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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X09
管理番号 1228400 
審判番号 不服2009-26088 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-12-25 
確定日 2010-12-15 
事件の表示 商願2007-83296拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,映写フィルム,インターネットを利用して受信し、及び保存することができる画像ファイル,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成19年7月13日に登録出願されたものである。
そして、願書記載の指定商品については、原審における平成20年2月22日付けの手続補正書及び当審における同21年12月28日付けの手続補正書により、最終的に「家庭用テレビゲームおもちゃ,ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用のゲームプログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第2709476号の1商標(以下「引用商標1」という。)は、「KATANA」の欧文字と「カタナ」の片仮名を上下二段に書してなり、昭和62年12月29日登録出願、第24類「人形、娯楽用具、運動具(但し、フェンシング用具、剣道用具を除く) 、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコ-ド、これらの部品および附属品」を指定商品として、平成7年8月31日に設定登録された登録第2709476号商標について、同12年8月18日に商標権の分割移転の登録がされた結果、指定商品が、第24類「人形、娯楽用具、運動具(但し、フェンシング用具、剣道用具を除く) 、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコ-ド、これらの部品および附属品但し、ゴルフ用具、ゴルフぐつを除く」となったものであり、その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中「玉突き用具、遊技用器具」について商標登録を取り消すべき旨の審決がされ、同17年11月18日にその確定審決の登録がされ、さらに、同18年6月21日に指定商品を第6類「アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,金属製あぶみ,拍車」、第8類「水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル」、第9類「ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード,メトロノーム」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第18類「乗馬用具」、第19類「飛び込み台(金属製のものを除く。)」、第20類「マネキン人形,洋服飾り型類,スリーピングバッグ」、第21類「コッフェル」、第22類「ザイル,登山用又はキャンプ用のテント」、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴・ゴルフ靴を除く。),乗馬靴」、第27類「体操用マット」及び第28類「人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,運動用具(フェンシング用具・剣道用具・ゴルフ用具を除く。),釣り具」とする指定商品の書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4919179号商標は、「KATANA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年7月30日登録出願、第9類「業務用テレビゲーム機,スロットマシン,スロットマシンの筐体,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」及び第28類「ぱちんこ器具,その他の遊戯用器具,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。)」を指定商品として、平成18年1月6日に設定登録され、同21年5月1日に第9類「業務用テレビゲーム機,スロットマシン,スロットマシンの筐体,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物但し、録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物を除く」及び第28類「ぱちんこ器具,その他の遊戯用器具,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。)」を指定商品とする登録第4919179号の1商標及び第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品とする登録第4919179号の2商標(以下「引用商標2」という。)に商標権の分割移転の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
なお、上記により分割された商標権のうち、本願商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含する商標権は、登録第4919179号の2である。

3 当審の判断
(1)引用商標2について
本願の指定商品は、前記1のとおり補正された結果、引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品がすべて削除されたと認められるものである。
その結果、本願の指定商品は、引用商標2の指定商品と類似しない商品になったと認められるものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本本願の拒絶の理由に引用した登録商標のうち、引例商標2についての拒絶の理由は解消した。

(2)引用商標1について
商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁参照)。
これを本件についてみるに、本願商標は、別掲のとおり、上段に、上方は黒色で、下方から中程にかけては、赤色系のグラデーションがかったレタリングを施した筆字風の文字で「戦国無双」の漢字を書してなり、その下段に、上段よりもやや大きな文字で「KATANA」の欧文字を、その上下段の間隙に微細な文字で「SENGOKU MUSOU」の欧文字をそれぞれ書してなり、また、該「KATANA」の文字と重なるように、日本刀と思しき図形と、該「KATANA」の文字部分の「K」の左下方から、末尾の「A」の右上方にかけて、刀痕と思しき切れ込みをそれぞれ配した構成からなるものである。
そして、その構成中の「SENGOKU MUSOU」の欧文字は、「戦国無双」の漢字の表音をローマ字表記したものと、容易に看取されるものである一方、その構成中の日本刀及び刀痕と思しき切れ込みを配した「KATANA」(以下、これらを単に「KATANA」ということがある。)の欧文字と「戦国無双」の漢字及び「SENGOKU MUSOU」の欧文字とは、語義上の関連性が認められず、文字の大小、文字の種類及び文字の態様の相違という視覚上の差異から、それぞれ「KATANA」と「戦国無双」及び「SENGOKU MUSOU」の各文字部分に分離して看取される結合商標である。
ところで、本願商標の構成中の「戦国無双」の文字は、辞書等に掲載されていない文字であるところ、平成21年12月28日付けの審判請求書に添付の甲第2号証ないし甲第11号証によれば、請求人の販売するゲームソフトに使用する一連のシリーズの名称であること、更に、当該ゲームソフトは、本編の「戦国無双」とその続編の「戦国無双2」だけでも、売上げ本数178万を超えるものであることなどが認められる。
してみると、本願の指定商品である「家庭用テレビゲームおもちゃ,ダウンロード可能な家庭用テレビゲームおもちゃ用のゲームプログラム,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM」の分野において、「戦国無双」の文字は、請求人が販売するゲームソフトに使用する一連のシリーズの名称として、その取引者、需要者において、周知となっていたものと認められる。
一方、本願商標の構成中の「KATANA」の文字は、「刀身が短い片刃の刃物」を意味する「刀」(「広辞苑第6版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)の表音を欧文字表記したものと認められ、上記「刀」を想起させるものであるところ、請求人の提出に係る甲第2号証及び当審における職権に基づく調査によれば、「KATANA」は、単独で使用されている事実は認められない。
以上によれば、本願商標の構成中の「戦国無双」の文字部分は、たとえ、「KATANA」の文字部分より小さく表されているとしても、看者の注意をひき、取引者、需要者に対し、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「センゴクムソウカタナ」の称呼を生ずるほか、「戦国無双」の文字部分から、「センゴクムソウ」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。
また、観念については、上記のとおり、「戦国無双」の文字が、請求人の販売するゲームソフトに使用する一連のシリーズの名称として知られるものであることからすれば、これに相応して、「請求人の販売するゲームソフトに使用する名称」としての観念が生じるものとみるのが相当である。
一方、引用商標1は、前記2のとおり、「KATANA」の欧文字と「カタナ」の片仮名を上下二段に書してなるところ、下段の「カタナ」の文字は、上段の「KATANA」の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識されるものであるから、該文字に相応して「カタナ」の称呼を生ずるものとみるのが相当であり、上記のとおり、「カタナ」及び「KATANA」の文字は、「刀身が短い片刃の刃物」を意味する「刀」(前掲「広辞苑第6版」)の表音をそれぞれ表記したものと認められることから、「刀」の観念を生じるものである。
そこで、本願商標から生ずる「センゴクムソウカタナ」の称呼と引用商標1から生ずる「カタナ」の称呼とを比較するに、両称呼は、前者が10音、後者が3音からなるものであり、「センゴクムソウ」の音の有無の明らかな差異を有するものであるから、明確に区別し得るものである。
また、本願商標から生ずる「センゴクムソウ」の称呼と引用商標1から生ずる「カタナ」の称呼についても、両称呼は、聴音上の共通点が認められず、明らかな差異を有するものであるから、明確に区別し得るものである。
さらに、両商標は、前記1及び2の構成よりみて、外観においても相紛れるおそれはなく、観念についても、本願商標は、「請求人の販売するゲームソフトに使用する一連のシリーズの名称」の観念を生じる一方、引用商標1は、「刀」の観念を生じるものであるから、明らかに相違するものである。
以上を総合して考慮すれば、本願商標と引用商標1とは、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、商品の出所の混同を生ずるおそれのない
非類似の商標というべきである。

(3)まとめ
以上によれば、本願商標と引用商標1及び引用商標2とが称呼上類似する
ものとして、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

(色彩は原本を参照)


審決日 2010-11-25 
出願番号 商願2007-83296(T2007-83296) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 豊泉 弘貴山本 敦子 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 吉野 晃弘
末武 久佳
商標の称呼 センゴクムソーカタナ、センゴクムソー、カタナ 

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