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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X36 |
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管理番号 | 1224990 |
審判番号 | 不服2009-14806 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-17 |
確定日 | 2010-10-12 |
事件の表示 | 商願2008- 28411拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第36類「資金の貸付け及び手形の割引,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,割賦購入あっせん,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として平成20年4月11日登録出願されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4820117号商標(以下「引用商標」という。)は、「桜苑」の漢字と「おうえん」の平仮名を2段に書してなり、平成16年4月12日登録出願、第36類「預金の受入れ(債券の発行により代える場合を含む。)及び定期積金の受入れ,資金の貸付け及び手形の割引,内国為替取引,債務の保証及び手形の引受け,有価証券の貸付け,金銭債権の取得及び譲渡,有価証券・貴金属その他の物品の保護預かり,両替,金融先物取引の受託,金銭・有価証券・金銭債権・動産・土地若しくはその定著物又は地上権若しくは土地の賃借権の信託の引受け,債券の募集の受託,外国為替取引,信用状に関する業務,割賦購入のあっせん,前払式証票の発行,ガス料金又は電気料金の徴収の代行,ガス料金又は電気料金の支払の取次ぎ,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引,有価証券の売買・有価証券指数等先物取引・有価証券オプション取引及び外国市場証券先物取引の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券市場における有価証券の売買取引・有価証券指数等先物取引及び有価証券オプション取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,外国有価証券市場における有価証券の売買取引及び外国市場証券先物取引の委託の媒介・取次ぎ又は代理,有価証券の引受け,有価証券の売出し,有価証券の募集又は売出しの取扱い,株式市況に関する情報の提供,商品市場における先物取引の受託,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,骨董品の評価,美術品の評価,宝玉の評価,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,慈善のための募金,紙幣・硬貨計算機の貸与,現金支払機・現金自動預け払い機の貸与」を指定役務として、同年11月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 当審の判断 商標法第4条第1項第11号に係る商標の類否は、同一又は類似の商品又は役務に使用された商標が、その外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、その商品又は役務に係る取引の実情を踏まえつつ全体的に考察すべきものであり(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決)、商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから、複数の構成部分を組み合わせた結合商標と解されるものについて、商標の構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、その部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などを除き、許されないというべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決)。 これを本願についてみるに、本願商標は、別掲のとおり、灰色の「HKS」の欧文字を縦書きし黒色の「OUEn」の欧文字を該「HKS」の右に半文字ほど下げて縦書きしてなるところ、「H」の文字は「O]の文字と、「K」の文字は「O」と「U」の文字と、「S」の文字は「U」と「E」の文字にそれぞれ一部が重なって表されているから、全体として「HO」「KU」「SE」「n」の各文字を2行に縦書きしたものと認められる。 してみると、構成中の「HKS」の文字と「OUEn」の文字は、色が異なっているものの「OUEn」の文字部分が、強く支配的な印象を与えるものとみる特段の事情は見いだせないことから、当該文字部分より生ずる称呼をもって取引にあたるというよりも、むしろ、本願商標の構成全体として一体不可分のものと認識、把握し、取引に当たるとみるのが相当である。 そうであれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「ホクセン」の称呼のみを生ずると判断するのが相当であり、また、観念については、その構成から、直ちに意味を理解、認識できるものとは認められず、既成の観念を有しない造語といえるものである。 他方、引用商標は、「桜苑」の漢字と「おうえん」の平仮名を2段に書してなるところ、下段の片仮名は、上段の読みを表したものと容易に理解できるものであるから、その構成文字より、「オウエン」の称呼が生じるものである。また、観念については、「桜苑」の文字は、辞書等に掲載されていない文字であり、特定の意味をもって親しまれた語とはいえないものの、表意文字である漢字で表されており、「桜」の文字と「庭園」を意味する「苑」の文字を組み合わせたものであるから、「桜」と「庭園」の観念を生ずるものである。 そこで、本願商標から生ずる「ホクセン」の称呼と引用商標から生ずる「オウエン」の称呼を比較すると、その音構成の差異により相紛れるおそれはない。 また、本願商標と引用商標は、それぞれの構成に照らし、外観についても判然と区別し得る差異を有するものであり、さらに、観念については、上記のとおり、本願商標が造語であるから、比較することができないものである。 ほかに、本願商標と引用商標とは、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき特殊の取引の事情も見いだせない。 したがって、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 (色彩は原本参照) |
審決日 | 2010-09-17 |
出願番号 | 商願2008-28411(T2008-28411) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X36)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 蛭川 一治 |
特許庁審判長 |
井岡 賢一 |
特許庁審判官 |
末武 久佳 大森 友子 |
商標の称呼 | オウエンエッチケイエス、オウエンエイチケイエス、オウエン、オーエン、エッチケイエス、エイチケイエス |
代理人 | 中村 直樹 |