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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X39
審判 全部申立て  登録を維持 X39
審判 全部申立て  登録を維持 X39
管理番号 1220021 
異議申立番号 異議2009-900446 
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-12-07 
確定日 2010-06-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5261689号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5261689号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5261689号商標(以下「本件商標」という。)は、「STAR JET」の文字を標準文字で表してなり、平成21年1月28日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年7月21日に登録査定、同年8月28日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要点)
1 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人カンタス・エアウェイズ・リミテッド(以下「申立人」という。)の引用する登録第4823285号商標(以下「引用商標」という。)は、「JETSTAR」の文字を標準文字で表してなり、平成16年5月20日に登録出願、第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年12月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、いずれも「星、星印」又は「花形、人気者」の意の「STAR」及び「噴流」又は「ジェット機」の意の「JET」の語から構成されるものであり、語順の前後によって片方がもう一方を修飾するものでもないから、両商標は同一の観念を生ずる。
また、両商標は、構成する語の語順が前後入れ替わっているにすぎないから隔離的に観察するときには、両商標の外観は、紛らわしいものである。
さらに、本件商標は、「スタージェット」の称呼を生じ、引用商標は「ジェットスター」の称呼を生じるが、両商標の語順を正確に記憶しておらず、両者を同一の称呼と認識する人も多いと思われる。
したがって、称呼が非類似であるとしても、全体的に観察し対比してみると、本件商標と引用商標とは、観念が共通し、外観が紛らわしい類似の商標であり、また、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は同一又は類似である。
3 商標法第4条第1項第10号について
申立人は、1920年にオーストラリアで設立され、現在、世界では一流の国際線航空会社、オーストラリア国内では最も成功したブランドのひとつとされている。
そして、ジェットスター航空(Jetstar Airways Pty Limited)は、完全出資会社である申立人によってオーストラリアで設立され、2004年5月から格安航空事業に参入し、現在、オーストラリアを代表する格安航空会社として、オーストラリア国内19都市、海外11都市へ短・長距離路線を運航し、オーストラリア国内のマーケットシェアは第3位、世界キャパシティシェアでは第5位と圧倒的なシェアを誇っており、申立人のグループ会社の有力な一員として知られている。
したがって、引用商標は、本件商標の登録出願前に日本国内及び外国において申立人及び申立人のカンタスグループに属する航空会社の業務を示すものとして需要者間で広く認識された商標になっている。
また、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は同一又は類似である。
4 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは類似しており、引用商標は申立人のカンタスグループに属するジェットスター航空が使用する商標として周知となっていること、本件商標権者と申立人およびジェットスター航空とはいずれも航空機による輸送を主な事業としており、本件商標と引用商標の指定役務とは同一であり、役務の取引者及び需要者が共通しているから、出所の混同を生じるおそれがある。
5 まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「STAR JET」の欧文字を標準文字で表してなるところ、中間部に一字程度の間隔を有するとしても、他は全て同じ書体、同じ大きさにて一体的に書されているものであって、全体としてまとまりのよいものである。
また、本件商標より生じると認められる「スタージェット」の称呼も冗長なものでなく、一気一連に無理なく称呼し得るものである。
そうすると、かかる構成よりなる本件商標にあっては、たとえ申立人の主張のとおり、「STAR」の文字が「星、星印、人気者、スター」、「JET」の文字が「噴流、ジェット機」の各意味を有する英語として知られているとしても、構成文字全体に相応して、「スタージェット」のみの称呼を生ずる一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「スタージェット」の称呼のみを生ずる特定の観念を有しない造語というのが相当である。
(2)引用商標について
他方、引用商標は、前記第2の1のとおり、「JETSTAR」の欧文字を標準文字で同じ書体、同じ大きさ、等間隔で一連一体に書されているものであって、全体として極めてまとまりのよいものである。
そうすると、引用商標にあっては、「JETSTAR」の構成文字全体に相応して、「ジェットスター」の称呼のみを生ずる一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
(3)そこで、本件商標より生ずる「スタージェット」の称呼と引用商標より生ずる「ジェットスター」の称呼とを比較するに、両者は共に5音という比較的短い音構成よりなり、しかも、各音構成が明らかに異なるものであるから、それぞれ一連に称呼しても、音感、音調を異にし互いに相紛れるおそれはないものというのが相当である。
そして、本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成よりなるものであるから、外観においては明確に区別し得るものであり、また、共に特定の意味を有しない造語であるから、観念について比較することはできないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点よりみても互いに類似しない商標といわざるを得ない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
(1)本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の別異の商標と認められるものである。
(2)引用商標の著名性、混同について
ア 甲第6号証ないし甲第92号証び申立人の主張を総合すると、ジェットスター航空(Jetstar Airways Pty Limited)は、申立人の出資によって設立され、本件商標の登録出願日前の2004年5月から航空事業に参入し、そして、2007年3月には、日本とオーストラリア間の直行便が就航し、その模様はテレビ各局のニュース番組に取り上げられ、新聞各紙に掲載された。
イ しかして、申立人らがその役務に使用しているのは、主として「ジェットスター航空」又は「ジェットスター」であり、欧文字のみからなる引用商標「JETSTAR」をもって、我が国において、直ちに周知、著名になっていたものとまではいい難いものである。
ウ また、航空機を利用する需要者、取引者は、通常行き先等を慎重に確認し、その上で航空会社も慎重に選択して利用しているのが一般的と考えられるから、「STAR JET」の「STAR」と「JET」とを置き換え、その上さらに一連の「JETSTAR」を連想、想起するとまではいえないというのが相当である。
エ そうとすれば、本件商標は、これをその指定役務に使用しても、これらの役務の取引者、需要者をして、申立人の引用商標を連想、想起させるものとはいえないから、該役務が申立人又は申立人と経済的、組織的の関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるとはいえないものである。
3 まとめ
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2010-06-08 
出願番号 商願2009-5158(T2009-5158) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X39)
T 1 651・ 25- Y (X39)
T 1 651・ 26- Y (X39)
最終処分 維持  
前審関与審査官 宮川 元大島 康浩 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 小林 由美子
小川 きみえ
登録日 2009-08-28 
登録番号 商標登録第5261689号(T5261689) 
権利者 株式会社日本航空インターナショナル
商標の称呼 スタージェット、スター 
代理人 佐藤 恒雄 
代理人 川崎 仁 
代理人 中里 浩一 
代理人 三嶋 景治 

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