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審決分類 審判 一部無効 観念類似 無効としない X42
審判 一部無効 称呼類似 無効としない X42
管理番号 1230174 
審判番号 無効2010-890008 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-01-25 
確定日 2011-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第5257506号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第5257506号商標(以下「本件商標」という。)は、「イマジナクト」の片仮名文字と「imaginact」の欧文字を二段に併記してなり、平成20年12月25日に登録出願され、第35類「ポップ広告の企画・立案及び作成,映像と音声を組込んだポップ広告,パンフレット・カタログ・ポスターによる広告の企画並びに制作,広告についてのコンサルティング,広告,トレーディングスタンプの発行,商品の売買契約の媒介,ブランド戦略に関するコンサルティング,事業の管理・運営に関するコンサルティング,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,書類の複製,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与」、第41類「セミナー・シンポジウム・会議・講演会の企画・運営又は開催,書籍・雑誌・カタログ・パンフレット・ポスターの制作(広告・宣伝・販売に関するものを除く。),映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,オンラインによる映像・音楽の提供,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),デザインコンテストの企画・運営又は開催,記念イベントの企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」及び第42類「気象情報の提供,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,ウェブサイトにおけるデザインの考案,デザインの考案,ウェブサイトの作成・保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,製図用具の貸与」を指定役務として、平成21年8月14日に設定登録されたものである。

2 引用商標
請求人が引用する国際登録第889386号商標(以下「引用商標」という。)は、「ACTIMAGINE」の欧文字を書してなり、第9類、第41類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品又は指定役務として、2005年9月15日にフランス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2006年(平成18年)2月28日に国際商標登録出願され、平成20年7月25日に設定登録されて、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、「本件商標の指定役務中、第42類『機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,ウェブサイトの作成・保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供』についての登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第6号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、「イマジナクト」及び「imaginact」の文字からなるところ、引用商標は、その先出願に係るものであって、両商標は相類似しており、その指定役務も類似するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に反するから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべきである。
ア 本件商標と引用商標の指定役務について
本件商標は、国際分類第9版の商品及び役務区分の第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計、ウェブサイトの作成・保守、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明、電子計算機の貸与、電子計算機用プログラムの提供」を指定役務に含むものである。
一方、引用商標は、国際分類第8版の商品及び役務区分の第42類「Computer software development, services of installation, maintenance and updating of computer software and hardware; computer software and hardware consultancy; engineering work for others, namely technical research concerning computing, data conversion, signal processing and algorithms; data conversion and design of electronic equipment; computer programming; licencing of intellectual property including computer software, patents, know-how, trademarks; creating and maintaining web sites for others; hosting computer sites.」を指定役務に含むものであり、本件商標と引用商標とは、第42類の上記指定役務において同一又は類似である。
イ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記1のとおり、「イマジナクト」及び「imaginact」の文字からなるものであり、また、引用商標は、前記2のとおり、「ACTIMAGINE」の文字からなるものである。
本件商標の構成中「imagin」の文字は、英単語「imagine」の「e」が省略されたものであると容易に理解されるものであり、英単語「imagine」は、「想像する、仮定する、推察する」等を意味する英単語として一般によく知られている英単語である。また、「act」は、「行為、行動する、演ずる」等という意味を有する英単語であって、広く親しまれている英単語であることから、本件商標に接する需要者・取引者は、本件商標を英単語「imagine」と「act」を結合してなる商標であると容易に理解し、把握するといえる。
一方、引用商標は、一連一体に書されているところ、英単語「ACT」と「IMAGINE」を結合してなる商標であると容易に認識することができる。そして、両商標の構成文字の「ACT」及び「IMAGINE」の文字は、上記の意味を有する語として、それぞれ一般によく知られている英単語であるから、「ACT」と「IMAGINE」の語が結合してなるものと容易に理解し、把握されるものであるといえる。また、両商標からは、構成文字の一方が、他方の構成文字を修飾するような主従・軽重の差を見いだすことはできないため、それぞれ一連の熟語的な意味合いをもって一般に親しまれているともいい難いものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、「ACT」の文字と「IMAGINE」の各文字がその配列において前後の違いはあるとしても、その相違によって、それぞれが一連の熟語的意味合いを有する語として、把握、認識される特段の事情は見いだせないから、両商標に接する取引者、需要者は、これらの文字の配列を常に正確に記憶に留めて、それぞれを明瞭に峻別するというよりは、むしろ、それぞれの前後に関わりなく、「ACT」と「IMAGINE」の各称呼、及び「行為、行動する、演ずる」と「想像する、仮定する、推察する」の各観念を生じる文字の組み合わせからなる商標として印象づけられるというべきである。
したがって、両商標は、いずれも「ACT」と「IMAGINE」の二つの語が単に前後に入れ替ってなるにすぎないものであるから、取引者、需要者が時と処を異にしてこれに接するときは、称呼及び観念において、互いに相紛れるおそれのあるものとみるのが相当であるから、本件商標と引用商標とは、外観における差異を考慮しても、称呼及び観念において相紛らわしい類似の商標というべきであり、かつ、本件商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むことが明らかである。
よって、本件商標は引用商標に類似するものであり、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
ウ 審決例について
本件商標と引用商標のように、二つの単語の組み合わせからなる商標であって、一連の語句として別個独立の観念をもって一般に親しまれているとは認め難いものである場合は、それぞれの単語の前後を正確に理解し、記憶することが難しく、時と処を異にしてこれらに接するときは、いずれが前後であったかを判別することが極めて困難であるので、このような商標は互いに類似する商標であると判断されるべきである。このことは、以下の審決例によっても明らかである。
(ア)不服2008-23597(甲第3号証)
商標「パワーテーピング」と「テーピングパワー」とが類似する商標であると判断されている。
(イ)H10-10935(甲第4号証)
商標「WAGON CLUB」と「CLUBWAGON」とが類似する商標であると判断されている。
(ウ)異議2000-90380(甲第5号証)
商標「CLUB KIDS/クラブ・キッズ」と「BURGER KING/KIDS/CLUB」とが類似する商標であると判断されている。
(エ)H9-3625(甲第6号証)
商標「CLUB FIELD」と「フイールドクラブ/Field Club」とが類似する商標であると判断されている。
以上の審決例が示すように、二つの単語の組み合わせからなる商標であって、それぞれの単語が我が国でもよく知られた英単語であり、それぞれの英単語の組み合わせであることが容易に理解できるときは、需要者、取引者はそれらの単語の前後を必ずしも正確に記憶するものとは限らないので、このような商標は互いに類似する商標であると判断されるのが適切である。
したがって、これら審決例が示すとおり、本件商標と引用商標とは、互いに類似する商標である。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、他人の先願先登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定役務に類似する役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号ないし第12号証を提出した。
(1)答弁の理由
請求人は、本件商標は、引用商標と類似する商標について、引用商標の指定役務と類似する指定役務について登録されたものであり、無効とされるべきと主張している。
しかしながら、本件商標は、引用商標と全く非類似の商標であり、本請求書における請求人の主張には理由がなく甚だ当を失するものである。
以下にその理由を詳述する。
(2)本件商標と引用商標とは非類似の商標であること
被請求人は、本件商標と引用商標との外観、称呼及び観念の類否について比較、検討し、両商標は全く非類似の商標である理由を述べる。
ア 外観上
本件商標は、片仮名文字の「イマジナクト」及び欧文字の「imaginact」を上下二段に並記してなるものである。
これに対し、引用商標は、欧文字で「ACTIMAGINE」の文字を書してなるものである。
したがって、両商標は、それぞれ構成文字を全く異にするから、対比的観察においては勿論、異時別所におけるいわゆる離隔的観察において著しい差異を有するので、外観上、両商標を混同するおそれはないものである。
イ 称呼上
本件商標の構成は、前述のとおりであり、かつ、本件商標の構成文字中、上段の片仮名文字部分が本件商標の読みを特定しているため、本件商標からは「イマジナクト」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標の構成は前述のとおりであるから、引用商標からは「アクトイマジン」、「アクティマジン」、「アクチマジン」及び「アクチマジネ」の各称呼を生ずるものである。
したがって、両商標は、いずれにしても、称呼において顕著な相違があるから、如何に繁劇な取引においても、称呼上、両商標が相紛れるおそれは全くないものである。
ウ 観念上
本件商標の構成は、前述のとおりであるから、本件商標からは何らの意味をも生じない造語である。
また、引用商標の構成は、前述のとおりであるから、引用商標も何らの意味合いをも生じない造語である。
したがって、両商標は、この観念の点においても、比較する術はなく、両商標を観念上、混同する余地は寸分も存しないものである。
エ 小括
したがって、本件商標は、引用商標とは外観・称呼・観念のどの点においても異なるから、両商標は、全くの非類似の商標であると目するのが相当である。
(3)請求人の主張に対する反論
ア 本件商標の称呼及び観念の特定の誤り
請求人は、本件商標が同一大・同一書体・同一間隔・同一色彩で一連一体に書されている構成にも拘わらず、「imaginact」の文字部分を「imagin」の文字部分と「act」の文字部分に殊更に分離して、さらに「imagin」が「imagine」の「e」を省略したものと容易に理解されるものと主張し、本件商標の称呼及び観念を特定している。
しかしながら、請求人の上記特定は、本件商標の片仮名文字部分の存在を全く無視するとともに、本来的に分離できない一体不可分の欧文字の構成を殊更に分離するものであり、さらに、構成文字中にない「e」を付け加えて特定しているものであり、称呼及び観念の特定として決して採用され得ないものである。
また、一体不可分の商標である本件商標に接する取引者・需要者は、一種の造語として認識し、理解するのが相当であり、具体的に「想像する、仮定する、推察する」等の意味合いや「行動、行動する、演ずる」等の意味合いを想起することはないものである。ましてや、本件商標の構成文字中の「イマジナクト」の片仮名文字から、上記のような意味合いを想起する取引者・需要者は皆無である。
したがって、請求人による本件商標の称呼及び観念の特定は、全くもって当を失するものと言わざるを得ないものである。
イ 片仮名文字部分が本件商標の読みを特定していること
本件商標は、前記1のとおり、片仮名文字の「イマジナクト」及び欧文字の「imaginact」からなるものであり、当該構成においては、上段の片仮名文字部分が下段の欧文字の読みを表示し、称呼を特定したものというのが相当であるので、本件商標からは、「イマジナクト」の称呼のみを生ずることは明らかである。
したがって、請求人の主張は、本件商標の片仮名文字部分の存在を全く無視するものであり、当を失するものである。
このことは、片仮名文字と欧文字が二段に並記されている場合に、片仮名文字部分が商標の読みを特定していると判断されている審決例・決定例からも明らかである(乙第1号ないし第12号証)。
ウ 引用商標の称呼及び観念の特定の誤り
請求人は、同一大・同一書体・同一間隔・同一色彩で一連に書されている「ACTIMAGINE」の文字部分を「ACT」の文字部分と「IMAGIN」の文字部分に殊更に分離して、引用商標の称呼及び観念を特定している。
しかしながら、請求人の上記特定は、本来的に分離できない構成を殊更に分離するものであり、称呼及び観念の特定として決して採用され得ないものである。
また、一体不可分の商標である引用商標に接する取引者・需要者は、一種の造語として認識し、理解するのが相当であり、具体的に「行動、行動する、演ずる」等の意味合いや「想像する、仮定する、推察する」等の意味合いを想起することはないものである。
したがって、請求人による本件商標の称呼及び観念の特定は、全くもって当を失するものと言わざるを得ないものである。
エ 本件商標と引用商標の称呼及び観念の類否の誤り
請求人は、両商標は、「ACT」と「IMAGINE」の二つの語が単に前後に入れ替わっているにすぎないものであるから、取引者・需要者が離隔的観察をした場合に、称呼及び観念において互いに相紛れるおそれがある旨主張をしている。
しかしながら、両商標は、共に一体不可分の商標であり、そもそも両商標の称呼及び観念について誤っている以上、当該請求人の主張は当を失することは明白である。
オ 甲第3号ないし第6号証の審決例について
上記甲各号証記載のいずれの事案も、本件商標の構成と全く異なる構成の商標に係る事案であり、本件と事案を異にするものであるので、本件商標と引用商標とが非類似の商標であるという結論に影響を及ぼすものではない。
(4)結語
以上のとおり、請求人の主張はいずれも失当であり、本件商標についてなされた登録は、商標法第4条第1項第11号に違反するものではない。

5 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「イマジナクト」及び「imaginact」の文字からなるところ、上段の片仮名文字及び下段の欧文字は、いずれも、同じ書体で等間隔に纏まりよく一連に表されており、かかる構成態様の各段の文字が、いずれかの部分で分離して認識されるとすべき特段の理由及び証拠は見出せないものである。
さらに、上段の片仮名文字部分が、下段の欧文字「imaginact」の読みを特定したものと無理なく理解されるものであるから、これより本件商標は「イマジナクト」の称呼のみを生ずるものというべきであり、その構成全体をもって一体不可分の一種の造語よりなるものと認識され、把握されるというべきである。
なお、請求人は、本件商標に接する取引者・需要者は、本件商標を英単語「imagine」と「act」を結合してなる商標であると、容易に理解し、把握する旨主張している。
しかしながら、「imaginact」の構成各文字は、同じ書体で等間隔に、一連に纏まりよく構成されており、これを「imagin」と「act」に分離して理解されるとすべき特段の理由はないばかりか、「imagin」部分を「imagine」の「e」が省略されたものとして把握するとすべき合理的な理由も証拠の提出もない。
してみれば、本件商標が、「imagin」と「act」を結合してなる商標であると、容易に理解し、把握するとの請求人の主張は、採用し得ないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「ACTIMAGINE」の文字からなるところ、その構成各文字は 同じ書体、同じ大きさ、等間隔に纏まりよく一連一体に表されていることから、全体がひとまとまりの文字商標として看取されるものというべきである。
そして、たとえ、引用商標が「ACT」と「IMAGINE」の二つの語を結合したものと認識される場合があるとしても、特段の理由がない限り、むしろ、これら二つの語が結合された一連一体の造語として取引者、需要者に把握され、理解されるとみるのが自然というべきである。
したがって、引用商標についても、特定の観念を生じさせない一種の造語として理解、認識され、その構成文字に相応して「アクティマジン」あるいは「アクトイマジン」の称呼を生ずるものというべきである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標が、片仮名文字「イマジナクト」と、欧文字の小文字「imaginact」を、二段に併記した構成からなるのに対し、引用商標は、その全ての欧文字を大文字で「ACTIMAGINE」と書してなるものである。
そして、両商標の欧文字部分である「imaginact」と「ACTIMAGINE」を対比しても、その文字構成及び配列において明らかに相違するものであるから、両商標の外観構成から受ける印象は全く異なり、外観上、相紛れるおそれはないというべきである。
イ 次に、本件商標の称呼「イマジナクト」と引用商標の称呼「アクティマジン」及び「アクトイマジン」とを対比するに、いずれも語頭音から語尾に至る音の構成及び配列が著しく相違するものである。
してみれば、両商標をそれぞれ一連に称呼しても、彼此相紛れるおそれはなく判然と区別し得るものである。
ウ さらに、本件商標と引用商標は、いずれも、特定の観念を生じさせない造語として看取されるものであるから、観念については比較をすることができないものであって、観念上も相紛れるおそれはない。
エ してみれば、両商標を同一又は類似の役務に使用しても、同一の事業者の提供に係る役務であるかの如く誤認混同されるおそれはないと判断されるものであるから、本件商標は、引用商標に類似する商標であるとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)請求人の主張について
請求人は、本件商標と引用商標について、いずれも「ACT」と「IMAGINE」の二つの語が、単に前後に入れ替ってなるにすぎないものであるから、取引者、需要者が時と処を異にしてこれに接するときは、称呼及び観念において、互いに相紛れるおそれがある旨主張する。
しかしながら、前記(1)及び(2)のとおり、本件商標と引用商標は、それぞれの構成態様に照らし、共に一連の造語としてのみ把握されるとみるのが自然であるから、請求人が主張する如く、両商標が二つの文字部分に分離して看取され、その上で、一つの共通の観念を有するものとして取引に資されるものとは俄に認め難いものである。
したがって、二つの文字部分に分離して看取されることを前提として、両商標が称呼及び観念において類似するとの請求人の主張は、採用できない。
また、請求人が挙げる審決例は、本件商標と商標の構成及び態様が相違するものであるから本件とは事案を異にし、前記の認定判断を左右し得ないものである。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定役務中、第42類「機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,ウェブサイトの作成・保守,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定によって、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-07-29 
結審通知日 2010-08-09 
審決日 2010-08-24 
出願番号 商願2008-103981(T2008-103981) 
審決分類 T 1 12・ 262- Y (X42)
T 1 12・ 263- Y (X42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大島 勉 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
野口 美代子
登録日 2009-08-14 
登録番号 商標登録第5257506号(T5257506) 
商標の称呼 イマジナクト、イメージナクト 
代理人 藤森 裕司 
代理人 飯島 紳行 
代理人 木村 純平 
代理人 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 

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