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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y03 |
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管理番号 | 1224989 |
審判番号 | 不服2009-4620 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-03-03 |
確定日 | 2010-10-13 |
事件の表示 | 商願2007-4020拒絶査定不服審判事件についてした平成21年11月12日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消の判決(平成22年(行ケ)第100094号平成22年8月19日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「AERIE」の欧文字を標準文字で表してなり、第3類「ひげそり用クリーム,ひげそり用ローション,非薬用リップクリーム,リップグロス,口紅,バスオイル,ボディパウダー,バスソルト,パック用化粧料,ボディクリーム,バブルバス,スキンクリーム,身体防臭用化粧品,マニキュア,メーキャップ化粧品,アイメイク用化粧品,マッサージオイル,おしろい,スキンローション,皮膚用せっけん,日焼け止め用化粧品,香水類,コロン,香料類」を指定商品として、2005年8月19日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成18年2月20日に登録出願された商願2006-14694に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同19年1月22日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第821437号商標(以下「引用商標1」という。)は、「エアリー」の片仮名を横書きしてなり、昭和42年3月29日登録出願、第4類「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として、同44年6月12日に設定登録されたものである。その後、平成5年7月23日に、指定商品中「せつけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、香料類」を取り消す旨の商標権一部取消し審判の確定登録がなされ、さらに、同21年6月17日に指定商品を第3類「化粧品」とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (2)登録第2706159号商標(以下「引用商標2」という。)は、「エアリー」の片仮名を横書きしてなり、昭和60年6月20日登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、香料類」を指定商品として、平成7年4月28日に設定登録されたものである。その後、同18年3月15日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がなされたものである。 (3)登録第4044831号商標(以下「引用商標3」という。)は、「エアリーズ」及び「ARIES」の文字を二段に書してなり、平成7年7月5日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,菓子及びパン,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,氷」を指定商品として、同9年8月15日に設定登録されたものである。 3 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、前記1のとおり「AERIE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、該文字(語)は、「(崖や山頂にあるワシ,タカなど猛鳥の)巣;(一般に大形の鳥の)高所にある巣」(小学館ランダムハウス英和大辞典 株式会社小学館発行)の意味を有する英語であるものの、我が国において取引上よく使用され親しまれている、又はその意味がよく知られていると認め得る証拠は見出せない。 そうすると、本願商標「AERIE」は、特定の観念が生じないものと判断するのが相当である。 また、称呼については、英語の発音によれば「エアリー」又は「エアリ」と発音されるものであるが、「AERIE」は、我が国において広く親しまれた語とはいえないため、常に「エアリー」又は「エアリ」と発音されるとは限らず、これに接した者は何と発音してよいか分からず、ローマ字読みで「アエリー」又は「アエリ」と発音する場合もあると判断するのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、「エアリー」、「エアリ」と称呼される場合と「アエリー」、「アエリ」と称呼される場合もあり得るというべきである。 (2)引用商標1及び2について 引用商標1及び2は、前記2(1)及び(2)のとおり「エアリー」の片仮名を横書きしてなることから、これより「エアリー」の称呼を生じること明らかであり、かつ、特定の観念を生じないものと認められる。 (3)引用商標3について 引用商標3は、前記2(3)のとおり「エアリーズ」及び「ARIES」の文字を二段に書してなるところ、その構成中、上段の片仮名は下段の欧文字の読みを特定したものと認められることから、これより「エアリーズ」の称呼を生じ、かつ、特定の観念を生じないものと認められる。 (4)本願商標と引用商標1及び2の類否について 外観については、本願商標は欧文字5文字からなるのに対し、引用商標1及び2がいずれも片仮名4文字からなるものであって、外観は大きく異なるものである。 そして、称呼については、本願商標は、「エアリー」や「エアリ」と称呼される場合と、「アエリー」や「アエリ」と称呼される場合のいずれもあり得るのに対し、引用商標1及び2は、「エアリー」であって、両者の称呼は、同じ場合と異なる場合があり得るものである。 さらに、観念については、本願商標と引用商標1及び2のいずれからも、特定の観念が生じないため、比較することができない。 そうとすれば、本願商標と引用商標1及び2とは、外観が大きく異なっている上、称呼上も、同じ場合だけでなく異なる場合もあるから、たとえ両者が、観念について比較できないとしても、両者には誤認混同のおそれがなく、非類似の商標というべきである。 (5)本願商標と引用商標3の類否について 外観については、本願商標は欧文字5文字からなるのに対し、引用商標3は片仮名5文字及び欧文字5文字を二段書きに表してなるから、両者が相紛れるおそれがないこと明らかである。 そして、称呼については、本願商標が前記のとおり「エアリー」、「エアリ」又は「アエリー」、「アエリ」のいずれとも称呼される場合もあり得るのに対し、引用商標3は「エアリーズ」であるから、両称呼は、その構成音数ならびに語調、語感が明らかに相違し、明瞭に聴別し得るものである。 さらに、観念については、本願商標と引用商標3のいずれも、特定の観念が生じないため、比較することができない。 そうとすれば、本願商標と引用商標3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 (6)むすび 以上のとおりであるから、本願商標と引用商標1ないし3が類似の商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2009-10-23 |
結審通知日 | 2009-10-28 |
審決日 | 2009-11-12 |
出願番号 | 商願2007-4020(T2007-4020) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(Y03)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 神田 忠雄 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 大島 康浩 |
商標の称呼 | エアリー、アエリア、アエリエ、アエリー |
代理人 | 高柴 忠夫 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 鈴木 博久 |
代理人 | 渡邊 隆 |