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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X31
審判 全部申立て  登録を維持 X31
管理番号 1226752 
異議申立番号 異議2010-900079 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-04-01 
確定日 2010-10-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5290319号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5290319号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5290319号商標(以下「本件商標」という。)は,「マダム・フィガロ」の文字と「Madame Figaro」の文字を二段に横書きしてなり,平成20年7月18日に登録出願,第31類「種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽」を指定商品として,平成21年12月25日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第15号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その業務に係る日刊紙に「Le Figaro」(ル・フィガロ)の文字からなる商標を1826年より使用を開始し,該日刊紙は,フランスにおける最も古い歴史を持つ主要なものである(なお,「Figaro」のフランスにおける商標登録は,1948年である。)。また,申立人は,女性向け雑誌に「Madame Figaro」の文字からなる商標を,1980年より使用を開始した。上記「Madame Figaro」の文字からなる商標を付した雑誌(以下「『Madame Figaro』誌」という。)は,1990年より日本において月2回発行されている。その発行部数は,70,548部とされている。2008年には,電子マガジンも開始された。さらに,「Madame Figaro」誌は,さまざまな媒体を通して広告されている。
したがって,「Figaro」及び「Madame Figaro」の文字からなる商標(これらをまとめていうときは,以下「申立人商標」という。)は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,本件商標の登録出願前より,我が国の取引者・需要者の間に著名なものとなっていた。
本件商標の指定商品は,女性に需要の高い商品であることから,本件商標をその指定商品について使用するときは,該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第19号について
前記(1)のとおり,申立人商標は,フランス,日本国をはじめ,全世界において,周知,著名な商標である。
したがって,本件商標は,不正の利益を得る目的又は申立人に損害を加える目的その他不正の目的をもって使用する商標である。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものであるから,取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人商標の著名性
申立人の提出した甲第1号証ないし甲第6号証を総合すると,申立人は,1826年より,その業務に係る日刊紙に「Le Figaro」の文字からなる商標を使用していること,また,申立人は,1980年より,女性向け雑誌に別掲のとおりの構成からなる商標等を使用し,該「Madame Figaro」誌は,我が国においても,1990年より「Madame Figaro Japon」(以下「『Madame Figaro Japon』誌」という。)として発行されたことなどが認められる。
しかし,「Madame Figaro Japon」誌に関して,申立人がいう「発行部数 70,548部」は,その時期が明らかでなく,また,仮に一回の発行につき,70,548部であったとしても,その発行部数は,他の女性向け雑誌に比べてみても決して多いものとはいえない(例えば,「Madame Figaro Japon」誌と同じ「女性ヤングアダルト誌」部門に属する「with」は470,000部,同じく「MORE」は484,167部,「AneCan」は260,000部である。)。 さらに,「Madame Figaro」誌の広告に関しても,外国での広告例が多く,また,我が国でしたウエブサイト等における広告は,そのほとんどのものが本件商標の登録出願後のものである(なお,2004年12月ころに行った地下鉄での広告が提出されているが,これは1回限りのものと推認される。)。
そうすると,申立人の発行に係る日刊紙「Le Figaro」が,古い歴史を持ち,フランスを代表する新聞の題号を表示するものとして,本件商標の登録出願時に,我が国において,「ル・フィガロ」ないし「フィガロ」と呼称されて,需要者の間にある程度知られていたものと認めることができるとしても,「Madame Figaro」の文字からなる商標が,申立人の業務に係る雑誌を表示するものとして,本件商標の登録出願前より我が国の需要者に広く認識されていたものと認めることは困難であるといわざるを得ない。
イ 本件商標と日刊紙に使用される「Le Figaro」との類似性
本件商標は,前記1のとおり,「マダム・フィガロ」の文字と「Madame Figaro」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ,構成全体から,「フィガロ夫人」なる観念が直ちに生ずるものであるから,構成文字全体をもって,「マダムフィガロ」の一連の称呼が生ずるものといえる。
これに対して,「Le Figaro」からは,「ルフィガロ」の称呼を生ずるほか,「Le」の文字部分を省略した場合の「フィガロ」の称呼を生ずるものであって,申立人の発行する日刊紙を想起するといえる。
そうすると,本件商標から生ずる「マダムフィガロ」の称呼と「Le Figaro」から生ずる「ルフィガロ」又は「フィガロ」の称呼は,「マダム」の音の有無の差異又は「ル」の音の有無の差異により,それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても,明瞭に聴別し得るものである。また,両者は,上記のとおり,観念において明らかに相違するものであるから,観念上相紛れるおそれはない。さらに,両者の外観は,前記のとおりの構成からみて,互いに見誤るおそれがないものである。
したがって,本件商標と「Le Figaro」とは,称呼,観念及び外観のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
ウ 本件商標の指定商品と日刊紙との類似性
本件商標は,前記1のとおり,「種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽」を指定商品とするものである。
そうすると,本件商標の指定商品と日刊紙とは,商品の生産方法,用途,品質等において大きく異なるばかりか,生産者,取引系統,販売場所等においても大きく異なるものであり,関連性の希薄な商品といえるものであり,社会通念に照らしても,これらの商品がおよそ同一の生産者によって生産される商品であると認識されることはないといえる。
エ 以上によれば,申立人の発行に係る日刊紙「Le Figaro」が,我が国において,「ル・フィガロ」ないし「フィガロ」と呼称され,ある程度知られているものと認めることができるとしても,該日刊紙の題号と本件商標は,商標において相違するのみならず,日刊紙と本件商標の指定商品とは,商品の関連性が極めて希薄であることからすれば,本件商標に接する需要者が直ちに申立人の業務に係る日刊紙に使用される商標を想起,連想することはないとみるのが相当である。
そうすると,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,該商品が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生ずるおそれがある商標と認めることはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。
(2)商標法第4条第1項第19号について
前記(1)認定のとおり,申立人の発行する日刊紙に使用される「Le Figaro」は,我が国の需要者の間にある程度知られているものであるとしても,本件商標は,「Le Figaro」とは,称呼,観念及び外観のいずれの点においても相違し,全体として類似しない商標である。
そうすると,本件商標は,申立人の有する商標の周知著名性にフリーライドするなどの不正の目的をもって使用をする商標ということもできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しないものである。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲
「Madame Figaro」誌




異議決定日 2010-09-30 
出願番号 商願2008-59008(T2008-59008) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X31)
T 1 651・ 222- Y (X31)
最終処分 維持  
前審関与審査官 津金 純子大森 健司 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2009-12-25 
登録番号 商標登録第5290319号(T5290319) 
権利者 ペピニエール エ ロズレ ジョルジュ デルバール エスエーエス
商標の称呼 マダムフィガロ、フィガロ 
代理人 恩田 誠 
代理人 達野 大輔 
代理人 恩田 博宣 

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