• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X10
管理番号 1231637 
審判番号 不服2009-16666 
総通号数 135 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-09 
確定日 2011-01-20 
事件の表示 商願2008- 31945拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「EZ Stylet」の欧文字を標準文字で表してなり、第10類「 医療用機械器具」を指定商品として、平成20年4月23日に登録出願されたものである
その後、指定商品については、原審における、同21年1月7日付け手続補正書により、第10類「スタイレット」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『EZ Stylet』の文字を標準文字で表してなるが、前半の『EZ』の文字部分は、欧文字の2文字よりなるところ、一般に、欧文字の1文字ないし2文字は、商品の規格、品番等を表すための記号又は符号として商取引上類型的に採択使用されており、また、後半の『Stylet』の文字部分は、『スタイレット(注射針または軟性カテーテルの内腔に挿入する針金)』を表してなるから、本願商標をその指定商品について使用しても、商品の品番等を表す記号・符号とその商品の名称を表す語とを表示したものとして理解されるにとどまり、自他商品を識別できる標識部分を有するものとは認められないから、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権により証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき請求人に通知し、相当の期間を指定して意見を述べる機会を与えた。

1 「Stylet」の文字について
(1)「stylet」の項に「スタイレット:カテーテル、カニューレ、注射針などに入れる細い針金」等の記載(「ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館)。
(2)「stylet」の項に「スタイレット(注射針または軟性カテーテルの内腔に挿入する針金)」の記載(「医学英和大辞典」株式会社南山堂)。

2 「Stylet」及びこれに通ずる「スタイレット」に使用される記号・符号として、欧文字2文字が使用されている事実について
(1)「スタイレット」の見出しのもと「XSサイズ」の表示(http://kyoling.net/jp/Vol01-kidokakuho_03.html)。
(2)「スタイレット」の見出しのもと、「タイプ」の項に「JL」及び「スタイレット JLタイプ」の記載 (http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/documents/pdf/HJ00120B.pdf)
(3)「スタイレット」の見出しのもと、「ST-1」、「ST-2」、「ST-3」及び「ST-4」の記載(http://www.hayashidera.com/pgdata/products.php?t=1&i=1&c=2&d=8)。
(4)「平成22年度研修関係消耗品一覧」の見出しのもと、「品名」の項に「スタイレット」、「規格・品質」の項に「BE-22-11-40」の記載(http://www.fasd.or.jp/tyoutatu/shiyou038_a.pdf)
(5)「購買事業」の見出しのもと、「スタイレット」、「品番」の項に「TY-550L」、「TY-550S」の記載(http://homepage1.nifty.com/fmca/jigyou/koubai/kob-5-095.html)。
(6)「KA-0735-09 スタイレット(気管チューブ挿入用) 大」の記載(http://item.rakuten.co.jp/ricoro/0-3201-01/)。

3 本願指定商品が属する「医療用機械器具」に「EZ」及び「ez」の文字が使用されている事実について
(1)「高度管理医療機器 二相式気道陽圧ユニット 特定保守管理医療機器 クリーンエア EZ」の記載(http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/670522_21500BZY00289000_A_01_01.pdf)。
(2)「ナチュラレットEZデバイス」の見出しのもと、「保護キャップ ねじ切り不要の穿刺針」の記載(https://www.mimaki-family.com/item/item_27128.html)
(3)「臨床化学自動分析装置 スポットケムEZ」の見出しのもと、「2006年製。POCTの中核を担う、最新鋭のドライケミストリー装置。小型遠心分離機内蔵により、全血検体も前処理不要。」の記載(http://www.intermedical.jp/r_products/508758/)
(4)「メディセーフez」の見出しのもと、「さまざまな患者さんへの「易しさ」と「優しさ」を追求した一体型血糖測定システム」の記載(http://homepage1.nifty.com/fmca/jigyou/koubai/topics_back/01_11/topi_03.html)。
(5)「ダイヤル目盛付輸液用ラインセット EZレギュラー(イージーレギュラー)」の見出しのもと、「EZレギュラーは治療時に汎用される点滴投与を、より安全に、より簡便に、そしてより正確にするダイヤル目盛付輸液用ラインセットです。」の記載(http://www.cardio.co.jp/product/ezregular.html)。

第4 証拠調べに対する請求人の意見(要点)
本願商標は、「EZ」と「Stylet」の間が一文字分空いているとしても、「EZ」と「Stylet」が同書体、同間隔に配する態様にて、その構成全体がまとまりよく一連に表されて「EZ Stylet」と表示してなるのであって、その構成に相応して、「イージースタイレット」の称呼を生ずるものというべきであるから、全体として一体不可分の造語とみるべきものである。
さらに、本願商標と同じく、欧文字2文字の「EZ」と指定商品を表す欧文字部分との間に1文字ほどの空白のある商標が、登録となっている例や欧文字2文字と後半の文字部分との間に1文字ほどの空白のある商標が審決によって登録された例もある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当しない。

第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり「EZ Stylet」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「Stylet」の文字は、前記第3の1の事実によれば、「注射針または軟性カテーテル内腔に挿入する針金」を意味し、「スタイレット」の片仮名で表示されているものであるから、本願指定商品を表示しているといえるものである。
ところで、本願商標は、その構成中の「EZ」の文字部分と「Stylet」の文字部分との間に1文字ほどの空白があり、「EZ」の文字と「Stylet」の文字を常に一体のものとして把握されるとみるべき格別の事情を見いだせないものであるから、欧文字2文字の「EZ」と本願指定商品を表す「Stylet」の文字を組み合わせているにすぎないものである。
そして、前記第3の2によれば、「スタイレット」の型式などを表示するための記号、符号として、欧文字2文字が使用されている事実があるうえ、前記第3の3によれば、「EZ」及び「ez」の各文字が「医療用機械器具」の型式などを表示するための記号、符号として使用されている事実があることからすれば、本願商標の構成中の「EZ」の文字は、これを本願指定商品に使用しても、指定商品の型式などを表示するための記号、符号の一類型として、理解されるにすぎないものといわなければならない。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用したときは、これに接する需要者、取引者をして当該商品の型式、品番を表す記号・符号である「EZ」と、指定商品である「スタイレット」を理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。
なお、請求人は、本願商標と構成を同様にする商標の過去の審決例及び登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべき旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品との関係におけるその商品の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるものであるから、請求人が挙げた審決例及び商標登録例によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
以上によれば、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-11-24 
結審通知日 2010-11-25 
審決日 2010-12-09 
出願番号 商願2008-31945(T2008-31945) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (X10)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 長柄 豊 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大森 友子
末武 久佳
商標の称呼 イージースタイレット、イイゼットスタイレット、スタイレット 
代理人 谷山 守 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ