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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服200920301 | 審決 | 商標 |
不服200920693 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 X09 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X09 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 X09 |
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管理番号 | 1223104 |
審判番号 | 不服2009-18295 |
総通号数 | 130 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-09-29 |
確定日 | 2010-09-22 |
事件の表示 | 商願2008- 30788拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「アイデックス」の片仮名を標準文字で表してなり、第1類、第5類、第9類、第10類及び第44類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年4月18日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における同21年3月5日付け及び当審における同年9月29日付け手続補正書により、第9類「検査用サンプルの一部を収容するために複数の開口区画を有するトレイ及びマイクロウェルプレート,その他の理化学機械器具」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(6)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2208886号商標(以下「引用商標1」という。)は、「I.D.E.C」の欧文字を横書きしてなり、昭和62年12月28日に登録出願、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録され、その後、同12年2月29日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、同12年12月13日に、商標権一部取消し審判で、指定商品中「医療用機械器具」についての登録を取り消す旨の審判の確定登録がなされたものである。 (2)登録第4988255号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成17年10月27日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年9月15日に設定登録されたものである。 (3)登録第4993364号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成17年9月5日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年10月6日に設定登録されたものである。 (4)登録第5002171号商標(以下「引用商標4」という。)は、「IDEC株式会社」の文字を書してなり、平成17年11月18日に登録出願、第7類、第9類、第11類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年11月10日に設定登録されたものである。 (5)登録第5060448号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、平成17年8月25日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年7月6日に設定登録されたものである。 (6)登録第5068121号商標(以下「引用商標6」という。)は、「IDECものづくり安全」の文字を標準文字で表してなり、平成18年12月1日に登録出願、第7類、第9類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年8月3日に設定登録されたものである。 以下、上記引用商標1ないし6をまとめていうときは「引用商標」という。 3 当審の判断 本願商標と引用商標との類否について以下(1)ないし(4)で検討する。 (1)本願商標は、前記1のとおり、「アイデックス」の片仮名を横書きしてなるから、その構成文字に相応して「アイデックス」の称呼を生じるものである。 (2)引用商標1は、前記2(1)のとおり、その構成文字中の「I」「D」「E」「C」の各文字は、ピリオドを付してあることから、何らかの略語を表現したものと看取され、欧文字一文字毎の読みをもって「アイディーイーシー」と称呼するのが自然である。 また、引用商標1は、「I」「D」「E」「C」の配列からみて、我が国において最も親しまれた外国語である英語の発音における、「idea」を「アイデア」と、「idol」を「アイドル」と発音するように、「i」の文字部分を「アイ」と発音する例に倣い、これより「アイデック」の称呼をも生じるとするのが相当である。 引用商標2、3及び5は、別掲(1)ないし(3)のとおりの構成からなるところ、その構成中左側に、灰色に塗られた凹み型の図形もしくは黒色の輪郭線で描かれた凹み型の図形を右に90度傾け、その凹み部分に接するように太字のゴシック体風の「IDEC」の文字を配してなるから、該文字部分から「アイデック」の称呼を生じるが、特定の観念を生じるものとは認められない。 引用商標4は、上記2(4)のとおり「IDEC株式会社」の文字を書してなるから、「アイデックカブシキガイシャ」の一連の称呼の他に、商号中の「株式会社」の文字が、商取引の場においては、会社組織を表すものとして一般に認識されていることからすれば、「IDEC」の文字部分が自他商品・役務の識別標識としての機能を有する要部として認識されるから、該文字部分より「アイデック」の称呼及び「IDECという社名の会社」の観念を生じるものと認められる。 引用商標6は、上記2(6)のとおり「IDECものづくり安全」の文字を書してなるところ、その各文字を同書、同大、等間隔にまとまりよく表現されているから、「アイデックモノヅクリアンゼン」の称呼及び文字種別を異にする「IDEC」の文字部分より「アイデック」の称呼をも生じ、「IDECによる安全なもの作り」程の観念を生じるものと認められる。 (3)そこで、本願商標から生じる「アイデックス」の称呼と引用商標から生じる「アイデック」の称呼とを比較するに、両称呼は、語尾における「ス」の音の有無に差異を有するのみであり、該音「ス」の有無が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼する場合には、全体として語調、語感が近似したものである。 (4)ところで、「商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものであり、商標の外観、観念又は称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の混同のおそれを推測させる一応の基準に過ぎず、同三点のうちその一において類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他取引の実情によって、何ら商品の出所に混同誤認をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない(最高裁昭和39年(行ツ)第110号・昭和43年2月27日第3小法廷判決・民集22巻399頁参照)」旨判示されている。 そこで、これを本件についてみるに、本願商標からは「アイデックス」と引用商標からは「アイデック」の称呼を生じ得るとしても、本願商標と、引用商標1とは、後者から生じる自然称呼「アイディーイーシー」において著しく相違し、外観においても相違するものであり、引用商標2、3及び5とは、その外観において著しく相違するものであり、引用商標4及び6とは、外観及び観念において著しく相違するものである。 したがって、本願商標と引用商標における外観、観念における相違が称呼における類似性を凌駕しているものと判断されるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標を同一又は類似の商品及び役務に使用した場合においても、商品及び役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないものというべきであり、両商標は互いに非類似の商標とみるのが相当である。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消を免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 (1)引用商標2(登録第4988255号) (色彩については原本参照) (2)引用商標3(登録第4993364号) (3)引用商標5(登録第5060448号) (色彩については原本参照) |
審理終結日 | 2010-08-16 |
結審通知日 | 2010-08-20 |
審決日 | 2010-09-01 |
出願番号 | 商願2008-30788(T2008-30788) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(X09)
T 1 8・ 263- WY (X09) T 1 8・ 261- WY (X09) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 石戸 円、堀内 真一、箕輪 秀人 |
特許庁審判長 |
鈴木 修 |
特許庁審判官 |
馬場 秀敏 小畑 恵一 |
商標の称呼 | アイデックス |
代理人 | 神林 恵美子 |