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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X25
審判 全部申立て  登録を維持 X25
管理番号 1226748 
異議申立番号 異議2010-900072 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2010-03-25 
確定日 2010-10-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5287928号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5287928号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5287928号商標(以下「本件商標」という。)は、「SELALA」の文字と「セララ」の文字を二段に横書きしてなり、平成21年4月7日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月13日に登録査定、同年12月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2548321号商標(以下「引用商標」という。)は、「SOLOLA」の文字を横書きしてなり、平成3年4月30日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年6月30日に設定登録され、その後、平成15年2月4日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同年6月18日に、指定商品を第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標中、単独で要部となり得る「SELALA」の文字部分は、引用商標と外観上類似するものであり、また、本件商標より生ずる「セララ」の称呼と引用商標より生ずる「ソロラ」の称呼は類似する。
したがって、本件商標は、引用商標と外観及び称呼において類似する商標であり、また、本件商標と引用商標は、その指定商品を同ー又は類似とするものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の業務に係る被服について使用され、フランスをはじめとするヨーロッパで広く知られており、また、日本においても広く知られている。仮に本件商標と引用商標とが非類似であるとしても、引用商標とその綴りにおいて似通っており、称呼も近似する本件商標をその指定商品について使用するときは、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「SELALA」の文字と「セララ」の文字とを二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の「セララ」の文字部分は、上段の「SELALA」の文字部分の称呼を無理なく特定したものと理解されるから、本件商標は、構成全体をもって一つの商標を表したものと認識されるというべきである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「セララ」の称呼を生ずるものであって、特定の語義を有しない造語よりなるものと認められる。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「SOLOLA」の文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「ソロラ」の称呼を生ずるものであって、特定の語義を有しない造語よりなるものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)称呼
本件商標より生ずる「セララ」の称呼と引用商標より生ずる「ソロラ」の称呼は、いずれも3音よりなり、そのうちの語頭音と第2音において、「セラ」と「ソロ」の音の差異を有し、末尾の「ラ」の音を同じくするものである。
そして、差異音中の語頭音「セ」(se)と「ソ」(so)、及び第2音「ラ」(ra)と「ロ」(ro)は、それぞれが同行音であるとしても、帯有する母音が異なるものであるから、その音質、音感において相違するものであって、3音からなる短い音構成中、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部において、上記2音の差異が、両称呼全体に及ぼす影響は極めて大きいものといえる。のみならず、「セララ」の称呼は、第2音と第3音において、「ラ」の音が連続するため、全体の称呼が一種音楽的な響きを与えるのに対し、「ソロラ」の称呼は、「ソロ」の音に帯有する母音がいずれも「o」であるため、全体の称呼が沈静な響きを与えるものといえる。
してみれば、両称呼は、これらをそれぞれ一連に称呼した場合においても、全体の語調、語感が明らかに相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれは全くないというべきである。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼上類似する商標と認めることはできない。
(イ)観念
本件商標と引用商標は、いずれも特定の語義を有しない造語よりなるものと認めることができるから、観念上比較することはできない。
したがって、本件商標と引用商標は、少なくとも観念上類似する商標ということはできない。
(ウ)外観
本件商標は、「SELALA」の文字と「セララ」の文字とを二段に横書きしてなるものであって、前記認定のとおり、構成全体をもって一つの商標を表したものと認識されるというべきである。
一方、引用商標は、「SOLOLA」の文字よりなるものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観上明らかに相違するものである。仮に本件商標中の欧文字部分のみをとって引用商標と比較したとしても、両者は、第2及び第4の文字において、「E」と「O」及び「A」と「O」の差異を有するものであって、欧文字全体より生ずる称呼が大きく相違することも併せ考慮すれば、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、互いに紛れるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観上類似する商標と認めることはできない。
(エ)以上によれば、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても類似とみるべき要素は全く見い出せない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものと認める。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の著名性について
申立人の提出した甲第3証ないし甲第17号証を総合すると、申立人は、1980年(昭和55年)に婦人用被服を製造販売する企業として設立され、フランスを中心に営業活動を行っていること、申立人の業務に係る商品「婦人用被服」(以下「申立人商品」という。)には、創業以来、引用商標が使用されていること、日本における申立人の営業活動は、1990年(平成2年)ころから、日本の顧客が個別的に申立人商品を直接申立人から輸入していたこと(その数量は不明である。)、また、申立人は、2003年(平成15年)8月ころから2006年1月にかけて、東京を中心に開催された「モード・イン・フランス」展に申立人商品を出展したこと、2005年の秋ころからは、東京都中野区に所在の株式会社ヒビノマーケティングが輸入総代理店となって、申立人商品が日本に輸入され、例えば、本件商標の登録出願前である2008年の春夏物商品は、4278点の受注があり、2009年の春夏物商品は、1496点の受注があったこと、などを認めることができる。
以上によると、引用商標は、婦人用被服を取り扱う取引者の間では、申立人商品を表示するものとして、ある程度知られていたことを推認することができる。
しかし、申立人商品に関し、本件商標の登録出願前に日本国内において、その主たる需要者である一般の消費者を対象に、雑誌やインターネット等で広告をしたという事実を認めるに足りる証拠の提出はなく、また、本件商標の登録出願前における申立人商品の受注数も決して多いというほどのものではない。
してみると、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。そして、引用商標が、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録査定時までに、需要者の間に広く認識されるに至ったと認めるに足りる特段の事情も見い出せない。
イ 出所の混同
前記ア認定のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、我が国の需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないことに加え、前記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても、明らかに相違する非類似の商標というべきものであるから、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできないから、商標法第4条第1項第15号に該当しないものと認める。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2010-09-29 
出願番号 商願2009-29451(T2009-29451) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X25)
T 1 651・ 262- Y (X25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉野 晃弘 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2009-12-18 
登録番号 商標登録第5287928号(T5287928) 
権利者 ミツヨシ株式会社
商標の称呼 セララ 
代理人 村木 清司 
代理人 関口 一秀 
代理人 塚田 美佳子 
代理人 松原 伸之 
代理人 松嶋 さやか 
代理人 橋本 千賀子 
代理人 高部 育子 

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