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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X0316
審判 一部申立て  登録を維持 X0316
管理番号 1228582 
異議申立番号 異議2010-900123 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2011-01-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-05-07 
確定日 2010-11-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5300026号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5300026号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5300026号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年8月3日に登録出願、第3類「化粧品,シャンプー,浴用化粧品,ヘアーローション,皮膚の手入れ用化粧品,香水,せっけん類,ヘアスプレー,香料類,歯磨き,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」及び第16類「厚紙又は紙製の箱,厚紙,印刷物,紙製又はプラスチック製の包装袋,紙製又はプラスチック製のごみ収集用袋,カタログ,文房具類,紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ」を指定商品として、平成22年1月5日に登録査定され、同年2月5日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第598711号商標(以下「引用商標」という。)は、「FEMME」の欧文字を横書きしてなり、昭和36年7月29日登録出願、第4類「香水類、コスメチツク類、頭髪用ロ-シヨン類、おしろい、其の他化粧品類、香油類、石鹸類、歯みがき類」を指定商品として、同37年10月9日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が4回にわたりなされ、さらに、指定商品中の「香水類、コスメチツク類 、頭髪用ローシヨン類、おしろい、其の他化粧品類、香油類」についての登録が、平成15年2月25日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同年8月6日になされ、現に有効に存続しているものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第10号及び同第11号該当性について
本件商標は、カリグラフィー書体(カッパープレート体)の欧文字で「Secret de Femme」の文字列を配した構成からなり、「女の秘密」という意味の仏語のフレーズと認識できる。
これに対し、引用商標は、欧文字で「FEMME」と書した構成であり、「女」という意味の仏語である。
そして、引用商標を付した商品は、1940年代初めに発売されて以降、約70年近い長い歴史があるところ、需要者・取引者の間では、申立人の業務に係る商標として広く認知されるに至っているものである(甲3)。
そこで、本件商標と引用商標の使用態様とを比較すると、両者は、カッパープレート体という、同一のカリグラフィー書体で表されている。そして、両者は共に仏語であることに加え、同じ「女」というモチーフの意味を持つ点て極めて近似している。
そのため、それぞれを時と処を異にして離隔的に観察したとき、需要者は本件商標から引用商標を直ちに連想し、誤って認識するおそれがある。
そして、これらの商標は、その指定商品が同一又は類似である。
(2)したがって、本件商標は、引用商標に外観及び観念が相似の類似商標であり、両商標の指定商品は需要者・取引者が共通する以上、本件商標がその指定商品について使用されたときは、周知・著名な引用商標を付した商品との間で出所の混同を生ずるおそれがある。
3 まとめ
以上詳述したとおり、本件商標は、引用商標と類似の商標であり、また、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当し、その登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消しを免れない。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第10号について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、「Secret de Femme」と書してなるところ、中間の「de」の前後の間が半角程度間隔を有しているとしても、全て同じ書体で外観上極めてまとまりよく一体に表されているものであり、これより生ずる「シークレットドファム」の称呼も一連に称呼し得るものである。
そして、「Secret」の文字は、「秘密」の意味を有する英語又は仏語として、取引者、需要者の間においては親しまれている語といえ、同じく「Femme」の文字も「女」の意味を有する一般的な仏語であって、取引者、需要者の間においては親しまれている語といえるものである。
そうすると、本件商標よりは、構成文字全体をもって「シークレットドファム」の称呼を生じ、「女の秘密」程度の意味合いを看取させるものというのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は、「FEMME」の文字を書してなるものであるから、これらよりは、「ファム」の称呼のみ生じ、「女」の観念を有するものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標から生ずる称呼「シークレットドファム」と引用商標から生ずる「ファム」称呼とは、その構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上十分に区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においても、本件商標は、「女の秘密」の観念を生じ、引用商標は、「女」の観念を生ずるものであるから、両者は観念上、相紛れるおそれはない。
なお、甲第3号証によれば、引用商標の実際の使用態様は、本件商標と同じカッパープレート体で表されていることは認められるものの、カッパープレート体自体は特異なものとはいえないし、本件商標は構成文字全体がカッパープレート体からなり、前述のとおり、構成全体を一体的に表されてなるものであるから、引用商標の使用の書体と本件商標の書体が同じ書体であるとしても本願商標と引用商標が相紛れるおそれがあるものとはいえない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、たとえ、申立人の提出に係る甲第3号証(なお、甲第3号証は、商品の写真を掲載した英文2枚からなる申立人ウェブサイトで、商品の販売量、売上高等は一切不明である。)にて引用商標「FEMME」が「化粧品」に用いられているとしても、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではない。
2 商標法第4条第1項第11号について
前記1の認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議申立てに係る指定商品第3類の「シャンプー,せっけん類,歯磨き」について、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 本件商標


異議決定日 2010-10-28 
出願番号 商願2009-59023(T2009-59023) 
審決分類 T 1 652・ 262- Y (X0316)
T 1 652・ 252- Y (X0316)
最終処分 維持  
前審関与審査官 岩本 和雄 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 内山 進
前山 るり子
登録日 2010-02-05 
登録番号 商標登録第5300026号(T5300026) 
権利者 ミンファイ エンタープライズ インターナショナル カンパニー リミテッド
商標の称呼 スクレドゥファム、シークレットドファム 
代理人 山崎 和香子 
代理人 新池 義明 
代理人 加藤 義明 
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 

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