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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない X41 |
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管理番号 | 1226692 |
審判番号 | 不服2009-11927 |
総通号数 | 132 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-12-24 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-06-30 |
確定日 | 2010-11-04 |
事件の表示 | 商願2008-13710拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「R-TYPE」の欧文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年2月26日に登録出願されたものであるが、その後、指定役務については、原審における平成21年2月23日付けの手続補正書により、第41類「オンラインによるゲーム・音楽の演奏・音声の提供,オンラインによるゲーム・音楽の演奏に関する情報の提供,オンライン上で遊技する電子ゲームの提供,その他の通信回線を利用したゲームの提供,オンライン上のゲーム大会の企画・運営又は開催,ゲームイベントの企画・運営又は開催,その他の対戦ゲーム大会の企画・運営又は開催,音楽・映像を記録したCD-ROM原盤の制作」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、役務の種別・規格等を表示するために普通に使用されている欧文字一字『R』と、『型、型式、様式』等の意を有し、また、『・・・型、・・・式』等を表示するときに使用される『TYPE』の文字とをハイフンで結合した『R-TYPE』の文字を標準文字で書してなるものであるから、これをその指定役務に使用しても、格別に自他役務の識別標識としての機能を果たす程のものではなく、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号の該当性について 本願商標は、「R」の文字と、「(共通の特徴を有する)型、類型、タイプ」を意味する英語(「ジーニアス英和辞典」大修館書店発行)である「TYPE」の欧文字とを「-」(ハイフン)を介して「R-TYPE」と表してなるところ、その構成は、「R」の文字と「TYPE」の文字との組み合わせからなるものと容易に理解されるものである。 しかして、多くの産業分野において、ローマ字の1字又は2字は、商品・役務の種別・規格等を表示するための記号、符号として、採択・使用されているものであるから、本願商標の構成中「R」の文字部分も、その一類型と認識されるというのが相当である。 そして、本願指定役務の提供に係るゲーム業界においては、ローマ字1字と「TYPE(Type、タイプ)」の語を結合してなるものが、役務の提供の種別、規格等を表示するものとして、採択・使用されている実情が認められる。 さらに、ゲーム用ソフトウェアを、インターネットのサイトからダウンロードすることが一般的に行われているものであり、上記の実情は、例えば、以下のインターネットにおけるウェブサイトの情報等からも裏付けられるところである。 ア「ゲーム動画ブログ」の見出しのもと、「リッジレーサーレボルーション-F/A RACINGで初級TYPE-Z」に挑戦。」の記載(h.ttp://syumigame.blog88.fc2.com/blog-entry-6261.html) イ「駿河屋.JP」のウェブサイトにおいて、「スタンバイ Say You! 初回限定スペシャルパッケージ(C-TYPE)」(http://www.suruga-ya.jp/database/141001319001.html)の記載。 ウ「レトロゲーム大図鑑」の見出しのもと、「ゼロヨンチャンプ DooZy-J Type-R」の記載。(http://red.ap.teacup.com/masego/19959.html) エ「OCNゲーム」のウェブサイトにおいて、「パチンコE-Parlor パチンコ処 茶屋」の見出しのもと、「ジャンル WEBゲーム 価格(利用料金)Aタイプ 1ヶ月間 840円(税込み) Bタイプ 1ヶ月間 1470円(税込み)」の記載。(http://www.ocn.ne.jp/game/ongame/title/059pachinko.html) オ「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「Wiiソフト ファミリー向き」の見出しのもと、「Wiiやわらかあたま塾 ●対象年齢:Aタイプ・全年齢対象」の記載。(http://www.rakuten.co.jp/sakurai-toy/809060/814649/) 以上よりすれば、本願商標「R-TYPE」をその指定役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、「Rという種別のゲームの提供」の如き意味合いを認識するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。 してみれば、本願商標は、その指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、「『R』の文字は、複数の語の略語として用いられる欧文字である。」旨主張しているが、前記したとおり、本願指定役務を取り扱う業界において、ローマ字の1字が、取扱いに係る商品・役務の種別、規格等を表示するための記号、符号の一類型として用いられている実情があることから、「R」の文字もその一類型と認識されるものというのが相当である。 イ 請求人は、「出願人は、一貫して『R-TYPE』の商標を使用し続けた結果、出願人に係る『ゲーム用ソフトウェア』を表示する商標として、取引者、需要者に広く知られており、自他商品等識別機能を発揮している。」旨主張しているが、提出された証拠を徴するも、請求人が、ゲーム用ソフトウェアを取り扱っていることは認められるものの、その使用商標は、例えば、赤色に白の縁取りで特殊な書体で書された「R-TYPE」の文字(第21号証)、緑色で特殊な書体で書された「R-TYPE TACTICS」及び黄色、オレンジ色等のグラデーションにより表された「R-TYPE」の文字(第22号証)、青色や黄色等で特殊な書体で書された「R・TYPE」の文字(23号証及び36号証)、白抜きで特殊な書体で書された「R・TYPE」とその下に大きく表された「FINAL」の文字を表示したもの(第24号証)等の、本願商標とは構成態様が相違するものであり、その他の「R-TYPE」の表示は、商品を紹介する記述中の表示(第19号証及び第28号証)に止まるものであるから、商標的な使用とは認められない。また、ほかに、本願商標が使用された結果、請求人の業務に係る役務を表示する商標として、需要者が何人かの業務に係る商品であると認識するに至ったと認めるに足る証拠はない。 ウ 請求人は、「『R-TYPE』の文字は、出願人以外には使用されている例がないことから、第三者に対して何ら不利益を与えるものはない。」旨主張しているが、出願に係る商標の認定、判断は、その指定商品や役務との関係において、取引者、需要者がどのように理解、認識するものであるか、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得るか否か等、取引の実情を勘案して検討すべきであって、本願商標については、その指定役務との関係において自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであること、前記のとおりであるから、たとえ、「R-TYPE」の文字が請求人以外の者に使用されていないとしても、該事実をもって前記判断に影響を及ぼすものではない。 エ 請求人は、「TYPE」の語を含む過去の登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されて然るべきものである旨主張するが、商標登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かの判断は、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係における、その商品及び役務の取引の実情を考慮して、個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人が挙げた商標登録の存在によって、上記判断は左右されるものではない。 オ 請求人は、「本願商標は、これまでに米国、CTM等で、その識別力が認められて、登録になっている」旨主張しているが、登録の判断については、各国は属地主義を採用しているものであり、我が国と外国とでは法制度及び商取引の実情を異にするものであるから、外国の登録例があることをもって、我が国においても直ちに本願商標を登録すべきであるとはいえないことは明らかというべきである。 以上のとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。 (3)まとめ したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2010-09-03 |
結審通知日 | 2010-09-06 |
審決日 | 2010-09-17 |
出願番号 | 商願2008-13710(T2008-13710) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
Z
(X41)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 矢代 達雄 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 小田 昌子 |
商標の称呼 | アアルタイプ、タイプ |
代理人 | 竹内 耕三 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 向口 浩二 |