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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X35
審判 査定不服 外観類似 登録しない X35
管理番号 1233345 
審判番号 不服2009-18857 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-05 
確定日 2011-02-18 
事件の表示 商願2007- 30625拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「テイジン」の片仮名文字と「TEIJIN」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年4月2日に登録出願されたものである。
そして、指定役務については、当審における同21年10月5日付け手続補正書により、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,かばん類及び袋物小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,建具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,台所用品・清掃用品及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便宜の提供」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下の1及び2の拒絶の理由に該当すると認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 商標登録を受けることができる商標は、現在使用をしているもの又は近い将来使用をするものと解されるところ、本願において指定する小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は、全く業種が異なり、類似の関係にもないものであるため、このような状況の下では、出願人が本願商標をこれらの指定した小売等役務のいずれにも使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
2 本願商標は、登録第712281号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第4447817号商標(以下「引用商標2」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、引用商標1及び2の構成等については、以下のとおりである。
(1)引用商標1は、「TEIJIN STRETCH」の欧文字と「テイジンストレッチ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、昭和39年5月21日登録出願、第17類「伸縮性を有する被服、寝具類」を指定商品として、同41年7月4日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、その指定商品については、平成19年7月4日に第25類「伸縮性を有する洋服,伸縮性を有するコート,伸縮性を有するセーター類,伸縮性を有するワイシャツ類,伸縮性を有する寝巻き類,伸縮性を有する下着,伸縮性を有する水泳着,伸縮性を有する水泳帽,伸縮性を有する和服,伸縮性を有するエプロン,伸縮性を有する靴下,伸縮性を有するショール,伸縮性を有するスカーフ,伸縮性を有する足袋,伸縮性を有する足袋カバー,伸縮性を有する手袋,伸縮性を有する布製幼児用おしめ,伸縮性を有するネッカチーフ,伸縮性を有するバンダナ,伸縮性を有する保温用サポーター,伸縮性を有するマフラー,伸縮性を有するずきん,伸縮性を有するすげがさ,伸縮性を有するナイトキャップ,伸縮性を有する帽子」とする指定商品の書換登録がされたもので、現に有効に存続している。
(2)引用商標2は、別掲に表示するとおりの構成よりなり、平成12年3月22日登録出願、第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品(原石を除く。)」、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」、第24類「布製身の回り品」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,ずきん,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同13年1月19日に設定登録されたもので、現に有効に存続している。

第3 当審の判断
1 本願商標と引用商標1及び2との類否について
本願商標は、前記第1のとおり、「テイジン」の片仮名文字と「TEIJIN」の欧文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「テイジン」の称呼を生ずるものであり、また、これよりは特定の観念を生じさせないものである。
他方、引用商標1は、前記第2の2(1)のとおり、「TEIJIN STRETCH」の欧文字と「テイジンストレッチ」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成中、上段の「TEIJIN」と「STRETCH」との間に半文字分の空白があることから、視覚上、「TEIJIN」と「STRETCH」との2語からなるものと容易に理解できるものである。
そして、引用商標1を構成する後半の「STRETCH」及び「ストレッチ」の文字部分は、「<布・衣類などが>伸縮性の」等(株式会社小学館 ランダムハウス英和大辞典 第2版<特装版>)の意味で一般に親しまれている英語及び当該英語に由来する外来語である。
そうとすれば、引用商標1に接する取引者、需要者は、引用商標1を構成する後半の「STRETCH」及び「ストレッチ」の文字部分について、引用商標1の指定商品の品質を表したものと理解するものであり、当該指定商品との関係において、自他商品の識別機能を有しない部分であるか極めて弱い部分であると認識するから、引用商標1を構成する前半の「TEIJIN」及び「テイジン」の文字部分を、自他商品の識別機能を果たす要部として認識し、商取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、引用商標1は、その構成中前半の「TEIJIN」及び「テイジン」の文字部分に相応して、単に「テイジン」の称呼を生ずるものというのが相当であり、これよりは特定の観念を生じさせないものである。
同じく、引用商標2は、別掲に表示するとおり、上段に、太く大きな文字で「TEIJIN」の欧文字を横書きし、中段には、上段よりやや太く大きな文字で「MEN’S SHOP」の欧文字を横書きし、下段には、上段及び中段の文字と比較して、細く小さな文字で「TEIJIN MEN’S SHOP」の欧文字を横書きしてなる構成の商標であるところ、その構成中、「MEN’S SHOP」及びその表音と認められる「メンズショップ」の文字は、引用商標2の指定商品を取り扱う業界において、「紳士用商品の専門店」を意味するものとして一般に使用されていることが、以下のインターネット情報からも裏付けられる。
(1)「MEN’S SHOP SAKAZEN」の見出しのウェブサイトにおいて、その取扱商品として、紳士用の「SUIT」、「SHIRT」、「BAG」、「SHOES」等の商品カテゴリーの記載がある(http://www.rakuten.ne.jp/gold/m-sakazen/)。
(2)「ポイントを貯めてお得なショッピング!/伊勢ポイントカード」の見出しのウェブサイトにおいて、「Men's shopイスズ洋行」と称する店の紹介として、「スーツ、ジャケット、スラックス、フォーマルからネクタイ、ベルト、小物まで 紳士服の全てを品揃え CASUAL SHOPイクシーズ店もよろしくお願いします」の記載がある(http://www.ise-point.com/member/0085isusuyoukou.shtml)。
(3)「百五ディーシーカード」の見出しのウェブサイトにおいて、「三重・愛知の加盟店サーチ」の項において、「(鈴鹿市)紳士服/メンズショップ モン/MEN’S SHOP MON」の記載がある(http://www.105dc.co.jp/search/store_3070179217.html)。
(4)「MEN’S SHOP/GINCHO online」の見出しのウェブサイトにおいて、「ON/&/OFF」の項に、「・・・こだわりの男たちに送る/最高のトラディショナルアイテム。/MEN’S SHOP GINCHO online」の記載とともに、その取扱商品として、パターンメイドのスーツの他に、シャツ、Tシャツ等の商品カテゴリーの記載がある(http://www.van-gincho.jp/)。
(5)「MEN’S SHOP MAC/マック メンズショツプ マック」の見出しのウェブサイトにおいて、「地域に根ざしお客様にとって最も価値ある 男子衣料専門店をめざしています」の記載がある(http://www16.ocn.ne.jp/~mac/index.html)。
そうとすれば、引用商標2に接する取引者、需要者は、引用商標2を構成する「MEN’S SHOP」の文字部分について、引用商標2の指定商品の販売場所等を表したものと容易に理解するものであり、当該指定商品との関係において、自他商品の識別機能を有しない部分であるか極めて弱い部分であると認識するから、引用商標2の構成中「TEIJIN」の文字部分を、自他商品の識別機能を果たす要部として認識し、商取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
してみれば、引用商標2は、その構成中「TEIJIN」の文字部分に相応して、単に「テイジン」の称呼を生ずるものというのが相当であり、これよりは特定の観念を生じさせないものである。
そこで、本願商標と引用商標1及び2とを比較すると、両者は、「テイジン」の称呼を共通にするものであり、また、外観についても、本願商標と引用商標1及び2の要部である「TEIJIN」及び「テイジン」の文字部分とは、その綴り字を共通にするものである。
したがって、本願商標と引用商標1及び2とは、観念において比較することができないとしても、称呼において相紛らわしいものであり、また、外観においても、近似した印象を与えるものであるから、本願商標は、引用商標1及び2と類似する商標であって、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標1及び2の指定商品と同一又は類似のものである。
2 請求人の主張について
請求人は、グループ会社が別法人であり、厳密に言えばこれらのグループ会社が提供する商品・役務が出所の異なるものであることを否定するものではないが、同じ帝人グループを構成するグループ会社との関係においては、出願人及び権利者にとって何ら不利益を生じるものではなく、「テイジン」の称呼を含む商品・役務商標に接する一般取引者、需要者においても、それが帝人グループの商品・役務であることを認識することに止まり、出所の混同を生じるものではない。また、「テイジン」「TEIJIN」を含む商標が、識別力を有しない文字との結合やその構成上「TEIJIN」「テイジン」の文字部分が独立して自他商品・役務の識別標識として機能する部分であると看取される構成であるか否かに関わらず、それが帝人グループの商品・役務であることを認識することに止まり、出所の混同を生じるものではない旨主張する。
しかしながら、一般的に、グループ会社においては、新たな企業のグループ化やグループ内企業のグループ離脱等が、事業の再編等に伴い頻繁に行われているのが実情であり、グループ会社を構成する企業が常に固定しているものではない。
そうとすれば、本件において、現時点では、引用商標1及び2の商標権者が請求人のグループ会社であるとしても、常に、請求人の主張である「『テイジン』の称呼を含む商品・役務商標に接する一般取引者、需要者においては、それが帝人グループの商品・役務であることを認識することに止まる」とはいえないものである。
そして、商標法第4条第1項第11号において、「当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものは、商標登録を受けることができない。」旨、規定されているところ、請求人の名称は「帝人株式会社」であり、引用商標1の商標権者は「帝人ファイバー株式会社」、引用商標2の商標権者は「エヌアイ帝人商事株式会社」であることからすれば、請求人と引用商標1及び2の商標権者とは、その名称が明らかに相違することから、同号で規定する「他人」と認定し得るものである。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も引用商標1及び2とは非類似である旨主張しているが、請求人が挙げる過去の登録例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。
したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 引用商標2



審理終結日 2010-12-15 
結審通知日 2010-12-22 
審決日 2011-01-05 
出願番号 商願2007-30625(T2007-30625) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (X35)
T 1 8・ 262- Z (X35)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保田 正文 
特許庁審判長 渡邉 健司
特許庁審判官 安達 輝幸
前山 るり子
商標の称呼 テイジン、テージン 
代理人 三原 秀子 

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