• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 16
管理番号 1221565 
審判番号 取消2009-300888 
総通号数 129 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-09-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2009-08-05 
確定日 2010-06-14 
事件の表示 上記当事者間の登録第474998号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第474998号商標(以下「本件商標」という。)は、大きく表された「白百合」の文字と小さく表された「しらゆり」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和29年12月8日に登録出願、第51類「文房具」を指定商品として同30年12月26日に設定登録されたものであり、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成17年8月24日に、第16類「文房具類(海綿・紙製下げ札・紙製シール・紙製しおり・紙製値札・紙製はり札・紙製文房具・紙製ラベル・革ふみばこ・黒板・三角定規・定規・そろばん・短冊・地球儀・トレーシングクロス・水引を除く。)」とする書換登録がなされている。
2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品全てについて、今日に至るまで継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した実績が認められない。
したがって、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品全てについて、登録は取り消されるべきである。
3 被請求人の主張(要点)
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証を提出した(なお、被請求人は、書証の表示を甲号証として表示しているが、被請求人提出の証拠であるので、それぞれに対応する乙号証として表示した)。
被請求人は、有限会社弦本印刷所から平成19年11月1日に納品された「筆かたろぐ(2007年10月作製)」において「しらゆり」の商標のもとに画筆を掲載しており(乙第1号証及び乙第2号証)、乙第3号証の売上伝票にあるとおり、平成21年4月15日に、株式会社小野祥楽堂宛に、「しらゆり」商標のナイロン画筆を販売している。
以上のとおり、本件商標は、継続して3年以上、日本国内において使用されているから、本件審判請求は成り立たないものである。
4 当審の判断
被請求人は、本件商標をその指定商品中の「画筆」について、本件審判請求前3年以内に、日本国内において使用しているとして、乙第1号証ないし乙第3号証を提出している。
(1)そこで、被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、これらによれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証は、「筆かたろぐ」と題するカタログであり、その20頁には、上段縦枠に画筆(ブタ)とあり、下段縦枠に画筆(水彩)とあり、それぞれの号数の画筆の写真の下に、いずれも筆名として「しらゆり」と記載されている。そして、該カタログの裏表紙の内側の右下には「作成日:2007年10月」、巻末には「泰山筆本舗/株式会社文志堂」とそれぞれ記載されている。
乙第2号証は、有限会社弦本印刷所から(株)文志堂へ宛てた平成19年11月1日付の「納品書」であり、品名の欄には「カタログ A4 24P」等の商品名が記載されており、数量の欄には「1000部」とあり、その外に単価、金額が記載されている。
乙第3号証は、株式会社文志堂が(株)小野祥楽堂へ宛てた平成21年4月15日付の売上伝票であり、商品名の欄には、11種類の「しらゆりナイロン画筆」等が記載されている。
(2)上記において認定した乙第1号証によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成21年8月19日)前3年以内である2007年(平成19年)10月作製の「筆かたろぐ」と題するカタログにおいて、各号数の画筆を「しらゆり」の商標のもとに掲載していたことを認めることができる。そして、乙第2号証と被請求人の主張を併せみれば、該カタログは、平成19年11月1日付で有限会社弦本印刷所から納品されたものと推認することができる。また、乙第3号証によれば、本件審判における要証期間内である平成21年4月15日当時において、被請求人は、11種類の「しらゆり」の商標に係るナイロン画筆を株式会社小野祥楽堂に対して販売したものと推認することができる。
(3)しかして、本件商標は、前記したとおり、「白百合」の漢字と「しらゆり」の平仮名文字とを二段に書してなるところ、被請求人の使用に係る商標は、「しらゆり」の平仮名文字のみからなるものであるが、「しらゆり」の平仮名は、「白百合」の漢字の自然な読みを表したものであり、共に「白い百合(ゆり)」の観念を生ずるものと認められるから、被請求人の使用に係る商標は、本件商標と社会通念上同一の商標であるということができる。
そして、被請求人の使用に係る商品「画筆」は、取消請求に係る第16類「文房具類(海綿・紙製下げ札・紙製シール・紙製しおり・紙製値札・紙製はり札・紙製文房具・紙製ラベル・革ふみばこ・黒板・三角定規・定規・そろばん・短冊・地球儀・トレーシングクロス・水引を除く。)」の範疇に属するものである。
(4)請求人は、前記した被請求人の答弁に対して何ら弁駁するところがない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判の請求に係る「文房具類(海綿・紙製下げ札・紙製シール・紙製しおり・紙製値札・紙製はり札・紙製文房具・紙製ラベル・革ふみばこ・黒板・三角定規・定規・そろばん・短冊・地球儀・トレーシングクロス・水引を除く。)」の範疇に属する「画筆」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-04-21 
結審通知日 2010-04-26 
審決日 2010-05-07 
出願番号 商願昭29-29763 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (16)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
内山 進
登録日 1955-12-26 
登録番号 商標登録第474998号(T474998) 
商標の称呼 シラユリ 
代理人 三原 靖雄 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ