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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X14
審判 全部申立て  登録を維持 X14
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管理番号 1220037 
異議申立番号 異議2009-685014 
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-09-01 
確定日 2010-06-16 
異議申立件数
事件の表示 国際登録第965238号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 国際登録第965238号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件国際登録第965238号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり「MADO」とおぼしき欧文字を横書きしてなり、2008年(平成20年)4月18日に国際商標登録出願、第14類「Anchors(clock and watch making);barrels(clock and watch making);straps for wristwatches;watch bands;alarm clocks;watch cases;pendulums(clock and watch making);clockworks;movements for clocks and watches;chronometrical instruments;watch springs;stopwatches;watch crystals;watch glasses;clock hands(clock and watch making);cases for clock and watch making;clock cases;cases for watches(presentation);chronographs(watches);chronometers;watch chains;dials(clock and watch making);clocks;watches;atomic clocks;sundials;clocks and watches,electric;control clocks(master clocks);wristwatches.」を指定商品として、同21年6月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人01「ラドー ウーレン アクチエンゲゼルシャフト(ラドー ウォッチ カンパニー リミテッド)(モントル ラドー ソシエテ アノニム)」(以下「申立人A」という。)が引用する登録商標((1)ないし(3))、及び登録異議申立人02「ミド アクチェンゲゼルシャフト(ミド ソシエテ アノニム)(ミド リミテッド)」(以下「申立人B」という。)が引用する登録商標(4)は以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第580007号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの上段に図形、下段に「RADO」の欧文字を配してなり、昭和34年8月14日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同36年9月9日に設定登録されたものであるが、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成14年4月10日に指定商品を、第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする書換登録がなされているものである。
(2)登録第2110443号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの図形と、その右側に「RADO」の欧文字を配してなり、昭和57年1月8日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年2月21日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同21年4月30日に指定商品を、第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」及び第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする書換登録がなされているものである。
(3)登録第2661742号商標(以下「引用商標3」という。)は、「RADO」の欧文字を横書きしてなり、平成4年1月31日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年5月31日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同17年2月2日に指定商品を、第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」及び第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする書換登録がなされているものである。(以下、(1)から(3)の「文字部分」を一括していうときは「引用A商標」という。)
(4)登録第2293103号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲4のとおり、「Mido」の欧文字を筆記体で書してなり、昭和63年6月1日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年12月26日に設定登録、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同12年10月11日に指定商品を、第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする書換登録がなされているものである。
3 登録異議の申立ての理由
(1)申立人Aは、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するから、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されてしかるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、僅かにデザイン化された欧文字で「MADO」と書されており、「マドー」の自然な称呼が生じる。他方、引用A商標からは、「ラドー」の自然な称呼が生じる。「マドー」と「ラドー」は「マ」と「ラ」の音のみが異なるだけの、称呼上、極めて近似する商標である。
本件商標と引用A商標の外観を比較検討するに、本件商標「MADO」も、引用A商標「RADO」も、欧文字の4文字からなる商標であって、そのうちの3文字が共通であり、商品「時計」や「時計の部品及び附属品」の場合、商標は商品上に小さく表示されるのが通常であることを考え併せると、本件商標と引用A商標とは、外観上、極めて近似する商標である。
よって、本件商標と引用A商標とは同一又は類似する商標であり、その指定商品も全て抵触関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
申立人Aは、1957年以降、引用A商標を付した「腕時計」を、我が国のみならず世界各国において広く販売し、かつ、引用A商標を商品「時計」について登録しており、申立人Aの引用A商標は世界各国で広く知られ、周知、著名となっている。
かかる事実に照らして鑑みれば、本件商標がその指定商品に付され販売されるとなれば、商品の出所について混乱を生じ、他人である申立人Aの業務に係る商品であるかの如く受け取られ、商品の混同を生じるおそれが多大に存在するのは自明の理であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第19号について
引用A商標を付した商品「腕時計」が、我が国のみならず世界各国において広く知られており、周知、著名になっている事実、及び時計業界において、1918年以降「MIDO」というブランドにて商品「腕時計」を製造・販売している老舗の会社が存在している事実に照らして鑑みれば、「RADO」と「MIDO」とを合成した本件商標「MADO」は、申立人Aや老舗腕時計会社の「MIDO」という先発商品の著名性に便乗し、これら先発商品の名声や信用力に「ただ乗り」して商品を販売し、不正な利益をあげるという便乗商法に使用するのを企図していることが明らかであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(2)申立人Bは、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するから、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されてしかるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、僅かにデザイン化された欧文字で「MADO」と書されており、「マドー」の称呼が生じる。他方、引用B商標からは「ミドー」の自然な称呼が生じる。「マドー」と「ミドー」は「マ」と「ミ」の音のみが異なるだけの、称呼上、極めて近似する商標である。
本件商標と引用B商標の外観を比較検討するに、本件商標「MADO」も、引用B商標「Mido」も、欧文字の4文字からなる商標であって、4文字中「M」を共通にし、また、大文字と小文字の差異はあるにせよ、「D/d」「O/o」の2文字も共通であるから、商品「時計」や「時計の部品及び附属品」の場合、商標は商品上に小さく表示されるのが通常であることを考え併せると、本件商標と引用B商標とは、外観上、極めて近似する商標である。
よって、本件商標と引用B商標とは同一又は類似する商標であり、その指定商品も総て抵触関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号について
申立人Bは、1918年以降、引用B商標を付した「腕時計」を、我が国のみならず世界各国において広く販売し、引用B商標を商品「時計」について登録しており、引用B商標は世界各国で広く知られ、周知、著名となっている。
かかる事実に照らして鑑みれば、本件商標がその指定商品に付され販売されるとなれば、商品の出所について混乱を生じ、他人である申立人Bの業務に係る商品であるかの如く受け取られ、商品の混同を生じるおそれが多大に存在するのは自明の理であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
ウ 商標法第4条第1項第19号について
引用B商標を付した商品「腕時計」が、我が国のみならず世界各国において広く知られており、周知、著名になっている事実、及び時計業界において、1957年以降「RADO」というブランドにて商品「腕時計」を製造・販売している老舗の会社が存在している事実に照らして鑑みれば、「Mido」と「RADO」とを合成した本件商標「MADO」は、申立人Bや老舗腕時計会社の「RADO」という先発商品の著名性に便乗し、これら先発商品の名声や信用力に「ただ乗り」して商品を販売し、不正な利益をあげるという便乗商法に使用するのを企図していることが明らかであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)申立人Aの申立てについて
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおり、「MADO」とおぼしき文字(最後の文字は、「MAD」に続くことから「O」を表したものと認識されるものの、縦長四角形の図形的な態様からなるものである。)を横一連に表してなるところ、その構成文字に相応して「マド」あるいは「マドー」の称呼が生じ、特に観念の生じない造語というべきである。
他方、引用商標1は、別掲2に示すとおり、「RADO」の欧文字の上部に図形を配した構成よりなり、また、引用商標2は、別掲3に示すとおり、「RADO」の欧文字の左側に図形を配した構成よりなるところ、かかる構成にあっては、図形部分と文字部分とが視覚的に分離して看取されるばかりでなく、これらを常に一体不可分のものとして把握すべき特段の事情も認められないものであり、さらに、時計の分野において「RADO」の文字は、申立人Aを表すものとして広く知られているものと認められることからすれば、文字部分も独立して商品の出所識別機能を有するものである。
そうとすれば、該文字部分に相応して「ラドー」の称呼を生じ、申立人Aの時計に係る商標との観念を生じるものと認められる。
また、引用商標3も前記同様、「ラドー」の称呼及び申立人Aの時計に係る商標との観念を生じるものと認められる。
そこで、本件商標と引用A商標とを比較するに、両商標は、外観上相紛れるおそれがない程度に相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「マド」あるいは「マドー」であるのに対し、引用A商標は「ラドー」であり、両者は称呼の識別上重要な地位を占める語頭において「マ」と「ラ」の音の差異を有し、かつ、2音あるいは3音という短い音構成よりなるものであるから、該差異音が母音を共通にするものであるとしても、両者をそれぞれ一連に称呼した場合、音調、音感が相違し聞き誤るおそれはないというべきである。
また、観念においては、本件商標は造語と認められるものであるから、両者は比較し得ないものである。
したがって、本件商標と引用A商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
イ 商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人Aの提出した「世界の腕時計No.33 特別綴じ込み付録 ブランド大事典永久保存版/平成10年2月20日 株式会社ワールドフォトプレス発行」(甲第9号証)及び「世界の腕時計NO.16/平成5年11月20日 株式会社ワールドフォトプレス発行」(甲第10号証)には、腕時計の一つとして「RADO/ラドー」が紹介され、また、引用A商標が、日本を含む多数の国で登録(甲第12号証)されていることが認められところ、日本においても引用A商標は、時計の分野においては、申立人Aを表すものとして広く知られているものである。
しかしながら、引用A商標が「時計」について使用する申立人Aの著名な商標と認めることができるとしても、本件商標と引用A商標とは、前記アのとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であって、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見いだし得ないから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が直ちに引用A商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人A又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
さらに、本件商標は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的、その他の不正の目的)をもって使用されたものとは認められず、また、その証左も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しない。
なお、申立人Aは、本件商標は、スイス国及びドイツ国の指定について異議が成立している旨述べているが、審理にあたっては、諸外国の異議の判断例等に何ら拘束されることなく、客観的証拠に基づき、個別具体的に判断するものであるから、これをもって上記認定が左右されるものではない。
(ちなみに、WIPOの商標登録データベースによれば、多数の指定国で本件商標についての保護が認められていることが確認できるものである。)
(2)申立人Bの申立てについて
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、前記(1)のアで認定したとおり「マド」あるいは「マドー」の称呼を生じ、特に観念の生じない造語と認められる。
他方、引用B商標は、別掲4のとおり「Mido」の欧文字を筆記体で書してなるところ、該文字部分に相応して「ミドー」の称呼を生じ、特に観念の生じない造語と認められる。
そこで、本件商標と引用B商標とを比較するに、両商標は、外観上相紛れるおそれがない程度に相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「マド」あるいは「マドー」であるのに対し、引用B商標は「ミドー」であり、両者は称呼の識別上重要な地位を占める語頭において「マ」と「ミ」の音の差異を有し、かつ、2音あるいは3音という短い音構成よりなるものであるから、該差異音が母音を共通にするものであるとしても、両者をそれぞれ一連に称呼した場合、音調、音感が相違し聞き誤るおそれはないというべきである。
また、両者はともに造語と認められるものであるから、観念においては比較し得ないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、何ら、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
イ 商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人Bの提出した「世界の腕時計No.33 特別綴じ込み付録 ブランド大事典永久保存版/平成10年2月20日 株式会社ワールドフォトプレス発行」(甲第5号証)には、腕時計の一つとして「MIDO/ミドー(Mido)」が紹介され、また、引用B商標が、日本を含む多数の国で登録(甲第9号証)されていることが認められるものの、これらの提出証拠のみをもって、引用B商標が周知・著名なものと認めるには不十分である上、本件商標と引用B商標とは、前記アのとおり、相紛れるおそれのない別異の商標であって、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見いだし得ないから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が直ちに引用B商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人B又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
さらに、本件商標は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的、その他の不正の目的)をもって使用されたものとは認められず、また、その証左も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しない。
なお、申立人Bは、本件商標は、スイス国及びドイツ国の指定について異議が成立している旨述べているが、審理にあたっては、諸外国の異議の判断例等に何ら拘束されることなく、客観的証拠に基づき、個別具体的に判断するものであるから、これをもって上記認定が左右されるものではない。
(3)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別記】




異議決定日 2010-05-31 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (X14)
T 1 651・ 262- Y (X14)
T 1 651・ 261- Y (X14)
T 1 651・ 271- Y (X14)
T 1 651・ 263- Y (X14)
最終処分 維持  
前審関与審査官 大森 友子 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 田中 亨子
野口 美代子
登録日 2008-04-18 
権利者 Suvorin Aleksandr Vladimirovich
商標の称呼 マド 
代理人 吉村 仁 
代理人 吉村 悟 
代理人 吉村 悟 
代理人 吉村 仁 

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