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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 審判 全部申立て 登録を維持 X1825 |
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管理番号 | 1226759 |
異議申立番号 | 異議2010-685001 |
総通号数 | 132 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-12-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-01-04 |
確定日 | 2010-09-15 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第981355号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第981355号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件国際登録第981355号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2008年(平成20年)10月1日に国際商標登録出願、第18類「Leather and imitations of leather,and goods made of these materials and not included in other classes;animal skins,hides;trunks and travelling bags;umbrellas,parasols and walking sticks;whips,harness and saddlery.」及び第25類「Clothing,footwear,headgear.」を指定商品として、平成21年6月12日に登録査定、同年10月16日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第844885A号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2004年5月14日にItalyにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、同年(平成16年)8月13日に国際商標登録出願、第3類「Toilet soaps,liquid soaps,and other detergents;essential oils and other perfumery,fragrances and incenses;deodorants for personal use and other cosmetics and toiletries;dentifrices.」、第9類「Eyeglasses,sunglasses and other spectacles,spectacle cases,spectacle chains,spectacle frames,spectacle cords and other parts and accessories for spectacles;protective helmets;CD player cases.」、第18類「Leather(unworked or semi-worked);trunks and suitcases and other bags and the like;wallets(not of precious metals)and other pouches and the like;vanity cases(not filled),handbag frames,purse frames;umbrellas and their parts;walking sticks;saddlery,clothing for domestic pets.」及び第25類「Clothing,garters,sock suspenders,suspenders(braces),waistbands,belts for clothing,footwear,masquerade costumes,clothes for sports,shoes and boots for sports and horse-riding boots.」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録されたものである。 3 登録異議申立ての理由(要旨) 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第15号証(枝番を含む)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第10号について 引用商標は、申立人の商標として被服等に使用された結果、需要者に広く知られている。本件商標は、申立人所有にかかる引用商標と類似するものであって、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、申立人所有にかかる引用商標と類似するものであって、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第15号について 引用商標は、申立人の商標として広く知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、申立人の商標として広く知られている引用商標と類似しており、不正の目的でその指定商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、別掲1のとおり、「RICHARD」の欧文字と、その右に大きく黒塗りで「J」の欧文字を表し、「J」の文字の一部に、「B」の欧文字を白抜きにし、「B」の欧文字と同一の大きさで続けて「ROWN」(『O』の文字部分を図案化している)の欧文字を表してなるものである。 そして、本件商標の「RICHARD」、「J」及び「BROWN」の構成各文字よりは、「リチャードジェイブラウン」の称呼を生ずるほか、「RICHARD」及び「BROWN」の文字部分に着目し、これより、単に「リチャードブラウン」の称呼をも生ずると認められるものである。 また、本件商標の構成全体よりは、特定の観念を生じさせない一連の造語として看取されるものとみるのが相当である。 他方、引用商標は、別掲2のとおり、「JACOB COHEN」(『E』の文字部分には、ウムラウト記号が付されている。)の欧文字と、「J」と思しき文字を独特にデザイン化し白抜きにして大きく表したものを、「H」の文字部分に重ねながら、「CO」の文字部分の左下に向けて一種の背景図形のように表示してなるものである。 そして、引用商標は、「JACOB COHEN」の文字部分より、「ヤコブコーエン」、または、「ジェイコブコーエン」の称呼を生ずるものと認められ、引用商標の構成全体よりは、特定の観念を生じさせない一連の造語として看取されるものとみるのが相当である。 そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標から生ずる「リチャードジェイブラウン」、または、「リチャードブラウン」の称呼と、引用商標から生ずる「ヤコブコーエン」、または、「ジェイコブコーエン」の称呼とは、相違する各音の音質の差異により、互いに相紛れるおそれはなく、明確に聴別し得るものである。 また、本件商標と引用商標は、ともに、その構成中に、「J」の欧文字を大きく配してなるものであるが、本件商標の「J」の文字部分は、独特にデザイン化されて表された引用商標の「J」の構成態様と明らかに相違するものであり、たとい、その他の構成各文字の背景図形の如く大きく表されている点を共通にするとしても、構成全体としては、明確に区別し得ると認められるものである。 そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観構成において顕著な相違があることから、外観上、相紛れるおそれはなく、また、両商標は、観念について比較することができないものであるから、観念上相紛れるおそれもない。 してみると、本件商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても、引用商標と非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について 申立ての理由及び提出に係る証拠によれば、引用商標は、申立人により、「ジーンズパンツ」に使用され、欧州共同体、スイス、ノルウェー、米国及び我が国においても、その商品が販売されていると認められるものである(甲第4号及び第5号証)。 そして、甲第13号証には、「MEN‘s EX」の2008年6月号、同4月号及び2007年10月号の一部(写し)が提出されているところ、該雑誌は、我が国において販売されたと認められるものであり、「ヤコブ・コーエン」と表示した商品「ジーンズパンツ」や、「ヤコブ コーエン/JACOB CHOEN」と表示した商品「スラックス」等が紹介されているものである。 しかしながら、我が国に関するものは、上記のみであって、その他、商品のパンフレットの写し(甲第7号証)及び製品が紹介された雑誌(甲第12号ないし第13号証)のほとんどは、我が国以外の国に向けられたものと認められる。 また、広告費については、世界において、2006年で約55,000ユーロ(約700万円)、2007年で約634,000ユーロ(約8000万円)、2008年で791,000ユーロ(約1億円)である旨、述べているが、我が国における、広告宣伝の方法、回数及び内容等についての証拠の提出はなく、引用商標の使用を開始した時期、使用期間、使用地域等についても、確認することができない。 ブランドショップについては、イタリアにおいて726店舗、イタリア以外で361店舗を有し、世界における販売額は2006年で約890万ユーロ(約11億円)、2007年で約1470万ユーロ(約18億5千万円)、2008年で2650万ユーロ(約33億円)である旨主張するも、我が国において引用商標を使用した商品の販売状況や販売額を確認することはできない。 その他、提出に係る証拠を勘案しても、引用商標が、申立人の業務に係る商品「ジーンズパンツ」に使用され、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国内の需要者の間に、広く認識されていたものとまでは認めることができない。 また、本件商標は、引用商標に類似する商標とは認められず、別異の商標というべきものであるから、その登録出願時及び登録査定時に、これをその指定商品に使用しても、需要者が引用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品の如く誤認するおそれがあったとはいい難いものであり、その商品の出所について混同を生ずるおそれはなかったというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号には該当しない。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性について 前記(2)に記載のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国において、申立人の業務を表すものとして需要者の間に広く認識されていたとまではいい得ないものであって、かつ、本件商標は、引用商標に類似するものとはいえないものである。 なお、申立人は、本件商標の名義人代表者は、かつて申立人のライセンシーと引用商標にかかる製品について取引関係にあり、本件商標は引用商標と同じく「J」をモチーフとしたもので、ジーンズに使用されるものであるから、本件商標は不正の目的で出願されたものである旨主張し、イタリアの裁判所に提出した召喚状及び英訳写(甲第15号証)を提出しているところ、本件商標の権利者が、かつて引用商標にかかる製品について申立人のライセンシーと取引関係にあり、「J」をモチーフした引用商標の存在を知り得たものであるとしても、その事実が直ちに引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させる等の不正な目的をもって、本件商標を出願したものということはできない。 そして、前記証拠は、イタリア国におけるものであるから、我が国における本件商標権の取得と、直接関係するものということもできない。 その他、申立人の主張及び申立人提出の全証拠によっても、本件商標が引用商標に依拠し、不正な目的で使用するものであるとすべき的確な証拠を見出すことはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別記】 |
異議決定日 | 2010-09-03 |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(X1825)
T 1 651・ 262- Y (X1825) T 1 651・ 261- Y (X1825) T 1 651・ 222- Y (X1825) T 1 651・ 271- Y (X1825) T 1 651・ 25- Y (X1825) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 松本 はる |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 野口 美代子 |
登録日 | 2008-10-01 |
権利者 | L.V.M. S.R.L. |
商標の称呼 | リチャードジェイブラウン、リチャードブラウン、リチャード、ジェイブラウン |
代理人 | 竹内 耕三 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 向口 浩二 |