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審決分類 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X41
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X41
管理番号 1230009 
審判番号 不服2009-15628 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-26 
確定日 2010-12-10 
事件の表示 商願2009- 8114拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「Design Showcase」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,学校・スクール情報の提供,セミナー・講演会・研修会の企画・運営又は開催,文化又は教育のための展示会の企画・運営及び開催,電子出版物の提供,電子計算機端末による図書・電子出版物及び記録の供覧,その他の図書及び記録の供覧,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,オンラインによる画像・映像の提供,オンラインによる音楽の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),興行場の座席の手配」を指定役務とし、平成19年12月11日に登録出願された商願2007-122927号を原出願とする、商標法第10条第1項の規定による分割出願として、同21年2月6日登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『Design Showcase』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『Design』の語は、『意匠。デザイン。』等を、『Showcase』の語は、『陳列棚。展示。陳列。陳列場。』等を、それぞれ意味し、本願商標全体としては、『デザインに関する展示』程の意味合いを看取することから、これをその指定役務中前記文字に照応する役務、例えば『文化又は教育のための展示会の企画・運営及び開催』について使用しても、本願商標に接する取引者、需要者は、『文化又は教育のためのデザインに関する展示会の企画・運営及び開催』程の意味合いを認識するにすぎず、結局、本願商標は、単に役務の質(内容)を表したに止まり、自他役務を区別する標識としての識別力を具有しない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、「Design Showcase」の文字よりなるところ、その構成中「Design」の文字は、「図案、下絵、デザイン、意匠」等を、「Showcase」の文字は、「陳列棚、(物を最上に見せるための)展示、陳列」等を、それぞれ意味(いずれも研究社新英和大辞典 第6版 株式会社研究社発行)するものである。
ところで、展示会を開催する業界において、「Showcase」の文字及びその表音を表したものと認められる「ショーケース」の各文字は、展示の対象物等を示す「○○」の文字を冠して「○○ショーケース」の如く、その対象物の「展示会」であることを意味する語として、広く一般に採択・使用されているものであって、その使用の実情は、例えば、別掲に示す新聞記事及びウェブサイト(なお、下線は、当合議体で付した。)の記載からも窺えるところである。
そして、これら新聞記事等の中には、「DESIGN SHOWCASE」、「Design Showcase」及び「デザインショーケース」の各文字が、「デザインに関する展示会」程の意味として使用されていることも認められる。
そうとすると、本願商標は、展示会の開催等に関連する役務との関係においては、「デザインに関する展示会」程の意味合いを理解し、認識されるものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、これをその指定役務中、展示会の開催等に関連する役務、例えば、「文化又は教育のための展示会の企画・運営及び開催」について使用しても、「文化又は教育を目的とするデザインに関する展示会の企画・運営及び開催」程の意味合いを認識させるにとどまり、単に役務の質(内容)を表示したにすぎないものであり、かつ、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。

2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の構成中「Showcase」の欧文字は、「展示」の意味合いを有するとしても、現実の取引上一般には、あくまで「陳列棚」の意味合いで使用されているものであるところからすれば、需要者又は取引者は「Showcase」の欧文字について「陳列棚」の意味合いを看取することはあっても「展示」の意味合いを看取する可能性はありえない旨主張している。
確かに、「Showcase」の欧文字が、「陳列棚」の意味合いで使用されている場合もあることは認められるものである。
しかしながら、該文字が「展示」の意味合いを有し、かつ、上記1のとおり、該文字あるいはその表音「ショーケース」の各文字が、「展示会」を意味する語として、広く採択・使用されているところからすれば、かかる請求人の主張は採用することができない。
(2)請求人は、本願商標が、何ら特定の意味合いを看取させない造語よりなるものであるから、その指定役務の内容を直接的、かつ、具体的に表示したものとはいえない旨、また、本願商標は、本願指定役務の質、提供地等の内容を表示するものとして、取引上現実に使用されている事実は認められない旨主張している。
しかしながら、本願商標は、上記1のとおりの、取引の実情からすれば、「デザインに関する展示会」程の意味合いを理解し、認識されるものであって、かつ、実際に、本願商標と同一の構成からなる「Design Showcase」の語が、上記の意味として使用されているものである。
そうとすると、これらの請求人の主張も採用することはできない。

3 むすび
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1「展示会」を意味する「ショーケース」の使用例
(1)繊研新聞 2面 2010.09.03
「住空間表現の豊かさを提案 11月17?19日ジャパンテックス」の見出しの下、「『IPEC2010』は『ひと・環境・デザイン』をテーマに、デザインを切り口とした内容で、企業とデザイナーが協業した『デザインユニット』、デザイナーが自由な発想で表現する『デザイナーズショーケース』、素材にスポットを当てた『100マテリアルズ』などを開く。」との記載。
(2)朝日新聞 東京夕刊 3頁 夕刊be木曜2面 2010.03.18
「アイルランドの『ショーケース』 光る職人技、玄人好みの味」」の見出しの下、「ウイスキーならスコッチに対してアイリッシュ、ツイードならハリスに対してドニゴールと、玄人好みの品々を生むアイルランド。この島国の主だった服飾や工芸品などを一堂に集めた『ショーケース』という国際展示会が毎年1月、ダブリンで開かれている。」との記載。
(3)日刊建設工業新聞 9頁 2009.12.04
「中国整備局ら/広島市で建設技術フォーラム開く/土研と初共催」の見出しの下、「中国地方整備局や地方自治体、大学、建設関連団体らで組織する建設技術フォーラム実行委員会と土木研究所の共催による『建設技術フォーラム・土研新技術ショーケース2009in広島』が2日、広島市中区の広島YMCAホールで開かれた。」との記載。
(4)静岡新聞 朝刊 23頁 静岡 政経2 2009.05.23
「情報ボックス=タミヤが新製品展示会-東京」の見出しの下、「模型メーカーのタミヤ(静岡市)は25日から30日まで、プラモデルや無線操縦装置など新製品の展示会『タミヤショーケース』を東京都港区新橋のタミヤプラモデルファクトリー新橋店で開く。」との記載。

2 「DESIGN SHOWCASE」「デザインショーケース」等の使用例
(1)「経済産業省」のウェブサイトにおいて、「感性価値デザイン展-KANSEI DESIGN SHOWCASE-」の項に、「いま、ものづくりの新しい価値軸として「感性」が注目されています。高機能、信頼性、低価格など、日本製品が備える従来の強みに加えて、生活者の感性に働きかけ、感動や共感を得ることによって顕在化する経済価値を積極的にものづくりに取り込もうとする考えです。」との記載。
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/creative/kanseidesignshowcase.html
(2)日刊建設工業新聞 3頁 2008.06.03
「来て見てショールーム/TOTO「スーパースペース」/高感度層に積極対応」の見出しの下、「高感度層のニーズは、普及させやすいシステム商品では満たしきれないため、スーパースペースでは『匠の技』を結集した水栓商品で構成する『RENESSE』をはじめ、最高級品などを展示する『デザインショーケース』などを設けている。」との記載。
(3)日本工業新聞 2頁 2面 工2面 1992.02.10
「第33回東京インターナショナルギフト・ショー春’92」の見出しの下、「わが国最大のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市『第33回東京インターナショナル・ギフト・ショー春’92』を開催します。今回のテーマは「人に優しく、地球にやさしく」。国内外あわせて1000余社が参加、国際色豊かな展示を行います。・・・【内容】ハイクオリティ&アクティブデザインショーケース=高品質でデザインにすぐれた商品を集めたコーナー」との記載。
(4)「株式会社内田洋行」のウェブサイトにおいて、「2009/10/23 『Swiss Design Showcase』にスイスDietiker社のチェアを出展」の項に、「2010年に創業100周年を迎える内田洋行は、2009年10月6日に、グランドハイアット東京にて開かれたOsecスイス貿易投資振興会主催の『Swiss Design Showcase*』に、弊社と独占販売提携を結んでいるスイスDietiker社のチェアを出展いたしました。」との記載。
http://www.uchida.co.jp/company/news/topics/091023.html

審理終結日 2010-09-22 
結審通知日 2010-10-01 
審決日 2010-10-20 
出願番号 商願2009-8114(T2009-8114) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X41)
T 1 8・ 272- Z (X41)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 野口 美代子
特許庁審判官 小俣 克巳
小川 きみえ
商標の称呼 デザインショーケース、ショーケース 
代理人 橘 哲男 

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