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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X09
管理番号 1231639 
審判番号 不服2010-5508 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-12 
確定日 2011-02-14 
事件の表示 商願2009- 23268拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「電気溶接装置,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」を指定商品として、平成20年9月17日に登録出願された商願2008-76253に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同21年3月30日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、別掲2のとおりの構成からなる登録第615926号商標(以下『引用商標1』という。)、別掲3のとおりの構成からなる登録第1307941号商標(以下『引用商標2』という。)及び別掲4のとおりの構成からなる登録第2684613号商標(以下『引用商標3』という。)(引用商標1ないし3をまとまていうときは、『引用商標』という。)と『ローム』の称呼を共通にする類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲に示すとおり、赤地の長方形図形(以下「図形」という。)を背景とし、の図形の中央部に、大きく、白抜きで「ROHm」(なお、「m」は、他の文字と同じ大きさで書されている。以下同じ。)の欧文字を横書きにし、「ROHm」の文字の下に、該文字より小さく、「SEMICONDUCTOR」の欧文字を白抜きで、横書きされているものである。
しかして、本願商標の構成中の「図形」と「ROHm」及び「SEMICONDUCTOR」が白抜きで書されていること、また、図形と文字とが、一連一体のものとして、特定の意味合いを看取させる等、これらが常に不可分一体のものとして看取されなければならない特段の事情は認められないことから、本願商標の図形と文字部分については、視覚上及び観念上、分離して看取されるものである。
また、構成中の文字部分についてみると、「ROHm」及び「SEMICONDUCTOR」の文字とをニ段に書してなるところ、その上段の「ROHm」の文字は、「SEMICONDUCTOR」の文字に比して、顕著に大きく書されているものである。
そして、「ROHm」及び「SEMICONDUCTOR」の文字とが、構成全体で、特定の意味合いを看取させるものとはいえず、さらに、本願商標の構成文字全体から生ずる「ロームセミコンダクター」の称呼は、やや冗長である。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、これらを常に一体不可分のものとして看取されなければならない特段の事情は認められないものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中の顕著に描かれた「ROHm」の文字部分に強く印象を留め、これより生ずる称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきであるから、本願商標は、構成文字全体に相応した「ロームセミコンダクター」の称呼のほか、「ROHm」の文字部分に相応した「ローム」の称呼をも生ずるものである。
他方、引用商標1は、別掲2に示すとおり、黒地の四角形内に白抜きされた「R」の文字と該文字の右に、2時、6時、10時の3部分に切れ込みの入った円図形の上に2個の小さな四角形を並べた図形(以下「円図形」という。)を配し、その右横に「Hm」(「m」は、「H」の文字と同じ大きさで書されている。以下同じ。)の文字を書してなるものである。
しかして、「円図形」は、3点に切れ込みがあり、その上に、小さな四角形図形をも配してなり、さらに、「R」や「Hm」の文字に比して、大きく描かれていることからすると、たとえ、かかる円図形が、構成中の「R」の文字と「Hm」の文字の間に位置するものであるとしても、かかる円図形に接した需要者等が、直ちに、これを欧文字「O」であると認識し、引用商標1が、「ROHm」の文字からなるものと看取するとはいい難い。
また、引用商標2は、別掲3に示すとおり、「R」の文字の右に、円図形内にさらに円を描いた図形(以下「二重円図形」という。)を配し、その右横に、「Hm」の文字を書してなるところ、「二重円図形」は、前述した理由に加え、円図形内にさらに円が描かれていることから、かかる二重円図形に接した需要者等が、直ちに、これを欧文字「O」であると認識し、引用商標2が、「ROHm」の文字からなるものと看取するとはいい難い。
さらに、引用商標3は、別掲4に示すとおりの構成からなり、「R」、「二重円図形」及び「Hm」の各部分を肉太で描いているものであるところ、引用商標3の構成中の二重円図形は、前述のとおり、これを欧文字「O」であると認識し、引用商標3が、「ROHm」の文字からなるものと看取するとはいい難いものである。
そうすると、引用商標は、その構成態様から「ローム」の称呼を生ずるものと判断しなければならない特段の事情はなく、引用商標は、「R」と「HM」の文字から、「アールエイチエム」の称呼を生ずるとしても、「ローム」の称呼は生じないものである。
よって、本願商標が、その構成態様から、「ローム」のみの称呼をも生ずるものであるとしても、引用商標は、その構成態様から、「ローム」の称呼は生じないものといえ、また、本願商標から生ずる「ローム」の称呼と、引用商標から生ずる「アールエイチエム」の称呼とは、明らかに相違するものである。
したがって、本願商標と引用商標とが「ローム」の称呼を共通にする類似の商標でああるとし、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)(色彩については原本を参照されたい。)



別掲2(引用商標1)




別掲3(引用商標2)





別掲3(引用商標3)





審決日 2011-01-28 
出願番号 商願2009-23268(T2009-23268) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 小林 由美子
豊田 純一
商標の称呼 ロームセミコンダクター、ローム、セミコンダクター 
代理人 向口 浩二 
代理人 深見 久郎 
代理人 竹内 耕三 
代理人 森田 俊雄 

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