• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y25
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y25
管理番号 1228547 
審判番号 不服2009-650108 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-08-20 
確定日 2010-09-16 
事件の表示 2007年6月29日に事後指定が記録された国際登録第897175号商標に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「my basics」及び「women’secret」の欧文字を二段に書してなり、第25類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として、2006年(平成18年)8月11日に国際登録され、2007年(平成19年)6月29日に日本国を事後指定したものである。
そして、指定商品については、2009年(平成21年)7月14日付けで国際登録簿に記録された限定の通報があった結果、第25類「Brassieres,panties,underwear for women,socks,nightdresses and undershirts.」と限定されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4847343号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおり、「My Basic」の欧文字を筆記体で横書きしてなり、平成16年9月13日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成17年3月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲1のとおり、「my basics」及び「women’secret」の文字よりなるところ、その構成中、「my basics」の文字部分が全体に占める割合が殊更大きく、著しく太い書体で書されていること、また、本願商標全体が上下二段に書されている構成からなることから、視覚上、分離して看取されるものであり、かつ、その構成文字全体をもって、特定の意味合いを認識させる語とは認められず、他に、常に一体不可分にのみ認識されなければならない特段の事情も見出せないものである。
そうすると、本願商標の構成文字全体から生じる「マイベーシックスウイメンシークレット」の称呼が、14音と冗長であることも相俟って、これに接する取引者、需要者は、顕著に表された「my basics」の文字部分を自他商品の識別標識として捉え、該文字より生ずる「マイベーシックス」の称呼をもって、取引に当たる場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そして、その構成中の「my」は「私の」等を意味し、また、「basics」は「基礎」等を意味する英語として広く知られ親しまれている「basic」の複数形として容易に認識されるものであるから、これよりは「私の基礎」ほどの観念を生ずるものである。
他方、引用商標は、別掲2のとおり、「My Basic」の文字よりなるところ、これより「マイベーシック」の称呼を生ずるものである。
そして、同じく、その構成中の「my」は「私の」等を意味し、「basic」は「基礎」等を意味する英語として広く知られ親しまれているものであるから、これよりは「私の基礎」ほどの観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、本願商標より生ずる「マイベーシックス」の称呼と、引用商標より生ずる「マイベーシック」の称呼とは、語尾において、「ス」の音の有無に差異を有するにすぎないところ、該差異音は、無声摩擦音の弱音であって、比較的聴取されがたい語尾に位置することから、該差異音がその称呼全体に及ぼす影響は決して大きなものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
また、観念については、「私の基礎」の観念を共通にするものである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、外観における差異を考慮しても、称呼及び観念において類似する商標といわざるを得ず、また、本願商標の指定商品中には、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品が含まれているものである。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、「my basic」及び「マイベーシック」の語は、本願指定商品ないし同種の商品を扱う分野において、「私の基本的なデザインの商品」、「私のベーシックな色彩を有する商品」、「私の定番商品」といった意味を表すものとして、広く用いられており、また、本願商標構成中の「my basics」の文字部分は、一般的な書体態様からなるものであることも相俟って、自他商品の識別標識としての機能を果たさない旨主張し、甲第8号証ないし甲第12号証及び甲第24号証ないし甲第28号証を提出している。
しかしながら、提出された証拠資料において、「my basic」及び「マイベーシック」の語が、本願指定商品を扱う業界において使用されている事実は認められるものの、請求人が主張するような意味を表すものとして、広く一般に使用されていることについてまで、立証されているとは認められないものである。
そうとすると、「my basic」及び「マイベーシック」の文字が、自他商品の識別標識としての機能を有さないものであるとする請求人の主張は採用することはできない。
イ また、請求人は、本願商標は、一般的に用いられている通常書体からなるのに対し、引用商標は、カリグラフィーのごとき、特徴的な筆記書体で書されたものであるから、両者は、その外観において、一見して看者が見紛う余地のないほどに、構成や態様における相違を有するものである。そして、「my basic」の語が識別力が弱いものであるという事情等を考慮すれば、本願商標と引用商標とは商品の出所を混同する程度に紛れ得るものとは、到底言えないものである旨主張する。
さらに、請求人は、本願商標を使用した商品につき世界中での製造、販売を視野に入れ、世界各国において、商標登録を得ている旨主張し、甲第30号証ないし甲第32号証を提出している。
しかしながら、本願指定商品を取り扱う業界においては、電話等の口頭による商取引が普通に行われているというべきであるから、本願商標と引用商標との類否を判断する要素として、称呼及び観念が極めて重要であるといわなければならない。
そうとすると、本願商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、互いに相紛らわしい類似の商標といわざるを得ない。
また、我が国商標制度は、先願登録主義を採用し、先願に係る他人の登録商標と抵触する同一又は類似の商標の登録を認めないものとし、そのことによって、登録商標につき商標権者の専用権、禁止権を保障しているものであり、それにもかかわらず、先願に係る他人の登録商標と抵触する同一又は類似の商標の登録を認めることは、登録商標の権利性を希釈化ないし弱体化することになり、上記商標制度の趣旨に反するからである。
そして、他人の先願に係る同一又は類似する登録商標が存在することが登録阻却事由となるのであるから、すでにそのような他人の登録商標が存在する場合に、これと抵触する後願の商標について登録をしないのは当然のことであるから、請求人の上記の主張はいずれも採用することができない。
また、請求人は、過去の審決例を挙げて本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、該審決例は、商標の構成及び指定商品等において本願とは事案を異にするものであり、それらの審決例をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえない。
したがって、請求人のこの主張も採用することはできない。
その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
(3)結論
以上のとおり、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 【別記】


審理終結日 2010-04-22 
結審通知日 2010-04-26 
審決日 2010-05-07 
国際登録番号 0897175 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y25)
T 1 8・ 263- Z (Y25)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大森 友子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 豊瀬 京太郎
田中 亨子
商標の称呼 マイベーシックス、ベーシックス、ウイメンシークレット 
代理人 幡 茂良 
代理人 橋本 良樹 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 小出 俊實 
代理人 石川 義雄 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ