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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X14 審判 全部申立て 登録を維持 X14 |
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管理番号 | 1218506 |
異議申立番号 | 異議2008-685018 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2008-09-02 |
確定日 | 2010-04-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 国際登録第253188号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 国際登録第253188号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件国際登録第253188号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、2006年(平成18年)11月27日を事後指定の日とし、第14類「Jewelry and all gold and silver objects and,especially,medals.」を指定商品として、平成20年4月2日に登録査定、同年6月13日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由(要点) (1)引用商標 ア 登録第4785046号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成15年9月19日に登録出願され、第18類、第21類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年7月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 イ 登録第4824507号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成16年6月22日に登録出願され、第14類及び第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年12月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、欧文字である「PiU」と「Di iERi」と「MENO」と「Di DOMANi」とを4段に書したイタリア語からなる標章であり、この標章中に引用商標1及び2が含まれることは明らかである。日本におけるイタリア語の普及の程度からすると、最上段にある「PiU」が他の部分と独立して認識されるのであり、4段構成の各部が一体として認識されることはない。そして、標章中の最上段に位置し、最も看者の注意を引く語であって、要部というべき「PiU」が引用商標1及び2と外観において類似し、称呼、観念のいずれもが同一であるから、本件商標と引用商標1及び2は同一又は類似の商標である。また、本件商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品は、同一又は類似の関係にある。 (3)商標法第4条第1項第15号について 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、10代の女子を対象にした商品ラインに引用商標1及び2である「piu」を使用し、その商品には、化粧品を始めとしてかばん等多くの種類がある(甲第8号証?甲第11号証)。そして、「piu」の商標が付された商品は、申立人の販売活動及び宣伝広告により、10代の女子の間で相当の知名度を得ており、「piu」の商標は、既に周知商標となっている。 そうすると、本件商標と「piu」の商標が類似の商標であるため、本件商標がその指定商品に使用された場合には、需要者が申立人の業務に係る商品であると誤認するおそれが大きく、出所においても混同するおそれがある。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、別掲(1)のとおりの構成であるところ、「PiU」(「U」にはアクセント記号がある。)、「Di iERi」、「MENO」及び「Di DOMANi」の各文字を4段に書してなるものであるが、いずれも同じ書体、同じ大きさであり、かつ、全体がまとまりよく一体的に書してなるものである。そして、各段の文字は、いずれも格別の意味合いを有する語として親しまれているものではなく、構成全体より生ずる「ピウディイエーリメノディドマーニ」の称呼もやや冗長ではあるが、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そうとすると、本件商標は、構成全体をもって不可分一体の商標として認識、把握されるものというべきであり、「ピウディイエーリメノディドマーニ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。 一方、引用商標1及び2は、別掲(2)のとおり、「ピゥ」の文字と「piu」(「u」にはアクセント記号がある。)の文字を二段に書してなるものであるから、「ピゥ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。 そこで、本件商標と引用商標1及び2との類否について検討するに、両者は外観においては、それぞれの構成は前記のとおりであるから、その構成文字に顕著な差異を有し、また、称呼についてみるに、それぞれの商標から生じる「ピウディイエーリメノディドマーニ」の称呼と「ピゥ」の称呼とは、その構成音の差異により明確に聴別し得るものである。 さらに、両者は、いずれも特定の観念を有しないものであるから、観念において比較することはできない。 してみれば、本件商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 (2)商標法第4条第1項第15号について 申立人の提出に係る証拠について検討するに、甲第8号証のカタログ並びに甲第9号証及び甲第10号証の申立人宣伝誌「piu club」には、「piu」の商標(以下「piu商標」という。)を付した化粧品及びそれに関連するポーチ、ヘアブラシなどの商品が掲載されていることが認められる。しかしながら、上記カタログは、2007年9月発行であり、「piu club」は、「2007年初夏号」及び「2007年春号」である。加えて、これらのカタログ及び宣伝誌の配布部数は明らかでない。 甲第12号証の申立人作成の「ピゥセルフ取扱い店舗一覧」によれば、piu商標に係る商品の取扱い店舗は14店であり、うち、2006年3月27日からの取扱いが6店、同年11月16日からの取扱いが1店、2007年からの取扱いが4店、2008年からの取扱いが2店であり(釧路店の取扱い開始時期は不明)、甲第13号証の申立人のウエブサイトに掲載の「店舗一覧」には、26店舗が掲載されているが、これらの店舗がpiu商標に係る商品を扱っているとしても甲第12号証の一覧で取扱い時期が明らかなもの以外は、2008年以降からの取扱い店舗と推認できるものである。 甲第14号証の申立人ウェブサイトは、その内容から、2008年夏頃に掲載されたウェブサイトと認められるものである。 また、甲第15号証ないし甲第22号証の若い女性向けの雑誌5誌に計8回、piu商標に係る化粧品の広告が掲載されたことは認められるが、これらの雑誌の発行時期は、2007年6月ないし9月に発行されたものである。 以上によれば、申立人は、化粧品及びそれに関連するポーチ、ヘアブラシなどの商品にpiu商標を使用していることは認められるものの、その商品の販売を開始したのは、2006年3月ころからであり、本件商標の事後指定の日である2006年(平成18年)11月27日には、取扱い店舗は、わずか7店にすぎず、また、宣伝広告もいずれも2007年に発行された申立人のカタログ、宣伝誌及び雑誌であり、その雑誌もわずか5誌に8回掲載されているにすぎない。 そうとすれば、piu商標は、本件商標の事後指定の日及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認めることはできない。 してみれば、piu商標は、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者に広く認識されている商標であるとは認められず、また、本件商標とpiu商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であること上述(1)のとおりであるから、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、申立人の業務に係る商品を連想又は想起するものとは認められず、さらに、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれもないというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
【別記】 |
異議決定日 | 2010-04-05 |
審決分類 |
T
1
651・
262-
Y
(X14)
T 1 651・ 271- Y (X14) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中束 としえ |
特許庁審判長 |
野口 美代子 |
特許庁審判官 |
内山 進 瀧本 佐代子 |
登録日 | 1962-03-05 |
権利者 | A. AUGIS - FINANCES ET PARTICIPATIONS (Societe Anonyme) |
商標の称呼 | ピウディイエーリメノディドマーニ、ピウディイエーリ、メノディドマーニ |
代理人 | 畝本 継立 |
代理人 | 畝本 正一 |
代理人 | 畝本 卓弥 |