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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 X0938
管理番号 1233412 
審判番号 不服2010-7383 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-07 
確定日 2011-03-14 
事件の表示 商願2008-46579拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「くーろん」の文字を標準文字で書してなり、第9類、第38類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年6月13日に登録出願されたものである。
その後、指定商品及び指定役務は、原審における平成21年4月8日付け及び当審における同22年7月26日付けの手続補正書により、第9類「PHS端末,携帯情報端末,携帯無線通信用端末装置,携帯無線データ通信用端末装置,移動体電話機,電話機械器具,PHS端末用プログラム,携帯情報端末用プログラム,携帯無線通信用端末装置用プログラム,携帯無線データ通信用端末装置用プログラム,移動体電話機用プログラム,電話機械器具用プログラム,電気通信機械器具用プログラム,インターネットを利用して受信・保存することができる画像ファイル,電子出版物」及び第38類「PHS端末による通信及びこれに関する情報の提供,携帯情報端末による通信及びこれに関する情報の提供,携帯無線通信用端末装置による通信及びこれに関する情報の提供,携帯無線データ通信用端末装置による通信及びこれに関する情報の提供,移動体電話による通信及びこれに関する情報の提供,電話による通信及びこれに関する情報の提供,電子メール通信及びこれに関する情報の提供,データ通信及びこれに関する情報の提供,通信ネットワークへの接続の提供及びこれに関する情報の提供,電気通信(放送を除く。)及びこれに関する情報の提供,放送及びこれに関する情報の提供,PHS端末・携帯無線通信用端末装置・携帯無線データ通信用端末装置・電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与及びこれに関する情報の提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願は、第42類において広範にわたる役務を指定しているため、出願人が出願に係る商標を指定役務全てについて使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるといわざるを得ない。したがって、本願は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。
(2)本願商標は、「くーろん」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは「(C.クーロンの名に因む) 電気量の単位。国際単位系の組立単位。1アンペアの電流が1秒間に運ぶ電気の量。」を指称する「クーロン」及び「coulomb」を平仮名文字にて表記したものであり、また、本願の指定商品・指定役務を取り扱う電気・電子業界においては、電気量の単位として、一般に広く使用されている語であることから、これをその指定商品・指定役務に使用しても、単に電気量の単位であることを看取させるに止まり、需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)本願商標は、登録第2599854号商標及び同第4712973号商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と、同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項柱書について
本願指定役務については、前記1のとおり補正され、第42類は、すべて削除された。
したがって、本願が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとした原査定の拒絶の理由は、解消した。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願指定商品及び指定役務は、前記1のとおり補正された結果、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び役務は、すべて削除されたと認められる。その結果、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と類似しない商品及び役務と類似しない商品及び役務になったと認められるものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
(3)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「くーろん」の文字よりなるものである。
ところで、 商標法第3条第1項第6号にいう「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」としては、「構成自体が商標としての体をなしていないなど、そもそも自他商品識別力を持ち得ないもののほか、同項1号から5号までには該当しないが、一応、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないと推定されるもの、及び、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものと推定はされないが、取引の実情を考慮すると、自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものがあるということができる。」(知財高裁平成18年3月9日判決 平成17年(行ケ)10651号参照。)と解されるものである。
そして、本願商標は、広辞苑第六版の「クーロン【coulomb】」の項によれば、「(C.クーロンの名に因む)電気量の単位。国際単位系の組立単位。1アンペアの電流が1秒間に運ぶ電気の量。記号C」との記載があるとしても、「くーろん」と平仮名文字で書した本願商標よりは、その指定商品又は指定役務との関係では、直ちに特定の意味合いを表す語として理解、認識されるものとはいい難いものである。
また、当審において調査するも、「くーろん」の文字が、本願指定商品の取引又は指定役務の提供の場において、その指定商品の品質又は指定役務の質、内容等を表すものとして、取引上普通に使用されている事実を見いだすことはできなかった。
そうとすれば、本願商標は、一種の造語を表したものと認識させるものとみるのが相当であって、これをその指定商品又は指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質又は役務の質等を表示したものと認識するとはいい得ず、十分に自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得るものであって、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標とはいえないものである。

(4)まとめ
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2011-02-03 
出願番号 商願2008-46579(T2008-46579) 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (X0938)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山根 まり子長澤 祥子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小田 昌子
田中 亨子
商標の称呼 クーロン 
代理人 藤田 雅彦 
代理人 香原 修也 

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