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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200723042 審決 商標
不服200822690 審決 商標
不服20053198 審決 商標
不服20032069 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X28
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X28
管理番号 1228291 
審判番号 不服2008-22689 
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-09-04 
確定日 2010-11-11 
事件の表示 商願2007-124354拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」を指定商品として、平成19年12月17日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、樽に切り込みが入っている立体的形状からなるものであるが、これを本願指定商品中『おもちゃ』について使用するときは、単に商品の形状そのものを表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるところ、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示する自他商品・役務の識別標識として採択されるものではない。
そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように、商品等の機能又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者・需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するにとどまり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。
また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において、当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。
(2)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおり、樽型の形状を有するものに切り込みが入っている立体的形状のおもちゃといえるものであるところ、本願指定商品中、例えば「おもちゃ」についていえば、種々の目的、遊び方によって、様々な形態のおもちゃが作られ、販売されている実情にあるといえるものである。
ところで、この樽型おもちゃは、請求人の主張によれば、請求人が製造販売している「黒ひげ危機一発」という玩具であって、樽の切れ込みに順番に剣を差し込んでいき、上部穴に設置した海賊人形を飛ばして遊ぶスリルな玩具の樽の部分の立体商標であるとのことであるが、そうであるとするならば、本願商標の立体形状である樽型の立体は、請求人の玩具の部品の形状であって、玩具の部品がおもちゃでないということにはならないものであるから、本願商標は、立体的形状のおもちゃといわざるを得ないものである。
そうすると、本願商標は、上記のとおりの構成よりなるものであって、海賊人形や剣が樽型本体に付属して装着される一体の玩具であるという特性を有している玩具の部品であるとしても、このような樽型本体についての商品の機能又はそれに伴う形状は、多少特異なものであっても、未だ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解することは、前記(1)のとおりであるから、これはその商品の特性を発揮させるものの範囲というべきであり、また、本願商標と同一形状の本体部分の部品を有する商品を他の同業者が製造販売していないとしても、同様に、その商品の特性を発揮させるための範囲内というべきであって、これに接する需要者は、当該商品の形状を表示したものと認識するにとどまり、未だ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないといえるものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、「樽型おもちゃ」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものである。
(3)請求人は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとしても、本願商標は、既に30年以上広く継続的に使用されている結果、使用による識別性を取得し、商標法第3条第2項に該当するものである、旨主張し、甲第1号証ないし甲第25号証(枝番号を含む。)を提出している。
ところで、商標法第3条第2項に該当するものとして登録を認められる商標は、同法第3条第1項各号に掲げる商標は、自他商品の識別力がないものとされて商標登録を受けられないものであるが、第3号から第5号までのものは特定の者が長年その業務に係る商品について使用した結果、その商標がその商品と密接に結びついて出所表示機能をもつに至ることが経験的に認められるため、このような場合には特別顕著性が発生したと考えて商標登録をし得ることにしたものである。
そして、商品の形状に係る立体商標が、同法第3条第2項に該当するものとして登録を認められるのは、原則として使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、使用に係る商品と出願に係る指定商品も同一のものに限られるものであると解される。
そこで、提出された証拠について検討する。
甲第1号証は、トミー75年史「TOMY」の237頁であって、「黒ひげ危機一発」ゲーム等についての記載がある。
甲第2号証は、「You Tube」の動画の一場面であって、樽型おもちゃが写っている様子のウェブページが印刷されたものである。
甲第3号証は、「黒ひげ危機一発」ゲームの外箱である。
甲第4号証は、様々なキャラクターを使用した「樽型本体、キャラクター人形、剣等がセットになったおもちゃ」や、その外箱の写真の写しである。
甲第5号証は、1981年度?2007年度の「黒ひげ危機一発」ゲームの出荷実績リストである。
甲第6号証は、2005年11月、2006年11月、2007年11月、2008年7月分の請求人から全国各取引先への「黒ひげ危機一発」ゲーム等の納品書控えである。
甲第7号証は、玩具業界紙「トイジャーナル」(2005年8月号)32頁?35頁写しで、日本全国における玩具取扱い店舗数についての記載がある。
甲第8号証は、「黒ひげ危機一発」ゲームを販売している9か所の店舗の販売状況の写真である。
甲第9号証は、「タカラトミー総合カタログ」等に関する水上印刷株式会社から請求人への請求書である。
甲第10号証は、各種パンフレット、雑誌における広告費用(2006年度、2007年度)の明細リストとされるものであるが、その内容がどのようなものであるのか不明である。
甲第11号証は、「黒ひげ危機一発」ゲーム等の広告に関する各広告会社等から請求人への請求書である。
甲第12号証は、請求人発行の1975年?2008年のおもちゃ総合カタログの抜粋で、「黒ひげ危機一発」ゲーム等の樽型おもちゃについて紹介されている部分である。
甲第13号証は、玩具業界紙「トイジャーナル」の1979年版?2007年版の間における「黒ひげ危機一発」ゲーム等の樽型おもちゃについて紹介されている広告、宣伝記事等の抜粋部分である。
甲第14号証は、2004年4月から2008年1月にかけての各種新聞記事22件の抜粋であって、「黒ひげ危機一発」ゲーム等の樽型おもちゃの広告、宣伝記事等である。
甲第15号証は、「幼稚園」、「SPA!」、「ビッグコミック」等各種雑誌記事93件の抜粋であって、「黒ひげ危機一発」ゲーム等の樽型おもちゃの広告、宣伝記事等である。
甲第16号証の1ないし10は、「黒ひげ危機一発」ゲーム等のCM及びテレビ番組コンテンツ内での「黒ひげ危機一発」ゲーム等の特集・紹介がされたものを録画したDVD-ROMである。(なお、甲第16号証の5、7及び10は、視聴できなかった。)
甲第17号証は、コカコーラNEWSファンタのTVコマーシャルの資料である。
甲第18号証の1は、「ラブヒゲ危機一発」のCMに関する平成20年7月?8月度(一部9月)の関東地区、関西地区、中京地区、福岡地区、北海道地区、広島地区、宮城地区、CS地区のTV宣伝一覧表である。
甲第18号証の2は、「ラブヒゲ危機一発」CMを録画したDVD-ROMである。
甲第19号証の1は、ライセンス商品「黒ひげ危機一発」ゲーム及びそのイラストがデザインされたユニクロのTシャツの写真である。
甲第19号証の2は、ユーメイトのウェブサイトにおけるライセンス商品「黒ひげ危機一発」ゲームである。
甲第19号証の3は、株式会社オムニクルの商品パンフレットと思しきものであって、ライセンス商品「黒ひげ危機一発」ゲーム等の形状のファスナーアクセサリー、キーチェーン、ストラップ等が掲載されている。
甲第19号証の4は、Amazonのウェブサイトにおいて商品紹介された樽型おもちゃゲーム等の形状のファスナーアクセサリー、キーチェーン、ストラップ等である。
甲第19号証の5は、楽天市場のウェブサイトにおいて商品紹介された「黒ひげ危機一発」ゲームの形状のUSBハブである。
甲第19号証の6は、京楽産業株式会社提供のCRパチンコでライセンス商品「黒ひげ危機一発2」のCMを録画したDVD-ROMである。
甲第20号証は、2006年度及び2007年度の黒ひげ危機一発に関するライセンスロイヤリティ収入一覧である。
甲第21号証の1は、楽天市場のウェブサイトにおいて商品紹介されたバンダイの「【ゲゲゲの鬼太郎】ゲゲゲジャンプ!鬼太郎」おもちゃである。
甲第21号証の2は、アガツマ社の「アンパンマンのドキドキアンパンチ」おもちゃとその外箱の写真である。
甲第22号証は、「黒ひげ危機一発」ゲームの模倣品に対する警告書4通の写しである。
甲第23号証は、「おもちゃに関するアンケート」(黒ひげ樽形状認知度調査)調査結果報告書である。
甲第24号証は、コカコーラ事件の「飲料容器銘柄想起調査結果報告書」の写しである。
甲第25号証の1は、「黒ひげ危機一発」ゲームの海外(アジア・オセアニア)出荷数リストである。
甲第25号証の2は、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、ベネルックス等に頒布されている請求人のおもちゃカタログであって、樽型おもちゃに関する部分の抜粋である。
以上の証拠によれば、本願商標は、1975年(昭和50年)から製造販売されている「黒ひげ危機一発」という「樽型本体、黒ひげの人形、剣がセットになったおもちゃ」の樽型本体部分の立体形状であるということができるものである。
そして、請求人の「樽型本体、黒ひげの人形、剣がセットになったおもちゃ」は、1975年に発売されて以後、バリエーションを拡大し、様々なキャラクターを使用した「樽型本体、人形、剣がセットになったおもちゃ」が発売されたものである。
ところで、この「黒ひげ危機一発」ゲームは、発売されて以来、長く人気商品として発売され続けていることは、甲第5号証の出荷実績によって、1981年は394,376個と最高の出荷数であって、1982年から1989年まで(合計1,697,282個)の年間の平均出荷数は212,160個、1990年から1999年まで(合計901,898個)の年間の平均出荷数は90,190個、2000年から2007年まで(合計905,118個)の年間の平均出荷数は113,140個であることが認められ、その事実をうかがい知ることができるものである。なお、「黒ひげ危機一発」以外の樽型おもちゃについての出荷数については不明である。
また、これら樽型おもちゃの広告、宣伝等は、発売以来継続して行われてきたものということはできるものの、その多くは、請求人の商品である玩具の一つとして総合カタログに掲載されるなど、他の玩具と同列に表示されているものである。
そうしてみると、本願商標の立体形状は、樽型おもちゃのバリエーションの中にあって、共通の樽型本体部分であるということができる。ただし、バリエーションにおける樽型本体は、常に同一の樽の形状が使用されてきたということはできない。
そして、バリエーションにおける様々な樽型おもちゃは、いずれも「樽型本体、人形、剣などがセットになったおもちゃ」であることが認められるところ、本願商標は、樽型本体部分としての部品にすぎないものであって、本願商標の使用に係る証拠においては、付属の部品が装着された商品の形状(以下「使用に係る商標」という。)によって、全体的な商品の使用態様として、宣伝、広告がなされており、本願商標のみで宣伝、広告が行われているものではない。
してみれば、本願商標は、その立体形状のみで使用されてきたということができないものであるから、「樽型おもちゃ」の商標として、自他商品の識別機能を有するに至ったとは認められない。
加えて、使用に係る商標は、「樽型本体、人形(黒ひげの人形を含む。)、剣がセットになったおもちゃ」であることが認められるところ、その樽型の部分には請求人の登録商標である「黒ひげ危機一発」の文字、もしくは、その他の商品名タイトル、または模様が際立つように付されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、その使用に係る商標の一部分にすぎない樽型本体の立体形状であるから、使用に係る商標「樽型本体、人形(黒ひげの人形を含む。)、剣がセットになったおもちゃ」の使用態様と相違するものであって、同一のものということはできないものである。
そして、請求人提出の証拠については、そのほとんどが「黒ひげ危機一発」の文字が付された「樽型本体、黒ひげの人形、剣がセットになったおもちゃ」についての資料などであって、それらの過去の出荷実績、広告、宣伝に関する事実等を示すものばかりであるから、本願商標についての使用に関する事実を示すものとは認められない。
さらに、本願の指定商品には、樽型おもちゃ以外の商品も含まれているところ、その使用の事実は一切見あたらない。
してみれば、本願商標は、これが使用された結果、指定商品のすべてについて、直ちにその立体形状が周知、著名性を獲得したものと認めることはできない。
また、請求人は、本願商標の認知度調査のアンケート結果を提出しているが、調査対象者の年齢が10代から30代と偏っており、調査方法もインターネットアンケートのみであって、また、調査対象者がどこのホームページにアクセスし、選別がどのようになされたかも不明であるから、これのみをもって、本願商標が自他商品の識別力を獲得するに至ったものとは認め難く、また、本願商標は、上記のとおり、使用に係る商標とは、同一のものではないことから、結局、本願商標のみをもって、使用により識別力を有するに至った商標と認めることはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第2項の規定により商標登録を受けることができるものであるとすることはできない。
(4)以上によれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとは認められないものであるから、原審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標(色彩については原本参照。)













審理終結日 2010-09-08 
結審通知日 2010-09-14 
審決日 2010-09-28 
出願番号 商願2007-124354(T2007-124354) 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (X28)
T 1 8・ 13- Z (X28)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 菅沼 結香子金子 尚人 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 稲村 秀子
井出 英一郎
代理人 瀬川 幹夫 
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