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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X0937
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X0937
審判 査定不服 観念類似 登録しない X0937
管理番号 1225072 
審判番号 不服2009-8987 
総通号数 131 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-24 
確定日 2010-09-29 
事件の表示 商願2008- 5658拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、第9類「ガスヒートポンプの計測・監視・制御のための自動制御装置及び遠隔監視装置,ガスヒートポンプの運転状況を制御及び監視するためのコンピュータプログラム」及び第37類「ガスヒートポンプの運転・制御・遠隔監視,ガスヒートポンプの保守・点検」を指定商品及び指定役務として、平成20年1月29日に登録出願され、その後、同年9月10日付け手続補正書により、第9類「ガスヒートポンプの計測・監視・制御のための自動制御装置及び遠隔監視装置,ガスヒートポンプの運転状況を制御及び監視するためのコンピュータプログラム」及び第37類「通信回線を用いて行う建物の空調設備・冷暖房設備に関する運転状況の遠隔監視,ガスヒートポンプの保守・点検」に補正されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりであり、現に有効に存続するものである。
(1)登録第4530846号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ACS」の文字を標準文字で表してなり、平成11年8月19日に登録出願、第9類「電子部品,集積回路電子部品,集積回路電子スイッチ及び遮断機」を指定商品として、平成13年12月21日に設定登録されたものである。
(2)登録第4764459号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成14年7月12日に登録出願、「建築設備の運転,冷凍機械器具の修理又は保守」を含む第37類他及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおり商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同16年4月16日に設定登録されたものである。
(3)登録第5021027号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成18年3月23日に登録出願、「測定機械器具,電気通信機械器具」を含む第9類他に属する商標登録原簿に記載のとおり商品を指定商品として、同19年1月26日に設定登録されたものである。
(4)登録第5021028号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成18年3月23日に登録出願、「測定機械器具,電気通信機械器具」を含む第9類他に属する商標登録原簿に記載のとおり商品を指定商品として、同19年1月26日に設定登録されたものである。
(5)登録第5180096号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおり商品を指定商品として、平成19年5月1日に登録出願された商願2007-43668に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同20年1月25日に登録出願され、第9類「衣服デザインを支援するコンピュータープログラム」を指定商品として、同年11月14日に設定登録されたものである。
以下、引用商標(1)ないし(5)をまとめていうときは、「引用商標」という。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおり、「ACS CONTROLLER」の欧文字を中央に配し、その右上に該欧文字の読みを表す片仮名「エーシーエスコントローラー」を小さく表し、上記欧文字の左下に「Advance Central Save」の欧文字を小さく表してなる構成からなるものである。
そこで、本願商標の構成中の「CONTROLLER」の文字部分についてみると、「制御装置、制御器、調節器、コントローラー、制御要素」(英辞郎on the Web)、「制御装置、コントローラー(一般:検査官,制御器)」(英和コンピュータ用語大辞典 第3版 日外アソシエーツ株式会社発行)、「ソフトウェアやハードウェアを制御するインターフェース機器のこと。」(標準パソコン用語事典 最新2009?2010年版 株式会社 秀和システム発行)等の意味を有する英語であることから、本願指定商品・指定役務との関係において、自動制御装置及び遠隔監視装置の商品及び通信回線を用いて行う建物の空調設備・冷暖房設備に関する運転状況の遠隔監視の保守・点検の用に供する商品を表示するものと認められる。次に、本願商標の構成中の「Advance Central Save」の文字部分についてみると、「Advance」の文字が「〔目標に対する〕前進、進歩」の意味、「Central」の文字が「中心の、中央の」の意味、「Save」の文字が「保存、退避」(英辞郎on the Web)の意味を有する語であったとしても、こられも組み合わせた文字全体からは、熟語的な意味を有するものではなく、一種の造語とみるのが相当である。
さらに、「ACS」の文字は「Advance Central Save」の略語であったとしても、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。
そして、本願商標の中央に他の文字に比して大きく「ACS CONTROLLER」と表されてなるところ、「ACS」と「CONTROLLER」の間に半角程度の間隔があり、かつ、「CONTROLLER」の文字部分は、上記のとおり、指定商品及び指定役務との関係において、商品を表す語であり、称呼は長音を含む13音と冗長であり、また、観念において一連一体の熟語を形成するものではなく、「ACS」と「CONTROLLER」を常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別の事情も見いだせないものである。
そうすると、上記のとおり、「ACS」と「CONTROLLER」の各文字が分離して看取されるものであるから、本願商標は、これに接する取引者、需要者が「ACS」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないものといわざるを得ず、該文字部分に相応して「エーシーエス」の称呼をも生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、上記2(1)のとおり「ACS」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、該文字に相応し「エーシーエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2及び引用商標3は、別掲(2)のとおり、大きく表された「ACS」(Aの文字はややデザイン化してなるものであるが、容易に「A」と認識できる。)の下に小さく「ADVANCED CABLE SYSTEMS」の欧文字の構成からなり、「ACS」の文字に相応して「エーシーエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標4は、別掲(3)のとおり、「ACS」(Aの文字はややデザイン化してなるものであるが、容易に「A」と認識できる。)の欧文字を書してなるものであるから、該文字に相応し「エーシーエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
エ 引用商標5は、別掲(4)のとおり、色彩のある略四角形の図形と図形の右側に「ACS」の文字、その左上に小さく「TORAY」の文字、「ACS」の下に小さく「Advanced Computer Solution」の文字を配してなる構成からなるものであり、中央に大きく書された「ACS」の文字に相応して「エーシーエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とは、「エーシーエス」の称呼を共通にし、「ACS」の文字部分は、外観上近似した印象を与えるものであり、観念においては比較できないものであるから、全体として相紛れるおそれのある類似する商標というべきであって、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は引用商標の指定商品及び指定役務と類似する商品及び役務を含むものである。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し登録することができない。
4 請求人の主張について
請求人は、本願商標を構成する「ACS」及び「CONTROLLER」は一連一体のものであり「ACS」を抽出して類否判断が行われているが、本願のような構成にあっては、これを分離すべきものでない旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。
しかしながら、本願商標の「ACS」及び「CONTROLLER」の文字部分は、前記(1)のとおり、観念において一連一体の熟語を形成するものではなく、また、その称呼も冗長なものであり、むしろ、その構成全体のうち、前半の「ACS」の文字部分に着目し、これより生ずる「ACS」の称呼をもって、取引にあたる場合もあることは、取引の経験則に照らして自然なことというべきである。
そして、このことは、「簡易、迅速をたっとぶ取引の実際において、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、常に必ずしもその構成部分全体の名称によって称呼、観念されず、しばしば、その一部だけによって簡略に称呼、観念され、一個の商標から二個以上の称呼、観念の生ずることがあるのは、経験則の教えるところである。しかしてこの場合、一つの称呼、観念が他人の商標の称呼、観念と同一または類似であるとはいえないとしても、他の称呼、観念が他人の商標のそれと類似するときは、両商標はなお類似するものと解するのが相当である。」(最高裁判所 昭和38年12月5日第一小法廷判決 昭和37年(オ)第953号)と判示されていることからも明らかである。
5 まとめ
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
(1)本願商標




(2)引用商標2(登録第4764459号)
引用商標3(登録第5021027号)




(3)引用商標4(登録第5021028号)




(4)引用商標5(登録第5180096号)



(色彩については、原本を参照されたい。)



審理終結日 2010-07-27 
結審通知日 2010-07-30 
審決日 2010-08-10 
出願番号 商願2008-5658(T2008-5658) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X0937)
T 1 8・ 261- Z (X0937)
T 1 8・ 263- Z (X0937)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 馬場 秀敏
瀧本 佐代子
商標の称呼 エーシーエスコントローラーアドバンスセントラルセーブ、エイシイエスコントローラーアドバンスセントラルセーブ、エーシーエスコントローラー、エイシイエスコントローラー、エーシーエス、エイシイエス、アドバンスセントラルセーブ 
代理人 木村 吉宏 
代理人 小谷 武 

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