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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 104
管理番号 1229925 
審判番号 取消2009-301224 
総通号数 134 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-02-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-11-06 
確定日 2010-12-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第2214010号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2214010号商標の指定商品中「化粧品」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2214010号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、昭和57年3月4日に登録出願、第4類「せっけん類、化粧品、香料類」を指定商品として平成2年2月23日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
(1)請求の理由
請求人の調査によれば、本件商標は、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、継続して3年以上日本国内において、その指定商品中「化粧品」について使用した事実が存しないことから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
本件商標は、上部に帽子を模した図形を有し、その下部に欧文字を一文字ずつ上下にずらして配置して「PLAYBOY」と表記した構成からなるものである。
これに対して、被請求人が提出した乙第2号証、乙第4号証等には、欧文字が一列で「PLAY BOY」と表記された標章が示されている。
そこで、両者を比較すると、本件商標の構成部分である帽子を模した図形は、上記標章にはなく、また、欧文字の配置も本件商標では一文字ずつ上下にずらして配置してあるが、上記標章においては、上下を整列させて配置されており、しかも「PLAY」と 「BOY」との間にはスペースが挿入されている。
よって、上記標章と本件商標とでは、顕著な外観上の差異が存在し、到底、前者は後者と社会通念上同一の商標であるとはいえない。
したがって、商標権者である被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判請求に係る指定商品「化粧品」に属する商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」についての本件商標ないしはそれと社会通念上同一の商標が使用されていることを立証していない。
以上のとおり、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取消すべき旨の審決を求める。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者である「セルレ株式会社」(以下「セルレ社」という。)によって、商品「化粧品」につき使用されている事実があるため、その登録を維持すべきものである。
(2)通常使用権者による本件商標の使用について
ア 被請求人であるピアスアライズ株式会社は、乙第1号証のとおり、平成17年10月3日に本件商標につきセルレ社と通常使用権設定契約の締結を行った。
そして、上記契約に基づき本件商標の通常使用権者であるセルレ社は、本件商標が付された商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」(乙第2号証の1ないし3)を自己が経営する化粧品販売店にて販売することにより、本件審判の請求前3年前から現在に至るまで継続的に本件商標をその指定商品中「化粧品」につき使用している。以下、この使用事実の一例を詳述する。
イ 乙第3号証は、セルレ社の販売店舗の一覧であり、これには各販売店の店コード、住所、店舗名称等が記載されている。例えば、「セルレマリンピア神戸店」であればその住所は「神戸市垂水区海岸通12-7」、店コードは「0007」であり、そして「セルレ 梅田店」の場合には住所「大阪市北区芝田1-1-3」、店コード「0002」であることを示す。
そして、セルレ社の直営販売店舗のひとつである上記「セルレマリンピア神戸店」及び「セルレ 梅田店」では、乙第4号証の1及び2に示すとおり、現在も継続的に本件商標が付された商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」がそれぞれその販売のために展示され、該商品の販売が行われている。なお、商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」は全て本件審判の請求に係る商品「化粧品」に包含される商品である。
ウ 乙第5号証の1ないし21は「セルレ マリンピア神戸店」において、また、乙第6号証の1ないし8は「セルレ 梅田店」において、いずれも本件商標が付された商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」の販売が行われた事実を示す売上伝票の一部の写しである。該売上伝票には、販売商品名、販売価格、販売商品の商品コード、販売日時及び販売店の店コードが記載されており、販売商品名の下に示された商品コードとは、個別の商品に付される番号コードに対応するものであって、例えば、本件商標を付した商品「アフターシェーブローション」であれば商品コードは「4525984003107」(乙第2号証の1)、商品「ヘアトニック」の商品コードは「4525984003114」(乙第2号証の2)及び商品「ジェルワックス」の商品コードは「4525984003121」(乙第2号証の3)であることを示すものである。また、「店コード」とは乙第3号証に記載された店コードに対応するものである。
エ 具体的には、乙第5号証の1により、本件審判請求の登録日(平成21年11月24日)から3年以内の2007年(平成19年)2月4日に「セルレマリンピア神戸店」(店コード0007)において、本件商標が付された商品コード「4525984003107」の商品「プレイボーイ アフターシェーブL(ローション)」が消費税抜き価格380円で販売された事実が容易に理解される。
同様に、乙第5号証の2により、2007年(平成19年)2月5日に「セルレ マリンピア神戸店」(店コード0007)において、本件商標が付された商品コード「4525984003114」の商品「プレイボーイ ヘアトニック」が消費税抜き価格380円で販売され、さらに乙第6号証の4により2007年(平成19年)3月4日に「セルレ 梅田店」(店コード0002)において、本件商標が付された商品コード「4525984003121」の商品「プレイボーイ ジェルワックス」が消費税抜き価格480円で販売された事実を裏付けることができる。
オ 以上により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において被請求人が許諾した本件商標の通常使用権者であるセルレ社が、本件商標が付された商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」を譲渡のために展示し、譲渡することにより、本件商標をその指定商品中「化粧品」に使用していることは明白である。
(3)本件商標が付された化粧品の製造について
ア 本件商標の通常使用権者であるセルレ社が譲渡ないし譲渡のために展示した本件商標が付された商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」は、セルレ社が該商品の製造を化粧品製造会社である「フィディカコスメ株式会社」(以下「フィディカコスメ社」という。)に委託し、フィディカコスメ社により製造されたものである。
すなわち、乙第7号証の1の新製品発注書に示すとおり、セルレ社は平成18年4月19日にフィディカコスメ社に対して本件商標を付した商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」の発注を行い、上記発注を受けたフィディカコスメ社は、本件商標が付された該商品を製造し、2006年(平成18年)6月13日にセルレ社に該商品の納品を行った事実がある(乙第7号証の2及び3)。
乙第7号証の1ないし3により、前述した本件商標の通常使用権者のセルレ社による本件商標が付された商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」の販売等の時点において、既に同社が本件商標が付された該商品を保有し、その販売のために所持していたことは明らかである。
イ セルレ社は、現在もフィディカコスメ社への本件商標が付された化粧品の製造委託を継続しており、この事実は乙8号証の1ないし4により容易に裏付けることができる。なお、フィディカコスメ社はその名称を「フィディカ株式会社」(以下「フィディカ社」という。)に変更しているが、両者の取引関係には何ら変化はない。
ウ さらに、乙第9号証の1ないし3は、上記化粧品の製造受託者であるフィディカコスメ社が大阪府に提出した薬事法に基づく化粧品製造販売届書の写しであり、これよりフィディカコスメ社が本件商標を付した商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」の製造を行っていることは明らかである。
(4)結論
以上により、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、通常使用権者であるセルレ社が本件商標をその指定商品中「化粧品」に属する商品「アフターシェーブローション」、「ヘアトニック」及び「ジェルワックス」について使用していたことは明らかであるため、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではなく、その登録を維持されるべきものである。
したがって、本件審判の請求は成り立たない。

4 当審の判断
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、商標権者であるピアスアライズ株式会社とセルレ社との間で締結された平成17年10月3日付けの「通常使用権設定契約書」であり、「2.商標登録番号」として「第2214010号」、「指定商品」として「せっけん類、化粧品、香料類」の記載がある。
イ 乙第2号証の1ないし3は、セルレ社の販売に係る商品「アフターシェーブローション」「ヘアトニック」「ジェルワックス」を撮影した写真と認められるところ、それらの商品の容器の正面には、「PLAY BOY」の文字を大きく表示し、その下段に、それぞれの商品に応じた、「AFTERSHAVE LOTION」、「HAIRTONIC」又は「ジェルワックス」の各文字を小さく表示したラベルが貼付され、背面には商品に応じ「プレイボーイ」「アフターシェーブローション」及び「140ml」の文字、「プレイボーイ」「ヘアトニック」及び「140ml」の文字又は「プレイボーイ ジェルワックス」「(整髪料)」及び「120g」の文字を記載し、その下段に、発売元「セルレ株式会社」及び価格等を記載したラベルと、「4525984003107」「4525984003114」「4525984003121」と記載されたバーコードラベルとが貼付されている。
ウ 乙第3号証は、セルレ社の店舗住所録と認められるところ、そこには、店コード「0002」の店舗名称欄に「セルレ 梅田」、同じく「0007」に「セルレ マリンピア神戸」とあり、それらの住所、電話番号等が記載されている。
エ 乙第4号証の1及び2は、セルレマリンピア神戸店及びセルレ梅田店の店舗内を撮影した写真と認められるところ、該写真によれば、商品の陳列棚に、乙第2号証の1ないし3の写真に示された商品と同一の商品が展示され、それぞれの商品に対応して、「プレイボーイ/アフターシェーブローション」、「プレイボーイ/ヘアトニック」又は「プレイボーイ/ジェルワックス」の文字及び販売価格を表示した札が掲げられている。
オ 乙第5号証の1ないし21及び乙第6号証の1ないし8は、2007年2月4日から同年3月18日までのセルレマリンピア神戸店及びセルレ梅田店の売上伝票の写しと認められるところ、該売上伝票には、商品名、販売価格、商品コード、レジNo.、レシートNo.、日付及び店コードが記載されている。例えば、乙第5号証の1の1頁右下には、「レシートNo:72459」の箇所に、「2007/02/04(日)19:01」、「店:0007」、「プレイボーイ アフターシェーブL」、「380」、「4525984003107」の記載がある。
また、乙第6号証の1の1頁中央下から右上にかけて、「レシートNo:63126」の箇所に、「2007/02/28(水)20:15」、「店:0002」、「プレイボーイ ヘアトニック」、「380」、「4525984003114」の記載がある。
さらに、乙第6号証の4の1頁右下に、「レシートNo:63830」の箇所に、「2007/03/4(日)19:32」、「店:0002」、「プレイボーイ ジェルワックス」、「480」、「4525984003121」の記載がある。
カ 乙第7号証の1ないし3及び乙第8号証の1ないし4は、平成18年4月19日から平成21年9月30日までの間におけるセルレ社からフィディカコスメ社及びフィディカ社に対する(新)製品発注書、フィディカコスメ社及びフィディカ社による納品書、請求書及び数量変更依頼書の各写しと認められるところ、各書面の製品名欄、品番・品名欄、品名欄、製品記号・製品名欄、には「プレイボーイ アフターシェーブローション」、「プレイボーイ ヘアトニック」、「プレイボーイ ジェルワックス」等と記載されている。
キ 乙第9号証の1ないし3は、平成18年4月28日付けでフィディカコスメ社が大阪府知事に提出した化粧品製造販売届書の写しと認められるところ、該書面には、販売名欄に「プレイボーイ ヘアトニック」、「プレイボーイ アフターシェーブローション」及び「プレイボーイ ジェルワックス」と記載されている。
(2)上記(1)において認定した事実によれば、次のとおりである。
ア セルレ社は、本件商標に係る通常使用権者と認められる。
イ また、乙第2号証の1に示された商品「アフターシェーブローション」に付されたバーコードの数字「4525984003107」は、乙第5号証の1の1頁右下の「レシートNo:72459」の箇所の「プレイボーイ アフターシェーブローションL」の数字と一致する。
さらに、乙第2号証の2に示された商品「ヘアトニック」に付されたバーコードの数字「4525984003114」は、乙第6号証の1の1頁中央下から右上にかけての「レシートNo:63126」の箇所の「プレイボーイ ヘアトニック」の数字と一致する。
さらにまた、乙第2号証の3に示された商品「ジェルワックス」に付されたバーコードの数字「4525984003121」は、乙第6号証の4の1頁右下の「レシートNo:63830」の箇所の「プレイボーイ ジェルワックス」の数字と一致する。
そうとすれば、セルレ社は、本件審判の請求の登録日(平成21年11月24日)前3年以内である2007年(平成19年)2月4日、同年2月28日及び同年3月4日に、セルレマリンピア神戸店又はセルレ梅田店において、乙第2号証の1ないし3に示された商品「アフターシェーブローション、ヘアトニック、ジェルワックス」を販売していたことが認められ、該商品は、本件審判の請求に係る指定商品「化粧品」の範ちゅうに属する商品である。
ウ しかしながら、本件商標は、別掲のとおり、帽子を描いたごとき図形と「PLAYBOY」の文字との組合せからなるものであり、該図形は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。
また、乙第2号証の1ないし3に示す商品、乙第4号証の1及び2の写真、乙第5号証の1ないし21、乙第6号証の1ないし8、乙第7号証の1ないし3、乙第8号証の1ないし4及び乙第9号証の1ないし3の書面には、「PLAY BOY」又は「プレイボーイ」の標章は表示されているものの、本件商標の構成要素である上記図形はどこにも表示されていない。
そして、上記乙各号証に示された「PLAY BOY」又は「プレイボーイ」の標章は、本件商標の構成要素である上記図形を欠くものであって、本件商標と社会通念上同一のものとは認められない。
そうとすると、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が商品「化粧品」について使用されているものと認めることはできない。
その他、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標が請求に係る指定商品「化粧品」について使用されていることを認めるに足る証拠はない。
(3)以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品「化粧品」について本件商標(社会通念上同一のものを含む。)の使用をしていることを証明したものと認めることができない。また、被請求人は、請求人に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「化粧品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標



審理終結日 2010-10-14 
結審通知日 2010-10-19 
審決日 2010-11-01 
出願番号 商願昭57-16964 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (104)
最終処分 成立  
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 小畑 恵一
瀧本 佐代子
登録日 1990-02-23 
登録番号 商標登録第2214010号(T2214010) 
商標の称呼 プレーボーイ 
代理人 藤本 昇 
代理人 中山 健一 

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