日付けの伝票には、品番の欄に「6361」及び「6363」と品名の欄に「マイナスイオン綿入 肌ふとん」及び「マイナスイオン綿入 肌布団2P」等の記載、また、2008年04月21日付けの伝票には、品番の欄に「6241」と品名の欄に「シンカーパイル敷パットシーツ」等の記載がされている。
(エ)乙第6号証の2は、乙第6号証の1と同じく、2009年04月28日付けの売上伝票(控)の2枚の写しであり、売上No.504582とする売上伝票(控)には、品番の欄に「6362」と品名の欄に「マイナスイオン綿入 肌ふとん」等の記載、また、売上No.404433とする売上伝票(控)には、品番の欄に「6243」と品名の欄に「シンカーパイル敷パット2P」等の記載がされている。
イ 上記アで認定した事実からすれば、乙第6号証の売上伝票(控)に記載された品番及び商品名は、乙第5号証の製品カタログ(抜粋)に記載された品番及び商品名と符合するものと認められる。
(3)前記(1)及び(2)において認定した乙各号証を総合してみれば、本件商標の通常使用権者と推認し得るトーホー社は、本件審判請求の登録(平成22年3月9日)前3年以内である平成20年(2008)4月14日、同年4月21日及び平成21年(2009)4月28日当時に、請求に係る指定商品中「布団」及び「敷布」に包含される商品と認められる「マイナスイオン放射性わた入肌ふとん」、「マイナスイオン放射性わた入肌掛ふとん」及び「シンカーパイル先染敷パット」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。
一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、請求に係る指定商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したものといわなければならない。
(4)むすび
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、本件請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-10-20 
結審通知日 2010-10-22 
審決日 2010-11-05 
出願番号 商願2005-4786(T2005-4786) 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y24)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2006-01-13 
登録番号 商標登録第4920597号(T4920597) 
商標の称呼 ナチューレ、ナチュレ、ネイチャー、ネーチャー 
代理人 小栗 昌平 
代理人 市川 利光 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 

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