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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X30 審判 全部申立て 登録を維持 X30 審判 全部申立て 登録を維持 X30 |
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管理番号 | 1223173 |
異議申立番号 | 異議2010-900059 |
総通号数 | 130 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-10-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-03-08 |
確定日 | 2010-09-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5285693号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5285693号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5285693号商標(以下「本件商標」という。)は、「うなぎドゥーレ」の文字を横書きしてなり、平成21年5月21日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同年11月18日に登録査定、同年12月4日設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2723157号商標(以下「引用商標1」という。)は、「うなぎ」の平仮名を横書きしてなり、昭和59年8月9日に登録出願、第30類「パイ菓子」を指定商品として、平成9年10月9日に設定登録され、その後、同20年2月20日に指定商品を第30類「パイ菓子」とする書換登録がなされたものである。 (2)登録第4171395号商標(以下「引用商標2」という。)は、「うなぎサブレ」の文字を横書きしてなり、平成7年11月24日に登録出願、第30類「サブレ」を指定商品として、同10年7月31日に設定登録されたものである。 (3)登録第4412564号商標(以下「引用商標3」という。)は、「うなぎ」の平仮名を標準文字で表わしてなり、平成11年10月6日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同12年8月25日に設定登録されたものである。 (4)登録第5194889号商標(以下「引用商標4」という。)は、「うなぎ」の平仮名を標準文字で表わしてなり、平成19年4月3日に登録出願、第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年1月9日に設定登録されたものである。 (5)登録第5243954号商標(以下「引用商標5」という。)は、「うなぎ」の平仮名を横書きしてなり、平成20年6月19日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同21年7月3日に設定登録されたものである。 以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。 3 登録異議申立ての理由(要旨) (1)本件商標は、その構成中「ドゥーレ」の文字が、フランス語の「dorer」であって指定商品「菓子」について使用したときは、「表面が卵黄で飾られた菓子」又は「上面に溶き卵を刷毛塗りして焼き上げた菓子」を表す商品の品質を表示するものであり、自他商品の識別機能を備えていないものである(甲第7号証ないし甲第11号証)から、前半の「うなぎ」の文字部分が要部であり、当該文字部分から「ウナギ」の称呼及び「鰻」の観念を生ずるものである。 一方、引用各商標は、いずれも「ウナギ」の称呼及び「鰻」の観念を生ずるものである。 そして、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品又は指定役務とは類似するものである。 したがって、本件商標と引用各商標とは、商標及び指定商品又は指定役務が同一又は類似のものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。 (2)以上述べたとおり、本件商標は、引用各商標と同一又は類似のものであり、また、指定商品も同一又は類似のものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)本件商標について 本件商標は、前記1のとおり「うなぎドゥーレ」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で一体に表わされ、これより生ずる「ウナギドゥーレ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。 ところで、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、本件商標の登録査定の日前から、うなぎエキス入りの商品が製造、販売され、また、ドレ(dorer)の語は「菓子を卵黄で飾る、生地の焼き色をよくするため、上面に溶き卵を刷毛塗りする。」等の意味を有し、「ドゥーレ」の文字が焼き菓子に「○○ドゥーレ」のように使用されているものである(このことは申立人提出の甲第7号証ないし甲第12号証によっても裏付けられる。)。 そうとすれば、本件商標は、これをその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者をしてその構成中「うなぎ」の文字は商品の原材料を、また「ドゥーレ」の文字は「上面に溶き卵を刷毛塗りして焼き上げた菓子」であることを、それぞれ表わしたものと認識するものであって、いずれも自他商品の識別力がないか弱いものと判断するのが相当である。 そして、識別力がないか弱い文字(語)同士がまとまりよく一体に表わされている商標においては、看者をしてその構成中のいずれかの文字のみが着目され認識されるようなことはなく、全体が不可分一体のものとして認識されるとみるのが自然である。 してみれば、識別力がないか弱い文字(語)同士を一体に表わしてなる本件商標は、全体が不可分一体のものとして取引者、需要者に認識されるものであって、「ウナギドゥーレ」の一連の称呼のみを生じるものというべきであり、また特定の観念を生じないものといわなければならない。 (2)引用各商標について 引用商標1及び引用商標3ないし引用商標5は、「うなぎ」の文字からなるものであるから、いずれも「ウナギ」の称呼及び「鰻」の観念を生じるものである。 引用商標2は、「うなぎサブレ」の文字を横書きしてなるものであり、その構成中「うなぎ」「サブレ」のいずれの文字(語)も識別力がないか弱いものであるから、全体が不可分一体のものとみるのが相当である。 してみれば、引用商標2は、「ウナギサブレ」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用各商標との類否について 本件商標と引用各商標とを比較すると、両者は、外観において「ドゥーレ」の文字の有無の、又は「ドゥーレ」と「サブレ」との明らかな差異を有するから、相紛れるおそれのないものである。 また、称呼においては、後半部で「ドゥーレ」の音の有無の、又は「ドゥーレ」と「サブレ」との明らかな差異を有するから、相紛れるおそれのないものである。 さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないものであるから比較することができない。 (4)小括 したがって、本件商標は、引用各商標と外観、呼称及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似ものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (5)結論 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2010-08-18 |
出願番号 | 商願2009-37583(T2009-37583) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(X30)
T 1 651・ 262- Y (X30) T 1 651・ 261- Y (X30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉岡 めぐみ、早川 真規子 |
特許庁審判長 |
森吉 正美 |
特許庁審判官 |
小畑 恵一 瀧本 佐代子 |
登録日 | 2009-12-04 |
登録番号 | 商標登録第5285693号(T5285693) |
権利者 | 株式会社マツザワ |
商標の称呼 | ウナギドゥーレ、ウナギ、ドゥーレ |
代理人 | 中山 清 |
代理人 | 菅原 正倫 |