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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない X11
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない X11
管理番号 1219859 
審判番号 不服2009-8934 
総通号数 128 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-08-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-04-24 
確定日 2010-06-21 
事件の表示 商願2008-10548拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「プレミアムステンレス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第11類「便所ユニット,浴室ユニット,水道用栓,レンジフード,家庭用電熱用品類,家庭用石油給湯機,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,洗面器及び手洗器(衛生設備用品の部品),浴槽類,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,洗浄機能付き便器,便器,和式便器用いす」を指定商品として、平成20年2月15日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『上等な,上質な』の意を有する英語『premium』に通じる『プレミアム』の文字に、指定商品との関係で『ステンレス製品』を直感させる『ステンレス』の文字を一連に『プレミアムステンレス』と書してなるものであるから、これをその指定商品中『ステンレス製の商品』に使用しても、商品の品質を誇称するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における証拠調べ通知(要旨)
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して平成22年1月12日付けで、証拠調べの結果を通知し、相当の期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

本願商標は、「プレミアムステンレス」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字に関して証拠調べを行った結果、以下の事実が認められる。
1 「プレミアム」及び「ステンレス」の文字について
辞典における記載について
(1)「プレミアム」について
ア 「プレミアム〔premium〕」の項に、「3 (形容詞的に用いて)高級な。スーパープレミアムアイスクリーム(超高級アイスクリーム)などと使う。」との記載がある(現代用語の基礎知識 2009 自由国民社 2009年1月1日発行)。
イ 「プレミアム premium」の項に、「規定の金額に上積みされる割増金。おまけ。プレミアとも。「プレミアムビール」=原材料などを厳選して造ったビールのこと。」との記載がある(新聞カタナカ語辞典 人名、商品名収録 中央公論新社 2002年5月25日発行)。
ウ 「premium」の項に、形容詞として「1(同種の他のものより)上等な、上質な 2(他より)高価な」との記載がある(小学館ランダムハウス英和大辞典 第2版 株式会社小学館 2002年1月10日発行)。
(2)「ステンレス」の文字について
ア 「ステンレス【stainless】」の項に、「不銹鋼.さびないの意.鋼鉄にクロムなどを加えて作る.」との記載がある(イミダス編集部編imidas現代人のカタカナ語欧文略語辞典 株式会社集英社 2006年4月30日発行)。
イ 「ステンレス →ステンレス・スチール[stainless steel]不銹鋼.耐食性にすぐれた合金鋼.クローム鋼.クローム-ニッケル鋼など」との記載がある(コンサイスカタカナ語辞典 第3版 株式会社三省堂 2005年10月20日発行)。
ウ 「ステンレス【stainless】」の項に、(「さびない」の意)ステンレス鋼の略)との記載がある(広辞苑 第6版 株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)。
2 「プレミアムステンレス」の文字の使用例について
インターネットのホームページにおける記載について
(1)「住宅設備の超特価専門店 生活堂」のウェブサイトにおいて、「商品一覧」の見出しのもと、「富士工業株式会社 プレミアムステンレスタイプ マントルピース型のモダンなステンレスデザインフード」との記載がある。
(http://www.seikatsu-do.org/product-list/136)
(2)「CITY GAS」のウェブサイトにおいて、「■ 全国都市ガス・LPガス用ガス機器をディスカウント販売! シティ・ガスショッピング ■」の見出しのもと、「75cm プレミアム・ステンレストップコンロ」との記載がある。
(http://www.citygas.co.jp/samples/builtin.html)
(3)「キッチンキッチン.com」のウェブサイトにおいて、「渡辺製作所 レンジフード プレミアム ステンレスHL 商品番号:WXS-60/75/90D」との記載がある。
(http://kitchen-kitchen.com/scb/shop/shop.cgi?No=829)
(4)「SHOP・COM」ウェブサイトにおいて、「商品説明」の項において、「キッチンエイド (KitchenAid) Hand Blender, Onyx Black キッチンエイドの投入手混合機で、スープを混合することができます。また、飲料は、卵白あるいは切断薬草をけば立てるために次にそれを使用します。強力なモータ、およびプレミアム・ステンレス鋼葉を特色とする永続性の付属を装備して、…」との記載がある。
(http://www.shop-com.jp/11618469-P.XHTML)

第4 証拠調べ通知に対する意見(要旨)
請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、平成22年3月3日付けの意見書において、以下のように意見を述べた。
1 「プレミアム〔premium〕」の語は、「高級な」、「上等な」、「上質な」以外に「賞、賞品、賞金、褒美、割増金、賞与(金)、奨励金、保険料、・・・」等々多義的な意味を有する英単語であり、商標として識別力を発揮する場合がある。さらに、本願商標の場合は、その種々の意味合いを有する「プレミアム」と、合金の一種である「ステンレス」を組み合わせて、商標としての機能を発揮するものである。
2 証拠調べ通知書の「プレミアムステンレス」の文字の使用例について、(1)のウェブサイトにおいて、「プレミアムステンレスタイプ」との記載はなく、「プレミアムタイプ」としか記載されていない。したがって、「プレミアムステンレス」の文字の使用例の証拠とはなり得ない。
(2)のウェブサイトにおいて、「プレミアム」と「ステンレストップコンロ」との間に「・(中点)」があり、「プレミアムステンレス」と一連に記載されたものではない。したがって、このウェブサイトでは「プレミアム」と「ステンレス」とは分離して使用されているものと解される。
(3)のウェブサイトにおいて、このホームページを見たが「プレミアムステンレス」の記載はない。したがって、「プレミアムステンレス」の文字の使用例の証拠とはなり得ない。
(4)のウェブサイトにおいて、「プレミアム・ステンレス鋼葉」の意味が不明であり、このウェブサイトは証拠として不適切である。
3 以上のとおり、本願商標の「プレミアムステンレス」は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
商標法第3条第1項第3号の判断に際しては、商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(最高裁昭和53年(行ツ)第129号 昭和54年4月10日第三小法廷判決言渡 裁判集民事126号507頁、判例時報927号233頁参照)。
そこで、これを踏まえて、本願についてみると、本願商標は、前記第1のとおり、「プレミアムステンレス」の片仮名文字を横書きで普通に用いられる方法で書してしてなるところ、その構成中の前半の「プレミアム」の文字は、前記第3の1(1)のとおり、「高級な、上等な、上質な」等の意味を有する語であり、また、その構成中の後半の「ステンレス」の文字は、前記第3の1(2)のとおり、「不銹鋼、耐食性にすぐれた合金鋼、ステンレス鋼の略」等の意味を有する語として、いずれも一般に親しまれているものであるから、該「プレミアム」と「ステンレス」の2語の組合せからなるものと容易に理解、把握されるものである。
そして、前記第3の証拠調べによれば、本願の指定商品中、「レンジフード,加熱器,家庭用電熱用品類」の範ちゅうに属する「レンジフード,ガスコンロ,ハンドブレンダー(電気ミキサー)」についてのウェブサイト情報において、「プレミアムステンレスタイプ マントルピース型のモダンなステンレスデザインフード」、「75cm プレミアム・ステンレストップコンロ」、「渡辺製作所 レンジフード プレミアム ステンレスHL」、「…プレミアム・ステンレス鋼葉を特色とする永続性の付属を装備して、…」などのように表示されている事実が認められる。
してみると、本願商標は、これをその指定商品中、「ステンレスを用いた商品」に使用する場合には、その構成文字全体から「高級な(上等な)ステンレスを用いた商品」の意味合いを容易に理解するというのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、これに接する取引者、需要者をして、単に商品の品質、原材料を表示するものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないというべきであり、かつ、前記した「ステンレスを用いた商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、「プレミアム〔premium〕」の語は、「高級な」、「上等な」、「上質な」以外に「賞、賞品、賞金、褒美、割増金、賞与(金)、奨励金、保険料、・・・」等々多義的な意味を有する英単語であり、本願商標の場合は、その種々の意味合いを有する「プレミアム」と、合金の一種である「ステンレス」を組み合わせて、商標としての機能を発揮するものである旨主張する。
しかし、本願商標は、「プレミアム」と「ステンレス」の2語からなるものと理解されるところ、前記第3の1のとおり、形容詞的に用いられる「プレミアム」の語が材料名である「ステンレス」の語の前に置かれれば、取引者、需要者は、材料についての品質を表すものと容易に理解、認識するものというべきであり、たとえ、「プレミアム」の語が「賞品、保険料」等の意味を有するものであるとしても、前記判断が直ちに否定されるものではないから、自他商品の識別標識としては認識されないものといわざるを得ない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2010-04-19 
結審通知日 2010-04-23 
審決日 2010-05-07 
出願番号 商願2008-10548(T2008-10548) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (X11)
T 1 8・ 272- Z (X11)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 石田 清
特許庁審判官 末武 久佳
榎本 政実
商標の称呼 プレミアムステンレス、プレミアム 
代理人 森本 義弘 
代理人 原田 洋平 

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