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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 X03 審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 X03 |
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管理番号 | 1219989 |
審判番号 | 不服2009-15603 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-25 |
確定日 | 2010-07-27 |
事件の表示 | 商願2007-92435拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「CUPID BABY」の欧文字と「キューピッドベビー」の片仮名を上下二段に書してなり、第3類に属する願書記載のとおり商品を指定商品として、平成19年8月28日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、原審における同20年2月18日付け手続補正書により、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」と補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号について 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。 ア 引用商標1 登録第4264025号商標は、別掲1のとおりの構成からなり、平成9年10月30日に登録出願され、第3類「せっけん類,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同11年4月16日に設定登録された後、その商標権は、同22年1月13日存続期間満了により消滅している。 イ 引用商標2 登録第4532981号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、平成13年2月7日に登録出願され、第3類「せっけん類,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同13年12月28日に設定登録され、現に有効に存続するものである。 ウ 引用商標3 登録第5334508号商標(商願2007-68961)は、「CUPID」の欧文字を横書きしてなり、平成19年6月28日に登録出願され、第35類に属する別掲3のとおりの役務を指定役務として、同22年7月2日に設定登録され、現に有効に存続するものである。 (2)商標法第4条第1項第16号について 本願商標は、「ベビー用の、乳児用の」の意で、商品の品質、用途を表示するものとして使用されている「BABY」「ベビー」の文字を有してなるものであるから、これを本願指定商品中「乳児用石けん,ベビーオイル,ベビーパウダー」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標1との類否について 引用商標1の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成22年1月13日存続期間満了により消滅している。 したがって、本願商標が引用商標1と類似するとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。 (2)本願商標と引用商標2及び3との類否について 本願商標は、前記1のとおり、「CUPID BABY」の欧文字と「キューピッドベビー」の片仮名を上下二段に横書きしてなるところ、「CUPID BABY」及び「キューピッドベビー」の文字は、それぞれ同じ書体、同じ大きさで外観上全体としてまとまりよく構成されており、「CUPID(キューピッド)」と「BABY(ベビー)」のそれぞれの文字部分は、特に軽重の差を見いだすことができないばかりでなく、これより生ずると認められる「キューピッドベビー」の称呼も冗長とはいえず、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、前半部分の「CUPID」の文字は、「キューピッド、愛の使者」(「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」株式会社小学館 2002年1月10日発行)等の意味を有する語であり、また、後半部分の「BABY」の文字は、「(通例、2歳までの)赤ん坊、赤ちゃん、乳飲み子」(前掲「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」)等の意味を有する語として、一般によく知られた語であって、その指定商品との関係おいて、商品の用途・品質表示として使用される場合があるとしても、かかる構成からなる本願商標は、商品の品質を具体的に表示するものとして直ちに理解、認識し得るとはいえないものと判断するのが相当である。 そして、他に本願商標中の「CUPID(キューピッド)」の文字部分のみが、独立して自他商品の識別標識として機能し得るという特段の理由は見いだせない。 そうとすれば、本願商標より生ずる称呼は、「キューピッドベビー」のみであるというべきである。 一方、引用商標2は、別掲2のとおり、上段に「キューピッド」の片仮名と中段に、裸で背に小さい翼が生え、弓を手にする子供の図形と下段に「Cupid」の欧文字を書した構成からなるものであり、上段の「キューピッド」の片仮名は、下段の「Cupid」の欧文字の読みを特定したものと無理なく認識し得るものであるから、その構成文字に相応して、「キューピッド」の称呼及び「キューピッド、愛の使者」の観念を生じるものとみるのが相当である。 また、引用商標3は、「CUPID」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「キューピッド」の称呼及び「キューピッド、愛の使者」の観念を生じるものとみるのが相当である。 そこで、本願商標より生ずる「キューピッドベビー」の称呼と、引用商標2及び3より生ずる「キューピッド」の称呼とを比較するに、両者は、後半部における「ベビー」の音の有無に顕著な差異を有するものであるから称呼上明らかに聴別し得るものである。 さらに、本願商標は、「キューピッドの赤ん坊」のごとくの観念を生じ、引用商標2及び3は、「キューピッド、愛の使者」の観念を生じるから、両者は観念上、非類似のものであり、かつ、それぞれの構成からみて外観上も十分区別し得るものである。 そうとすれば、本願商標と引用商標2及び3とは、その称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第16号について 本願商標は、前記認定のとおりであるから、本願商標に接する取引者、需要者が、その指定商品との関係おいて「BABY(ベビー)」の文字部分より「ベビー用」の意味合いを認識する場合があるとしても、かかる構成においては商品の品質を具体的に表示するものとして直ちに理解、認識し得るとはいえないものと判断するのが相当である。 そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがないといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 引用商標1 ![]() 2 引用商標2 ![]() 3 引用商標3の指定役務 第35類「履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,うちわの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ボタン類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,耳かきの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,葬祭用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,花及び木の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,燃料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,写真機械器具及び写真材料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,洗濯用柔軟剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,洗濯用漂白剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,洗濯用のり剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,つや出し剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ろうそくの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,録画済みビデオディスクの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,使いすてかいろの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,事務用又は家庭用ののり及び接着剤の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙製タオルの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙製テーブルナプキンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物用被服類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,愛玩動物の糞尿処理砂の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,綱類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,結束用ゴムバンドの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,糸(「脱脂屑糸」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,敷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」 |
審決日 | 2010-07-12 |
出願番号 | 商願2007-92435(T2007-92435) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
WY
(X03)
T 1 8・ 262- WY (X03) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 深沢 美沙子、前山 るり子 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
榎本 政実 末武 久佳 |
商標の称呼 | キューピッドベビー、キューピッド |
代理人 | 柏原 三枝子 |