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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X09
審判 全部申立て  登録を維持 X09
管理番号 1230258 
異議申立番号 異議2010-900165 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-02-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-06-14 
確定日 2010-12-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5309016号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5309016号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5309016号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年8月31日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品,コンピュータ用タッチパネル,コンピュータ用タッチスクリーン,半導体レーザーチップ,レーザープリンター,液晶ディスプレイ,コンピュータ入力用ペン,バーコードリーダー」を指定商品として、同22年1月5日に登録査定され、同年3月12日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)のとおりである。
(1)登録第3352480号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ELO TOUCHSYSTEMS」の欧文字を横書きしてなり、平成6年12月8日に登録出願、第9類「コンピュータ用タッチスクリーン,タッチスクリーンを備えたディスプレイモニター,タッチスクリーン用のアナログ-デジタル信号変換装置,タッチスクリーンのためのコンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録され、その後、同19年10月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第3352479号商標(以下「引用商標2」という。)は、「エロタッチシステムズ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成6年12月9日に登録出願、第9類「コンピュータ用タッチスクリーン,タッチスクリーンを備えたディスプレイモニター,タッチスクリーン用のアナログ-デジタル信号変換装置,タッチスクリーンのためのコンピュータ用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録され、その後、同19年10月16日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4434142号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ELO TOUCH POWER」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年4月30日に登録出願、第9類「コンピュータ用タッチスクリーン,タッチスクリーンを備えたディスプレイモニター,タッチスクリーン用のペン型入力具,その他の電子計算機用データ入力装置,タッチスクリーンのためのコンピュータ用プログラムを記憶させた記録媒体,その他の電子計算機,その他の電子応用機械器具及びその部品,タッチスクリーン用電気・電子制御装置,その他の配電用又は制御用の機械器具」を指定商品として、同12年11月17日に設定登録され、その後、同22年8月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
以下、これらをまとめていう場合は「引用商標」という。

第3 登録異議申立ての理由の要点
1 理由の要点
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。
(1)申立人について
申立人であるタイコ・エレクトロニクス・コーポレーションは、1941年に設立されたコネクタの世界最大手である米国AMP社を前身とし、今日では世界約50カ国に200以上もの拠点を持つ世界最大級の電子部品サプライヤーである。世界シェアNo.1のコネクタをはじめ、電子部品、ネットワークソリューション、海底通信システム、ワイヤレスシステムなど数多くのエレクトロニクスブランドを有し、自動車、家電、通信、航空機、医療機器、産業機器など、幅広い産業分野でトップクラスのシェアを獲得し、2009年には全世界で103億ドルを売り上げた業界を牽引するリーディングカンパニーとなっている(甲第5号証)。
(2)引用商標1の周知・著名性について
ア 申立人は、日本において引用商標1をタッチパネルに使用し、タッチパネル関連製品の開発・製造・販売を行ってきた。業界随一の技術方式を持ち、タッチパネル専門メーカーならではの高品質・高信頼性のタッチモニターやタッチパネル一体型パソコンなど、今日までに幅広い製品群を提供している。近年、小型電子部品のパフォーマンス向上により、スマートフォン、ナビゲーションシステム、ワイヤレススキャナーなど、様々なモバイル機器の開発の活発化を追い風に、そのマーケットは、店舗・リテール分野、医療・ヘルスケア分野、産業分野、娯楽分野、交通分野、モバイル機器分野、オフィスオートメーション分野など多岐にわたっている(甲第6号証)。
また、こうした優れたタッチパネルの技術は、画面に表示されたアイコンやボタンに直接触れることで、コンピューターを簡単に操作できるため、障害をもつ者やその支援者等にも広く支持されており、社会貢献に寄与している(甲第7号証)。
イ 2008年10月には、申立人のタッチモニターのデザインと使いやすさが評価され、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨制度「グッドデザイン賞(Gマーク)」を受賞した(甲第8号証)。該タッチモニターの下枠中央には「eloTOUCHSYSTEMS」の文字が認められる。
ウ 申立人は、国内外の数々の見本市に引用商標1に係る製品を出展した結果、高い評価を得ており、2008年には「JAPAN SHOP SYSTEM AWARDS 2008」のユビキタス・ITネットワーク部門に入賞している(甲第9号証)。
エ 2009年3月には、申立人のワイドタッチモニターが「第14回アドバンストディスプレイ オブ ザイヤー2009」のディスプレイ・モジュール部門の優秀賞を受賞している(甲第10号証)。受賞理由は、「音響波照合方式に基づいたタッチパネルを開発、大型液晶ディスプレイに搭載実用化しFPD(フラットパネルディスプレイ)業界に多大な貢献をした」というものである。
オ 以下は、過去5年間(2005年?2009年)の引用商標1に係る製品の出荷額である。
<出荷額>
2005年 100,408円
2006年 758,748円
2007年 908,237円
2008年 1,565,573円
2009年 1,287,514円
カ 以下は、過去3年間(2007年?2009年)の引用商標1に係る製品の広告・宣伝費である。
<広告・宣伝費>
2007年 US$ 183,125(約2千万円)
2008年 US$ 87,039(約950万円)
2009年 US$ 68,064(約750万円)
キ 引用商標1は、日本、欧州共同体を含む約25カ国で商標登録されている(甲第11号証ないし同第35号証)。このように、申立人は、引用商標1の世界的な保護を背景に、引用商標1に係る製品を世界的に展開し、これらは認知されているというべきである。
ク 上記事実より、引用商標1は、申立人の業務にかかる電子応用機械器具の分野において需要者及び取引者の間で広く知られているというべきであり、また、その周知・著名性は、本件商標の登録出願日(2009年8月31日)及び登録日(2010年3月12日)はもちろん、現在に至るまで維持されている。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 商標の類否について
本件商標は、別掲のとおり、「ALOTouch」の欧文字からなるところ、その構成文字中「LOT」が緑色で着色され、かつ、「O」の文字がややデザイン化されているとしても、その他の「A」、「UCH」とは等間隔に書されていることから、全体として「ALOTouch」の文字をデザイン化したものと容易に看取できるものである。すると、その構成文字に相応して「アロタッチ」なる称呼が生じ得る。また、語頭の「A」の文字を「エー」と発音し、「エーロタッチ」の称呼が生ずることも十分考えられる。
一方、引用商標1は、「ELO TOUCHSYSTEMS」の欧文字からなるところ、「SYSTEMS」の文字部分は指定商品との関係においてさほど自他商品の識別力が高い部分とはいえないため、その構成より「エロタッチシステムズ」又は「エロタッチ」の称呼が生じ得る。同様に、引用商標2は、「エロタッチシステムズ」の片仮名文字からなるところ、その構成より「エロタッチシステムズ」又は「エロタッチ」の称呼が生ずる。引用商標3は、「ELO TOUCH POWER」の欧文字からなるところ、「POWER」の文字部分は指定商品との関係においてさほど自他商品の識別力が高い部分とはいえないため、常に一体のものとしてのみ把握すべき特別の理由は見いだし難いから、該商標に接する取引者、需要者は、見やすく読みやすい部分に着目し、「エロタッチパワー」又は「エロタッチ」の称呼が生ずるといえる。
そこで、本件商標より生ずる「アロタッチ」の称呼と引用商標より生ずる「エロタッチ」を比較するに、両者は、語頭音「ア」と「エ」以外の3音を同じくするものである。そして、相違する「ア」と「エ」の音は、共に50音図の同行音に属する短母音であり、しかも、「エ」の音は声をロ腔内に響かせてだすことにより発声する「ア」と「イ」の中間の母音(e)で、「ア」の音に近似した音といえる。
また、共に第2音にある響きの強い弾音「ロ」に吸収されて比較的弱く発音され、聴取される。さらに、両称呼は、促音を件うことによりアクセントを有する「タッ」を含む「タッチ」の音節部分が、語頭部の「アロ」と「エロ」の音節部分より強く発音されることにより、語頭における両音の差異は、「タッチ」の文字部分に比して小さいものとなることと相侯って、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似し、両者は、互いに相紛れるおそれがある類似の商標といえる。してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼が近似する類似の商標といえる。
また、本件商標の語頭の「A」の文字を「エー」と発音し、「エーロタッチ」と称呼した場合には、引用商標から生じる「エロタッチ」とは、称呼が長音の有無の差異にすぎない極めて類似の商標といえる。
イ 商品の類否について
本件商標の指定商品「電子応用機械器具及びその部品,コンピュータ用タッチパネル,コンピュータ用タッチスクリーン,半導体レーザーチップ,レーザープリンター,液晶ディスプレイ,コンピュータ入力用ペン,バーコードリーダー」は、引用商標の指定商品と抵触するものである。
ウ まとめ
上述のとおり、本件商標と引用商標とは、称呼が極めて類似する商標である。また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は前記したとおりで類似する。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(1)で述べたとおり、申立人は、電子応用機械器具分野においてグローバルに活動する企業であるところ、引用商標1を日本においてタッチパネルに使用しており、各種新聞・見本市等での宣伝活動などを行って知名度を確立しているといえる。
したがって、本件商標と引用商標1の類似性、引用商標1の周知性の程度、及び本件商標の指定商品と引用商標1の指定商品間の関連性及び需要者の共通性等を総合してみれば、引用商標1と同一又は類似の称呼が生じる本件商標をその指定商品に使用するときには、需要者・取引者において、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品と誤認し、出所を混同する可能性が十二分にあるものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
2 結語
叙上に徴し、本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのある類似の商標であり、また、その指定商品について出所の混同を生じるおそれのある商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法43条の2第1号の規定により、その登録を取り消されるべきものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標
本件商標は、別掲のとおり、その構成中「LOT」の文字部分を緑色で青色の影つき文字風に書し、残余は青色で書してなり、また、5文字目の「o」は、一番中心の円を太くし外に向かうほどに細くなる三重円からなるものの、その構成全体から、「ALOTouch」と書してなるものと認識される文字商標であり、我が国において一般的に親しまれている英語風の発音方法、例えば、「aloe」を「アロエ」、「aloha」を「アロハ」、「aloft」を「アロフト」と発音する例に倣い、これより「アロタッチ」の称呼のみを生ずるものというのが自然である。
そして、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分の造語と認識されるというのが相当である。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、「ELO TOUCHSYSTEMS」の欧文字を書してなるものであるから、構成文字全体に相応して「エロタッチシステムズ」の称呼を生じ、その指定商品との関係からすると、構成中の「SYSTEMS」の文字が「手順、方式」などの意味を有し、自他商品識別力が比較的弱いか若しくは果たし得ないものであるから、「ELO TOUCH」の部分より「エロタッチ」の称呼をも生じ、かつ、特定の語義を有しない一種の造語よりなるものというのが相当である。
イ 引用商標2は、「エロタッチシステムズ」の片仮名よりなるものであるから、その文字に相応して「エロタッチシステムズ」の称呼を生じ、その指定商品との関係からすると、構成中の「システムズ」の文字が「手順、方式」などの意味を有し、自他商品識別力が比較的弱いか若しくは果たし得ないものであるから、「エロタッチ」の称呼をも生じ、かつ、特定の語義を有しない一種の造語よりなるものというのが相当である。
ウ 引用商標3は、「ELO TOUCH POWER」の欧文字を標準文字で書してなり、その構成文字全体に相応して「エロタッチパワー」の称呼を生じ、指定商品との関係からする「POWER」の文字が「力、動力、機械力」などの意味を有し、自他商品識別力が比較的弱いか若しくは果たし得ないものであるから、「ELO TOUCH」の部分より「エロタッチ」の称呼をも生じ、かつ、特定の語義を有しない一種の造語よりなるものというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否
ア 本件商標から生ずる称呼「アロタッチ」と引用商標1及び2より生ずる「エロタッチシステムズ」の称呼とを比較すると、両者は、それぞれの構成音数において明らかな差異を有するものであり、相違する各音の音質の差異によって、互いに相紛れることなく区別され得るものである。同じく、本件商標から生ずる称呼「アロタッチ」と引用商標3より生ずる「エロタッチパワー」の称呼とを対比しても、構成音数、音構成に差異を有しているから、これらを一連に称呼した場合であっても、十分に聴別し得るものである。そして、本件商標及び引用商標は、外観においても明らかな差異があり、いずれも特定の観念を有しないから、比較することができないものである。
イ 次に、本件商標から生ずる称呼「アロタッチ」と引用商標より生ずる「エロタッチ」の称呼とを比較すると、両称呼は称呼を識別するうえで最も重要な要素となる語頭音において「ア」の音と「エ」の音という音質の異なる音の差異を有するものであるから、両者を一連に称呼した場合、全体の音感、音調を異にし、称呼上十分区別し得るものである。さらに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、観念においては比較できないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標1とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきであるばかりでなく、申立人の提出に係る甲第5号証ないし甲第10号証を徴するも、主として「タッチパネル」若しくは「タッチパネル・システムズ株式会社」に関する紹介記事であり、また、引用商標1に係る製品の「出荷額」「広告・宣伝費」については、申立人の主張のみであって、引用商標1との関係を具体的に裏付ける証拠の提出はない。さらに、甲第11号証ないし甲第35号証は各国の登録証の写しであるところ、これら各国の登録商標の存在によって、直ちに引用商標1が「タッチパネル」関連商品に使用され、本件商標の登録出願前及び登録査定日に我が国において周知、著名になっていたとまでは認め難いものである。
そうすると、たとえ、引用商標1が商品「電子応用機械器具」、特に「タッチパネル」関連商品に使用されていたとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者をして、引用商標1を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
3 まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標(色彩については原本参照)





異議決定日 2010-12-07 
出願番号 商願2009-66149(T2009-66149) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X09)
T 1 651・ 262- Y (X09)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大房 真弓田中 敬規 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 前山 るり子
内山 進
登録日 2010-03-12 
登録番号 商標登録第5309016号(T5309016) 
権利者 華信光電科技股▲分▼有限公司
商標の称呼 アロタッチ、アロータッチ、アロ、アロー、エイエルオオ 
代理人 鮫島 睦 
代理人 服部 雅紀 
代理人 田中 光雄 
代理人 寺田 花子 
代理人 佐々木 美紀 
代理人 勝見 元博 
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