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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 X29 |
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管理番号 | 1233329 |
審判番号 | 不服2010-5854 |
総通号数 | 136 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2011-04-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-03-17 |
確定日 | 2011-03-09 |
事件の表示 | 商願2008-100671拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「京御膳」の文字を標準文字で表してなり、第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,豆腐,おでん材料の詰め合わせ,調理済みのおでん,魚介類・野菜・果実・肉・卵・豆のうち1又は2以上を主材とするおせち料理の詰め合わせ,煮豆,なめ物」及び第30類「菓子及びパン,穀物の加工品,すし,べんとう,サンドイッチ」を指定商品として、平成20年12月15日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同22年3月17日付け手続補正書により、第29類「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,豆腐,おでん材料の詰め合わせ,煮豆,なめもの」に補正され、第30類に属する商品については、全て削除されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、みやこや京都の特称を表す『京』の文字と、『食膳・食事または飯の尊敬語。』の意味合いを表す『御膳』の文字とを『京御膳』と標準文字で書してなるものであるから、その構成全体からは両文字の意味合いより容易に『京の料理・食膳』や『京都の料理・食膳』といった意味合いが看取され、また、前記意味合いを有する本願商標は、京料理を提供する飲食店において、多数の出所の異なる者がべんとうや定食等の調理済み食品について使用していることを考慮すれば、本願商標をその商品中、例えば第29類の「調理済みのおでん,魚介類・野菜・果実・肉・卵・豆のうち1又は2以上を主材とするおせち料理の詰め合わせ」及び第30類の「すし,べんとう」等に使用しても、これに接する需要者等は前記意味合いを理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、「京御膳」の文字からなるところ、該文字は、みやこや京都の特称を表す「京」の文字と、「食膳・食事または飯の尊敬語。」の意味合いを表す「御膳」の結合させたものと容易に認識でき、構成全体から、「京風料理」又は「京都料理」ほどの意味合いを看取させるものであるとしても、該文字が、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものに該当するとする明確な理由はなく、かつ、それを立証し得る取引の実情も見当たらない。 また、本願商標は、前記したとおり、「京風料理」又は「京都料理」ほどの意味合いを生じさせるものであるとしても、「京御膳」の文字が、一般的に使用される標章で、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないとすべき特段の事情はないことからすると、本願商標を、その指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標とはいえないものである。 よって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。 なお、原査定は、前記2で記載したとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものとして、本願を拒絶したものであるが、その記載内容からすると、本願商標は、同法第3条第1項第3号を適用するのが妥当であるといえる。 そこで、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当性するか否かについて検討すると、本願商標は、「京御膳」の文字からなり、前述のとおり、構成全体として「京風料理」又は「京都料理」ほどの意味合いを生じさせるものであるとしても、本願商標「京御膳」を、補正された指定商品「肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,豆腐,おでん材料の詰め合わせ,煮豆,なめもの」(以下「補正商品」という。)に使用しても、本願商標に接する需要者・取引者が、これをその補正商品の品質等を直接的かつ具体的に表示したものと認識・把握するとはいい難いものである。 さらに、補正商品を取り扱う業界において、本願商標「京御膳」が、補正商品の品質等を表示するものとして、一般的に使用されている事実は、確認することができない。 そうすると、本願商標は、特定の商品の品質等を具体的に表示するものとはいえないものであって、本願商標は、請求人の取り扱いにかかる補正商品の出所を表示するものと認識し把握されるとみるのが相当である。 してみれば、本願商標を補正商品に使用しても、商品の品質等を表示したものと理解・認識するとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号にも該当しない。 したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、取り消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2011-01-31 |
出願番号 | 商願2008-100671(T2008-100671) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WY
(X29)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内藤 隆仁、小田 明 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
豊田 純一 小林 由美子 |
商標の称呼 | キョーゴゼン、ゴゼン |
代理人 | 藤田 雅彦 |
代理人 | 香原 修也 |