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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X1641 |
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管理番号 | 1219913 |
審判番号 | 不服2009-15480 |
総通号数 | 128 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-08-06 |
確定日 | 2010-06-30 |
事件の表示 | 商願2008- 14083拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「タフ」の片仮名文字及び「TOUGH」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第16類及び第41類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年2月13日に登録出願されたものである。 そして、指定商品及び指定役務については、原審における平成20年10月1日付け手続補正書により、第16類「印刷物,書画,写真」及び第41類「セミナーの企画・運営または開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、その商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。 (1)登録第2296024号(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、昭和63年3月14日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成3年1月31日に設定登録されたものである。その後、同12年10月17日に存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、同14年3月6日に、第9類「録画済みビデオディスク及びビデオテープ」及びに第16類「印刷物,書画,写真」とする指定商品の書換登録がなされているものである。 (2)登録第4666497号(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成13年8月27日に登録出願、第35類「トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」及びに第41類「動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,アニメーションに関する展示会・会議・講演会・討論会・セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として、平成15年4月25日に設定登録されたものである。 なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。 3 当審の判断 (1)本願商標と引用商標1との類否について 本願商標は、前記1のとおり、「タフ」の片仮名文字と「TOUGH」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中「タフ」の文字は、「【tough】頑強なこと。粘り強く手強いこと。」(広辞苑第六版:株式会社岩波書店)の意味を有するものであり、「TOUGH」の文字は、「丈夫で耐久性のある,強い,タフな」(ランダムハウス英和大辞典:株式会社小学館)等の意味を有するものであるから、その構成文字に相応して「タフ」の称呼及び「頑強なこと。粘り強く手強いこと。」の観念を生ずるものである。 他方、引用商標1は、別掲1のとおり、「T」と「U」が繋がった「TUF」の欧文字をやや斜体で書してなるところ、該文字は、外国語の成語ともいい得ないものであるから、特定の観念を有さない造語と認められるものである。 そして、我が国においては、外国語のうちでは英語の普及率が圧倒的に高いものであるところ、欧文字で書された商標に接した者は、その発音を知らない場合であっても、一般には自己の有する英語の知識に従って、これを英語風に読もうとすると解されるものであるから、英語の「tuff」を「タフ」、「tub」を「タブ」、「tuck」を「タック」、「tug」を「タグ」のように発音する例に倣って、その構成文字より「ティーユーエフ」の称呼を生ずるとともに、「タフ」の称呼をも生ずるとみるのが相当である。 したがって、引用商標1は、その構成文字に相応した「タフ」及び「ティーユーエフ」の称呼を生ずるものであり、かつ、特定の観念を生じないものである。 してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観において相違するものであって、観念において、引用商標1から観念が生じず、両者を比較することができないものであるとしても、両者は「タフ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標といい得るものである。 また、本願商標の指定商品は、引用商標1の指定商品と同一または類似する商品を含むものと認められる。 (2)本願商標と引用商標2との類否について 本願商標は、上記(1)の認定のとおり、「タフ」の称呼及び「頑強なこと。粘り強く手強いこと。」の観念を生ずるものである。 他方、引用商標2は、別掲2のとおり、「TAF」の欧文字に縁取りを施すなどやや図案化して上段に大書し、その下段に「新世紀東京国際アニメフェア21」の文字を縁取りしてやや小さめに横書きしてなるものであって、その構成全体として、常に一体不可分のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は認められないものであるから、これに接する取引者、需要者は、特徴的に大きく書された「TAF」の文字部分に注目して、取引に資する場合も決して少なくないというべきである。 そして、該「TAF」の文字は、上記(1)と同様に、例えば、英語の「taff」を「タフ」、「tab」を「タブ」、「tag」を「タグ」、「tan」を「タン」のように発音する例に倣って、その構成文字より「ティーエーエフ」の称呼を生ずるとともに、「タフ」の称呼をも生ずるとみるのが相当である。 したがって、引用商標2は、「TAF」の構成文字に相応した「ティーエーエフ」の称呼のみならず、「タフ」の称呼をも生ずるものであり、かつ、該部分からは特定の観念を生じないものである。 してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観において相違するものであって、観念において、引用商標2の「TAF」の文字から観念が生じず、両者を比較することができないものであるとしても、両者は「タフ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標といい得るものである。 また、本願商標の指定役務は、引用商標2の指定役務と同一または類似する役務を含むものと認められる。 (3)請求人の主張について 請求人は、判決例を挙げ、商標の類否判断は商標の有する外観、称呼、観念のそれぞれの要素を考慮した上で総合的に判断されるべきであり、称呼のみを抽出し、引用商標と比較するよりは、両者を全体観察した上で外観及び観念からすれば、互いに非類似とすべき商標である旨主張している。 しかしながら、商標法第4条第1項第11号の適用に関して、「商標が類似するかどうかは、最終的には、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、具体的にその類否判断をするに当たっては、両商標の外観、観念、称呼を観察し、それらが取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、決して上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないが、少なくともその一つが類似している場合には、当該具体的な取引の実情の下では商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められる場合を除いて、出所の混同を生ずるおそれがあると認めるのが相当である(平成11年(行ケ)第422号判決 平成12年6月13日言渡)。」との判示がなされている。 そして、本願商標を構成する、「タフ」及び「TOUGH」の文字よりは、その構成文字に相応して「タフ」の称呼を生じるものであり、引用商標と共通の称呼のもと、当該具体的な取引の実情の下では、称呼による取引において、商品の出所の混同を生ずるおそれはないと考えさせる特別の事情が認められない。 よって、本願商標と引用商標とは、「タフ」の称呼を同一にする称呼上類似の商標であることは、上記の判断のとおりであって、請求人の主張は採用することができない。 (4)むすび したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(引用商標1) 別掲2(引用商標2) |
審理終結日 | 2010-04-19 |
結審通知日 | 2010-04-23 |
審決日 | 2010-05-07 |
出願番号 | 商願2008-14083(T2008-14083) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(X1641)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 山田 正樹 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
井出 英一郎 高橋 謙司 |
商標の称呼 | タフ |
代理人 | 河野 敬 |