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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200211601 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない X21
管理番号 1233327 
審判番号 不服2009-25076 
総通号数 136 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-18 
確定日 2011-02-14 
事件の表示 商願2008- 93569拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1に示すとおりの構成からなり、第21類「化粧用具」を指定商品として、平成20年11月19日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同21年7月15日付け手続補正書により、第21類「ネイル用の化粧用具」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第2110682号商標(以下『引用商標』という。)と『シュプリーム』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 引用商標
引用商標は、別掲2に示すとおり、「SUPREME」(なお、「SUPREME」の文字は、その一部を二重の線で書されている。以下、同じ。)の欧文字を横書きにしてなり、昭和55年12月12日に登録出願、第21類「化粧用具、装身具」を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録、その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同21年4月30日付けで第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。)」及び第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」に書換登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲1に示すとおり、左右に羽を拡げた蝶の図形を中央に配した桃色で描かれた長方形図形(以下「図形」という。)を背景に図形の中央部に、白抜きされ、「S」の文字がややデザイン化された「Shpreme」(なお、構成文字中の語頭の「S」の下部から語尾「e」は、S字状の線で結ばれている。以下同じ。)の欧文字を横書きにし、該文字の下に、横書きされ黒色で書された「NAILS」の欧文字を配し、その下に前記文字に比較してかなり小さく、「Grace and elegance」の文字を白抜きで横書きしてなるものである。
しかして、本願商標の構成中の「図形」と「Shpreme」、「NAILS」及び「Grace and elegance」とは、「Shpreme」及び「Grace and elegance」が白抜きで、「NAILS」で黒字で明瞭に記載されていること、また、図形と文字とが、一連一体のものとして、特定の意味合いを看取させる等、これらが常に不可分一体のものとして看取されなければならない特段の事情は認められないことから、本願商標の図形と文字部分については、視覚上及び観念上、分離して看取されるものである。
また、構成中の文字部分についてみると、「Shpreme」、「NAILS」及び「Grace and elegance」の文字とを三段に書してなるところ、その上段の「Shpreme」の文字は、他の文字に比して,大きく書されているものである。
そして、「Shpreme」、「NAILS」及び「Grace and elegance」とが、構成全体で、特定の意味合いを看取させるものとはいえないものであり、また、「NAILS」の文字は、本願商標の指定商品の用途を表示するものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有さず、さらに小さく書された「Grace and elegance」の文字部分についても、「Grace」及び「elegance」の文字が、共に「優雅」等を意味する語であることから、商品の品質を誇称するものとして認識させるものである等、「NAILS」及び「Grace and elegance」の文字部分は、強い自他商品識別標識としての機能を果たすものとはいえない。
さらに、本願商標の構成文字全体から生ずる「シュプリームネールズグレースアンドエレガンス」等の称呼は、非常に冗長である。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、これらを常に一体不可分のものとして看取されなければならない特段の事情は認められないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を有する構成文字の一部のみを捉え、それを要部とし、その要部に該当する部分のみをもって、取引に資されることもあると判断するのが相当である。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の要部として認識する「Shpreme」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきであるから、本願商標は、構成文字全体に相応した「シュプリームネールズグレースアンドエレガンス」の称呼のほか、「Shpreme」の文字部分に相応した「シュプリーム」の称呼をも生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、「SUPREME」の欧文字を書してなるものであるから、該文字に相応し、「シュプリーム」又は「シュープリーム」の称呼を生ずるものであり、「最高の、最高位の」(ジーニアス英和大辞典、小学館ランダムハウス大辞典)等の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標から生ずる「シュプリーム」と引用商標から生ずる「シュプリーム」又は「シュープリーム」とを比較するに、本願商標から生ずる「シュプリーム」と引用商標から生ずる「シュプリーム」は、称呼を共通にするものである。
また、本願商標から生ずる「シュプリーム」と引用商標から生ずる「シュープリーム」の称呼を比較するに、両称呼は、称呼上重要な要素をしめる語頭音を含め、「シュ」「プ」「リー」「ム」を共通にしており、唯一の差異は、第1音の「シュ」における長音の有無に見られるにすぎないものである。
しかして、該差異音である長音は、前音「シュ」に吸収され、それ自体が独立した1音として明確に聴取され難い音であるから、「シュ」が、構成前半に位置しているとしても、本願商標と引用商標をそれぞれ一連に称呼した場合には、これら全体としての語調、語感が近似し、互いに聴き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、その外観において、相違し、引用商標が、「最高(位)の」等の観念を生じるに対し、本願商標が特定の観念の生じないものであるから、観念において比較することはできないものであるとしても、「シュプリ-ム」の称呼を共通にする、あるいは、その称呼が類似する商標であると判断するのが相当である。
そして、本願の指定商品「ネイル用の化粧用具」と、引用商標の指定商品中「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」とは、同一又は類似の商品である。
よって、本願商標をその指定商品に使用した場合は、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあると認められる。

(2)請求人(出願人)(以下「請求人」という。)の主張について
ア 請求人は、「本願商標における『Shpreme』の語から生じ得る『シュプリーム』の称呼と、引用商標から生じる『シュープリーム』の称呼とは、その差異が、『シュ』の文字に長音を伴うか否かであり、その限りにおいては両称呼は互いに近似する関係にあるといえなくもないが、本願商標から生じ得る『シュプリーム』の称呼は、その語頭の『シュ』の拗音部分が、音が切れるように、かつ、強く称呼されるのに対し、引用商標の称呼においても、語頭の『シュ』の拗音部分が、音が切れるように、かつ、強く称呼されることから、これに続く長音は、比較的明瞭に発音される。したがって、『シュプリーム』の称呼と『シュープリーム』の称呼とは、彼此聞き分け難いものではなく、明らかに区別し得る。」旨主張する。
しかしながら、前述のとおり、「シュプリーム」の称呼と「シュープリーム」の称呼とは、それぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似するものである。
また、引用商標は、「シュプリーム」の称呼をも生じることは、前述の英和辞典等の記載からも明らかであることから、本願商標と引用商標とは、「シュプリーム」の称呼を共通にするものである。
前述で認定したとおりであるから、請求人の前記主張は、採用できない。

イ また、請求人は、過去の審決例等を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該審決例等は、商標の構成や指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、それらの審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人のかかる主張も採用することができない。

ウ その他の請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すことはできない。

(3)まとめ
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)(色彩については、原本を参照されたい。)



別掲2(引用商標)






審理終結日 2010-11-24 
結審通知日 2010-12-03 
審決日 2010-12-15 
出願番号 商願2008-93569(T2008-93569) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X21)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小林 由美子
豊田 純一
商標の称呼 シュプリームネールズグレースアンドエレガンス、シュプリームネールズ、シュプリーム、グレースアンドエレガンス 
代理人 森山 隆 

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