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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X36
管理番号 1226502 
審判番号 不服2009-17485 
総通号数 132 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-09-17 
確定日 2010-11-02 
事件の表示 商願2007-104911拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年10月10日に登録出願され、その後、指定役務については原審における平成20年12月3日付け手続補正書により、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定着物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入あっせん,クレジットカード会員契約の締結の媒介,クレジットカード会員のクレジットカード利用に際しての信用の保証,クレジットカードの発行の取次ぎ,クレジットカード発行会社に代わって行う会員の募集及び会員の管理,クレジットカード利用金額に関する情報提供,前払式証票の発行,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第3022439号商標は、「セレクト」の片仮名文字を横書きしてなり、平成4年8月31日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年2月28日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4249940号商標は、「SELECT」の欧文字を表してなり、平成9年4月14日に登録出願され、第36類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、平成11年3月12日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。(以下、一括していうときは「引用商標」という。)

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「Resona Card +S Select」(「+」の部分は特殊記号と思しき形状、「Select」の文字部分は筆記体)の文字を一連に書してなるところ、構成中前半の「Resona Card +S」の文字部分は、同書、同大で書され、同後半の「Select」の文字部分は、筆記体で書されていることから、かかる構成にあっては、「Resona Card +S」と「Select」の文字部分とは、視覚上分離して看取されるといい得るものである。
ところで、「Resona Card」の文字部分は、請求人(株式会社りそなホールディングス)傘下の「りそなカード株式会社」がクレジットカード事業において使用している「りそなカード」の欧文字を表したものであると容易に認識できるものであり、該文字部分は、取引者、需要者に対し、役務の出所標識として強く支配的な印象を与えるものである。
また、「りそなカード」のウェブサイト(http://www.resonacard.co.jp/makescard/cardstandard.html)によれば、「Resona Card」と「+S」の文字とが結合した「Resona Card +S」の一連の態様をもって取引に資されている事実が認められる。
他方、「Select」の文字部分は、英語で「上等の、選ばれた」(ジーニアス英和大辞典)等の意味を有する語であり、「選ぶ.選択する.」(「imidas 現代人のカタカナ語欧文略語辞典」株式会社集英社発行)等の意味を有する外来語として親しまれている日常語の一つであるばかりでなく、本願指定役務中のクレジットカードを取り扱う役務の業界において、カード名と「セレクト」の文字とを結合させて、「(一般カードよりも)内容が充実した」ほどの意味を表す語として一般的に使用されている実情がある。
そして、それらの実情は、例えば、以下の新聞記事及びインターネットにおけるウェブサイトの情報からも裏付けられるところである。
(1)「キティちゃんのキャッシュカードを発行/みずほ銀行」の見出しのもと「・・・年会費は、一般カードは無料で、旅行時の傷害保険が付く『セレクト』カードは1837円。」の記載。(2004.11.30 読売新聞 東京朝刊 13頁)
(2)「イオンクレジットサービス」のウェブサイトにおいて、「イオンカ
ードセレクトがバージョンUP!」の見出しのもと「多彩な特典がいっぱいだから、毎日の暮らしにおトクと便利が広がります。」の記載。(http://www.aeoncredit.co.jp/apply/lineup/select_ap.html)
(3)「クレジットカード比較の達人 UCカード(一般カード)・UCカード セレクト」の見出しのもと「みずほ銀行系UCカード(一般カード)と家族特約付き最高2,000万円補償の海外旅行保険・充実のショッピング保険などがセットされたUCカード セレクト」の記載。(http://www2.uccard.co.jp/card/lineup/select.html)
(4)「TOYOTA TS CUBIC CARD セレクト JAF会員証一体型」の見出しのもと「行動派のあなたに 保険充実カード ショッピング補償 海外傷害保険が充実したカード」の記載。(http://www8.ts3card.com/select/t_jaf.html)
(5)「クレジットカード選び@おすすめランキング」「さくらカード タイプセレクトJCB」の見出しのもと「さくらタイプセレクトは年会費無料であるにも関わらず、ショッピングカード保険がついている。」の記載。(http://www.creditcard-selection.com/type_select_jcb.html)

以上よりすれば、本願商標の構成中「Select」の文字部分は、本願の指定役務との関係においては、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものと言わざるを得ない。
そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、「Resona Card +S」の文字部分を役務の取引指標として認識するとみるのが相当であるから、「Select」の文字部分だけをもって取引に当たるものとは認めがたいところである。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「リソナカードエスプラスセレクト」の一連の称呼、及び「Resona Card +S」の文字部分に相応して「リソナカードエスプラス」の称呼のみを生じるものというべきであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、「セレクト」及び「SELECT」の各文字部分に相応して、「セレクト」の称呼が生ずるものであり、「選ばれた」程の観念を生ずるものとみるのが相当である。
しかして、本願より生ずる「リソナカードエスプラスセレクト」又は「リソナカードエスプラス」の称呼と、引用商標より生ずる「セレクト」の称呼とを比較するに、両者は、音構成が明らかに相違するものであるから、明瞭に区別して聴取され得るものである。
また、本願商標と引用商標とは、構成全体の外観において明確な差異を有しており、観念については、本願商標が特定の意味合いを有しない一種の造語であるのに対し、引用商標は「選ばれた」を意味するものであることから、比較することはできず、その他、本願商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は見出せない。
したがって、本願商標から、「セレクト」の称呼をも生ずるとし、その上で、本願商標と引用商標とが称呼上類似するものとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当ではなく、取り消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)


審決日 2010-10-21 
出願番号 商願2007-104911(T2007-104911) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (X36)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大島 康浩 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
小田 昌子
商標の称呼 リソナカードプラスエスセレクト、リソナカードプラスエス、リソナカード、リソナ、セレクト 
代理人 小泉 勝義 
代理人 吉武 賢次 
代理人 矢崎 和彦 

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