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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X33 審判 全部申立て 登録を維持 X33 |
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管理番号 | 1223166 |
異議申立番号 | 異議2010-900028 |
総通号数 | 130 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-10-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2010-01-29 |
確定日 | 2010-08-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5277268号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5277268号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5277268号商標(以下「本件商標」という。)は、「GALA DE PARIS」の欧文字を横書きしてなり、平成19年11月19日に登録出願、同21年9月24日に登録査定がなされ、第33類「フランス産のぶどう酒,フランス産の発泡性のぶどう酒,フランス産のスピリッツ及びリキュール,フランス産のアルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として、同21年10月30日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)登録異議申立人の引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、下記のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標を総称するときは「引用各商標」という。)。 ア 登録第1343621号商標(以下「引用商標1」という。)は、「カフェドパリ」の片仮名文字と「CAFEDEPARIS」(「CAFE」の「E」には、アクサン・テギュがある。以下、同じ。)の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和50年2月7日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同53年8月25日に設定登録、その後、平成元年8月23日、同10年4月21日及び同20年8月12日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同21年2月4日に指定商品の書換登録があった結果、第32類「ビール」及び第33類「ぶどう酒,その他の果実酒,洋酒,中国酒,日本酒」とするものである。 イ 登録第2268942号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CAFE」(「E」には、アクサン・テギュがある。以下、同じ。)、「DE」、「PARIS」の各欧文字を上下三段に横書き(以下、「CAFE/DE/PARIS」と表示する。)してなり、昭和62年12月10日に登録出願、第28類「フランス産酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として、平成2年9月21日に設定登録、その後、同12年5月23日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。 ウ 登録第2336640号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(1)のとおりの構成(以下、文字部分は「CAFE/DE/PARIS」と表示する。)よりなり、昭和63年8月17日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年9月30日に設定登録、その後、同13年9月11日に商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同14年3月20日に指定商品の書換登録があった結果、第33類「発泡性ぶどう酒,その他のぶどう酒,その他の果実酒,リキュール,その他の洋酒」とするものである。 エ 登録第2388965号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、フランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成元年2月2日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年3月31日に設定登録、その後、同14年3月26日に商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、同15年5月14日に指定商品の書換登録があった結果、第33類「白ぶどう酒,発泡性白ぶどう酒及びそれらを主成分とするカクテル」とするものである。 オ 登録第4983248号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成17年4月26日に登録出願、同18年8月9日に登録査定がなされ、第33類「発泡性ぶどう酒,その他のぶどう酒,その他の果実酒,洋酒,日本酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同18年9月1日に設定登録されたものである。 カ 登録第4983249号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成17年4月26日に登録出願、同18年8月9日に登録査定がなされ、第33類「発泡性ぶどう酒,その他のぶどう酒,その他の果実酒,洋酒,日本酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同18年9月1日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 日本を含む世界中で申立人が「スパークリングワイン」に使用して周知・著名となっている引用各商標に類似する本件商標が、引用各商標が使用される「スパークリングワイン」と同一又は類似するその指定商品について使用された場合、これに接する需要者・取引者は、周知・著名な引用各商標を連想し、その商品の出所について誤認・混同するおそれが極めて高いものである。 (3)商標法第4条第1項第19号について 本件商標は、日本を含む世界中で申立人が「スパークリングワイン」に使用して周知・著名となっている引用各商標に類似し、また、その実際の使用態様から、引用各商標に化体した信用に便乗する目的で使用する意図が明らかである。 よって、本件商標は、引用各商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれがあり、他人の著名な商標に類似する商標を不正の目的をもって使用するものである。 (4)以上のことから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)本件商標と引用各商標との類似性について 本件商標は、「GALA DE PARIS」の欧文字よりなるところ、構成中の「GALA」と「DE」と「PARIS」の各文字間に一字程度の間隔を有するとしても、構成各文字は同じ書体、同じ大きさで表されており、全体として一体的な構成よりなり、かつ、「GALA」と「PARIS」の文字をフランス語の「DE」で結合してしてなるものであって、その構成全体をもって一体不可分の商標として認識させるところからすれば、これよりは「ガラドパリ」の称呼のみを生ずるとみるのが自然である。 また、その構成中の「GALA」の文字がフランス語で「大祭典、特別上演」を意味するものであるとしても、申立人も述べるように、我が国の需要者にとっては馴染みの薄い語であるから、むしろ、特定の観念を生じさせない造語と理解されるものであり、また、本件商標全体としても、なんら特定の観念を生じない造語というべきである。 他方、引用各商標は、それぞれの構成前記2に示すとおりであり、それぞれの構成文字、あるいは、その構成文字中、独立して看者の注意を惹き、かつ、自他商品識別標識としての機能を果たし得る「カフェドパリ」「CAFEDEPARIS」「CAFE/DE/PARIS」「CAFE DE PARIS」の各文字部分に相応して、「カフェドパリ」の称呼を生じ、また、「パリのカフェ」の観念が生ずるものであるが、これに加えて、申立人が言うような、申立人の著名なスパークリングワイン「CAFE DE PARIS(カフェドパリ)」の観念が生ずることも特に否定しないところである。 そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、本件商標から生ずる「ガラドパリ」の称呼と、引用各商標から生ずる「カフェドパリ」の称呼とは、共に5音よりなる比較的短い音数であって、しかも、称呼上重要な要素を占める語頭部において、「ガラ」と「カフェ」に明確な差異を有するものであるから、この差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者は、これをそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないものというべきである。 また、両商標は、それぞれの構成に照らし、外観上相紛れるおそれはないものであり、観念においては、本件商標からは格別の観念が生じないものである以上、両商標は比較することができない。 してみれば、本件商標と引用各商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出に係る証拠によれば、引用各商標がスパークリングワイン等に使用され、本件商標の登録出願時には、我が国においても広く知られていたことは認められるとしても、上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る全く別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、申立人の使用に係る引用各商標を想起又は連想させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものということはできない。 (3)商標法第4条第1項第19号について 上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る全く別異の商標というべきものであるから、他の要件について判断するまでもなく、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。 (4)結び 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 引用商標3 (色彩については原本参照。) 別掲(2)引用商標4 別掲(3)引用商標5 (色彩については原本参照。) 別掲(4)引用商標6 (色彩については原本参照。) |
異議決定日 | 2010-08-05 |
出願番号 | 商願2007-116733(T2007-116733) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X33)
T 1 651・ 222- Y (X33) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 吉田 静子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小川 きみえ 小林 由美子 |
登録日 | 2009-10-30 |
登録番号 | 商標登録第5277268号(T5277268) |
権利者 | ソレヴィ |
商標の称呼 | ガラドゥパリ、ガラ |
代理人 | 田中 克郎 |
代理人 | 佐藤 俊司 |
代理人 | 田中 景子 |
代理人 | 吉川 俊雄 |
代理人 | 稲葉 良幸 |