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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X03
管理番号 1231685 
審判番号 不服2010-1705 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-01-26 
確定日 2011-01-27 
事件の表示 商願2009- 5797拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「うるうる素肌」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧水,化粧品,せっけん類,香料類」を指定商品とし、平成21年1月29日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『うるうる素肌』の文字を標準文字により表示してなるところ、平成21年5月15日に提出の刊行物等提出書及びインターネット情報によれば、該文字が、本願の指定商品に係わる業界において、商品の品質を表示するものとして『潤いのある素肌』程度の意味合いで使用されている実情が認められるから、本願商標は、その指定商品との関係において、全体として『潤いのある素肌にする商品』程度の意味合いを直感させるものであり、これをその指定商品中、例えば『潤いのある素肌にする化粧品』、『潤いのある素肌にするせっけん』等の前記意味合いに照応する商品に使用しても、単に、商品の品質・効能を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「うるうる素肌」の文字よりなるところ、その構成中「うるうる」の文字は、「うるおっているさま。特に目がうるんでいるさま。」(広辞苑)を意味する語であり、「素肌」の文字は、「衣服、特に、下着や、おしろい等をつけていないはだ。」(同)を意味する語であるから、当該「うるうる」と「素肌」の語を結合してなる本願商標の構成全体から、「潤っている肌(潤いのある肌)」程の意味合いを容易に認識させるものである。
そして、原審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当することの証拠として示した事実(インターネット情報 なお、審決時に確認できなかったものは除いた。)は、以下のとおりである。
ア 「らぶふぁみ」のウェブサイトにおいて、商品「パーフェクトVCコラーゲンゲル 50g」の商品説明に「ビタミンC、コラーゲン、スクワランが肌の奥まで浸透。お顔からカカトまで全身に使え、うるうる素肌へ導きます。」の記載がある(http://lovefami.com/shopdetail/017000000071/019/002/brandname/)。
イ 「Livly Island ヘルス&ビューティーセレクション」」のウェブサイトにおいて、商品「ちゅらら 月桃花水(化粧水)(しっとりタイプ)」の商品説明に「 一滴一滴に潤いをギュッと閉じ込めたみずみずしいローション。うるうる素肌を保つ月桃葉エキス配合。」の記載がある(http://d.hatena.ne.jp/nicemono/)。
ウ 「WEBショップ/株式会社もしも」のウェブサイトの化粧水のページにおいて、「スキンケア 化粧水 ITEM!! 美容成分たっぷりの化粧水でうるうる素肌に!!」の見出しのもとに化粧水、スキンケアウォーター、ローション等の商品が紹介されている(http://beauty2shop.web.fc2.com/3/skin/index03.htm)。
エ 「通販[ビッダーズ]」のウェブサイトにおいて、商品「日本酒と梅のローション」の商品説明の見出しに「くたびれ顔もパッと華やぐ♪翌朝までしっとりうるうる素肌」の記載がある(http://www.bidders.co.jp/item/127719075)。
オ 「Beauty Cube」のウェブサイトにおいて、商品「うるるん潤恋」の商品の紹介として「うるるん素肌で恋しよう♪」の記載があり、商品説明に「水のような潤いゲルでうるうる素肌に!]の記載がある( http://item.rakuten.co.jp/plmshopping/bio-scspcstsm/)。
カ 「Style Depot」のウェブサイトにおいて、商品「うるるん小町」の商品説明の見出しに「注目の成分“フルクタン”を使ってうるうる・もっちり素肌の保湿せっけんをつくりました。」「フルクタンだけじゃない!うるうる素肌に導く成分!」の記載がある( http://item.rakuten.co.jp/style-depot/ft0001/)。
キ 「Pure Concept」のウェブサイトにおいて、商品「フェイスソープ ナチュラルマヌカ」の商品説明に「洗いあがりは、しっとり・うるうる素肌が甦ります。」の記載がある(http://purecon.web.fc2.com/index.htm )。

以上によれば、「うるうる素肌」の文字からは、「潤いのある素肌」の意味合いを理解させるものというのが相当であり、化粧品や石けんには、肌の潤いを保ったり、潤いを与える商品があるから、本願商標をその指定商品中、「化粧水、化粧品、せっけん類」に使用するときは、これに接する、取引者、需要者は、上記意味合いを認識させるにとどまるものというのが相当であり、本願商標は、商品の品質、効能、用途を表示するにすぎないものと認められる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「うるうる」の語は、感情の高まりにより自然に涙ぐみ、そのため目が潤う様子を表す語として「目がうるうるする」のように用いられるのが通常であって、肌の状態を表す語として普通に使用されているものではない、また、「素肌」の語にしても商品の品質などを具体的に表すような語義を有しているものではなく、本願商標は、共に識別力を有している「うるうる」と「素肌」の語とを一体不可分に結合させたものであって、当然に識別力を発揮し得る旨、主張している。
しかしながら、「うるうる」の語が、肌についても「潤っているさま」を表す場合に使用していることは、前記インターネット情報からも十分にいうことができるし、さらに、例えば、「うるうる肌」をキーワードにインターネット検索を行えば、「うるうる」の語が肌についても使用されている多数の検索結果があることからも明らかである。
また、「素肌」の語は、前述のとおり、「衣服、特に、下着や、おしろい等をつけていないはだ。」を意味するものであり、「うるうる」の文字と結合し、使用された場合には、「潤いのある素肌」の意味合いを認識させるものであるから、本願商標については、上記のように判断すべきであって、請求人の主張は採用できない。
イ 請求人は、原審で示した上記事実は、「保湿力」や「お肌にうるおいを与える」等の商品の品質、効能の説明が別途なされているものなどであり、特定の者が商品内容を暗示する形で「うるうる素肌」の語を示しているにすぎず、商品内容を直接表示するために一般的、類型的に使用しているものではなく、上記事実をもってしても、「うるうる素肌」の語が商品の品質を表示するものとして使用されている実情があるとはいえないと主張している。
しかしながら、商品の説明において「うるうる素肌」が商品が肌に潤いを与える等の説明のほかに記載されているとしても、「うるうる」の語が肌についても「潤っているさま」を表すものとして一般に使用されているから、「うるうる素肌」の文字が前述の意味合いで使用され、認識されることは否定できない。
(3)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-11-25 
結審通知日 2010-11-30 
審決日 2010-12-14 
出願番号 商願2009-5797(T2009-5797) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X03)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石戸 円堀内 真一 
特許庁審判長 内山 進
特許庁審判官 根岸 克弘
瀧本 佐代子
商標の称呼 ウルウルスハダ、ウルウル 
代理人 石田 喜樹 

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