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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消2009301243 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 042
管理番号 1226589 
審判番号 取消2009-300956 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-08-24 
確定日 2010-10-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第4403311号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4403311号商標(以下「本件商標」という。)は、「マークアイ」の文字を書してなり、平成6年8月22日に登録出願された平成6年商標登録願第84139号の分割出願である平成9年商標登録願第131901号の分割出願として、同10年3月20日に登録出願、第42類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,訴訟事件その他に関する法律事務,登記又は供託に関する手続の代理」を指定役務として、同12年7月28日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べている。
本件登録は、その指定役務について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、取消されるべきものである。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出した。
(1)本案前の申立てについて
請求人は、本件商標に係る商標権の通常使用権者である。
商標法においては、通常使用権者は商標権者とともに、当該商標権を擁護すべき立場である。不使用取消審判請求に対しては登録商標の使用証明の責任の一端を担い(商標法第50条第1項、第2項)、また、無効審判請求等に対しては、被請求人側へ参加して当該商標登録の無効を防御する立場にある者である(商標法第56条第1項・特許法第148条第3項)。
民法でも、権利の行使は信義誠実の原則の下で行うべきとされている(民法第1条第2項)。
不使用取消審判請求は何人も請求可能とはされているが、被請求人を害することを目的とする請求は権利の濫用とされる(特許庁「工業所有権法逐条解説」17版1351頁)。
しかるに、請求人は、自らが使用許諾を受けて使用を継続して本件商標権の保護に預かりながら、他方で、本件商標対して取消しを求めるのは使用権者の立場とは相容れないもので、権利の濫用である。
したがって、本件審判請求は、不適法なものとして却下されるべきものである。
(2)本件商標の使用事実について
被請求人から使用許諾を受けた通常使用権者(株式会社マークアイ)は、乙各号証をもって、以下に証明するとおり、本件審判請求に係る予告登録前3年以内において、本件商標をその指定役務について使用している。
ア 株式会社マークアイ(以下「マークアイ社」という。)は、本件商標登録がなされた頃に、乙第1号証による申し入れを受け両者が合意して、黙示の通常使用権が成立したものである。
イ 乙第2号証のとおり、マークアイ社は、役務「商標取得・権利維持支援サービス」「商標ドメイン管理サービス」について、登録商標「マークアイ」を使用している。
これらの役務は、指定役務「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」の「その他の事務」に含まれるものである。
ウ 乙第2号証のとおり、マークアイ社は、役務「知的財産権侵害対応サービス」について、登録商標「マークアイ」を使用している。
これらの役務は、指定役務「訴訟事件その他に関する法律事務」の「その他に関する法律事務」に含まれるものである。
エ また、乙第2号証ないし乙第6号証のとおり、マークアイ社は、役務「ドメイン名の申請の代理」について、登録商標を使用している。
ドメイン名は不正競争防止法第2条第1項第12号で保護されているところ、同法は工業所有権法の範躊であることは、工業所有権の保護に関するパリ条約1条(2)に明定されており、「ドメイン名の申請の代理」は指定役務「工業所有権に関する手続の代理」に含まれるものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件審判請求は、権利濫用であり却下されるべきである。仮に、却下されないとしても、被請求人から使用許諾を受けたマークアイ社は、前記のとおり、本件審判請求に係る予告登録前3年以内において、本件商標をその指定役務について使用しているのであるから、本件審判請求は成り立たないものである。

4 当審の判断
(1)本件審判請求について
被請求人は、請求人が自ら使用許諾を受けて使用を継続して本件商標権の保護に預かりながら、他方で、本件商標に対して取消しを求めるのは使用権者の立場とは相容れないもので、権利の濫用であるから、本件審判請求は、不適法なものとして却下されるべきである旨述べている。
しかしながら、不使用取消審判請求は何人も請求可能であり、また、その他本件審判請求について、被請求人を害することを目的とする権利の濫用とされるべき事情も見当たらないから、以下のとおり判断する。
(2)被請求人の提出に係る証拠について
乙第1号証及び乙第2号証によれば、以下の事実を認めることができる。
ア 乙第1号証は、マークアイ社から被請求人「河崎光成」宛の2003年1月29日付けの「商標の譲渡に関する連絡」と表題された書面であり、「請求人が商標『Mark-i』について商標登録出願(2001-093968号商標)をしたところ、本件商標に同一・類似の商標であるとの拒絶理由を受けたこと、当該出願の指定役務について、抵触する役務を分割出願し、被請求人に出願人の名義変更をしたいこと、及び当該分割出願が登録された後に、当該分割の商標権と併せて本件商標の使用権の設定やライセンス契約を行いたい。」等の記載がある。
イ 乙第2号証は、所在地を東京都千代田区とするマークアイ社に係る会社案内とするものであり、これの9頁目には「事業紹介 商標調査サービス」の見出しの下、「グローバル商標調査はマークアイにお任せ下さい。…」や10頁の概念図の中に「マークアイ」の表示が当該事業紹介などと共に記載されている。
同11頁目には、「事業紹介 商標取得・権利維持支援サービス」の見出しの下、「…お客様の商標権の『出願・登録』、『維持・管理』のご支援をさせて頂いております。」等の記載がある。
また、同12頁目の概念図を小見出しとする中に「設定登録変更サービス …マークアイは膨大な量の設定登録変更手続きをワンストップでご支援しています。」、「ウォッチング支援サービス マークアイはお客様が権利保持している商標権を守るため…サービスを提供しています。」ほか「マークアイ」の表示が当該事業紹介などと共に記載されている。
同18頁目には、「会社概要」の見出しの下、「…従業員数 47名(2007年8月1日現在)」の記載がある。
(3)本件商標の使用について
通常使用権者について
「商標の譲渡に関する連絡」(乙第1号証)の記載内容、及び被請求人の主張及び乙第2号証によれば、マークアイ社は、本件商標を、被請求人より黙示の許諾を受けて、自己の業務に係る役務について使用していたものと推認できる。
イ 本件商標の使用について
マークアイ社(以下「通常使用権者」という。)の会社案内(乙第2号証)には、「商標調査」、「商標取得・権利維持支援」等の役務に、本件商標「マークアイ」を使用していることが認められる。
また、前記使用役務は、商標出願の事前先願商標の調査や商標決定時の助言等の役務を指称するものであって、第42類に属する「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」に包含されるものと認めることができる。
(4)また、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら弁駁をしていない。
なお、請求人は、平成21年12月8日付け上申書において、被請求人との間で譲渡交渉中であるとして審理の猶予を上申しているが、その後、相当の期間が経過した現在においても、何らの手続もなされていないので、審理をすすめることとした。
(5)むすび
以上のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内にあたる2007年8月1日に日本国内において、通常使用権者が本件商標の指定役務中の「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務」に包含される「商標調査」、「商標取得・権利維持支援」について、本件商標を使用していたことを証明したと認め得るところである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-08-18 
結審通知日 2010-08-23 
審決日 2010-09-07 
出願番号 商願平10-22709 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (042)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村田 有香岩崎 良子野上 サトル津金 純子関根 文昭 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
渡邉 健司
登録日 2000-07-28 
登録番号 商標登録第4403311号(T4403311) 
商標の称呼 マークアイ、アイ 

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