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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) X03
管理番号 1218505 
異議申立番号 異議2008-900508 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-12-26 
確定日 2010-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5168713号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5168713号商標の指定商品中、第3類「化粧品」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5168713号商標(以下「本件商標」という。)は、「ESTER」の欧文字及び「エスター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、平成19年10月31日に登録出願され、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を指定商品として、同20年9月9日に登録査定、同月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要旨
(1)引用商標について
引用商標は、欧文字で「Ester-C」と書し、「Ester」の文字部分の上に虹形の円弧を表してなるもので、第3類「肌回復用化粧品,スキンクリーム,その他の化粧品」を指定商品とするものであり、平成17年3月11日に登録出願され、平成19年7月20日に登録されたものである。
(2)商標の類似性
本件商標は、「ESTER」の欧文字と「エスター」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、「ESTER」の欧文字は、我が国社会一般の外国語事情からしても容易に「エスター」の称呼を生ずるものであるうえ、一般に欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当であるから、これより本件商標は、その構成文字に相応して「エスター」の称呼のみが生ずるものである。
他方、引用商標は、欧文字で「Ester-C」と書し、「Ester」の文字部分の上に虹形の円弧を表してなるところ、構成文字全体に相応して「エスターシー」の称呼が生ずるとともに、「Ester」と「C」の文字部分は視覚上分離して看取されるものであり、「C」と「-」(ハイフン)の文字部分は、商品の種別、規格又は型式を表すための記号・符号の表示として、理解されることも少なくないものであるから、構成中「Ester」の文字部分を自他商品の識別標識として機能を果たす部分と把握し、その構成文字に相応して、「エスター」の称呼をも生じるものである。
そうとすると、本件商標と引用商標は、「エスター」の称呼を同一にするうえ、商標の要部となる「ESTER」、「Ester」の文字部分が同じ綴りの欧文字より構成されているから、外観においても類似するものであるといえる。そして、我が国社会一般の外国語事情からすると、ともに需要者には特定の観念を有しない造語と認識し、把握されるものであるので、観念上比較することができないものである。
(4)むすび
上記の事実を総合して、本件商標と引用商標とを対比すると、両商標が指定商品について使用された場合には、観念においては、ともに造語であり比較することはできないが、両者が外観及び称呼を共通にするものであるから、商品の出所につき誤認混同を生じるおそれがあり、全体として類似する商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

3 当審において通知した取消理由の要旨
(1)引用商標
登録異議申立人が引用する登録第5064620号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、第3類「肌回復用化粧品,スキンクリーム,その他の化粧品」を指定商品とし、平成17年3月11日に登録出願された商願2005-21639を原出願とする商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、同18年3月6日登録出願、同19年7月20日に設定登録されたものである。
(2)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、その構成文字に相応して「エスター」の称呼を生ずること明らかである。
他方、引用商標は、その構成に照らし、「Ester」の文字部分と「-C」の部分とが視覚上分離して看取されるばかりでなく、一般に、商品の型式、品番等を表すための記号、符号として、ハイフンを介してローマ字の1字が他の語に付して類型的に使用されていることからすると、引用商標の構成中の「-C」の部分は商品の記号、符号を表したものとして認識し把握される場合があるというべきである。
そうすると、引用商標における自他商品の識別標識として要部となる部分は、「Ester」の文字部分にあるというべきであり、引用商標は、これより単に「エスター」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「エスター」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。
また、本件商標の欧文字部分についてみれば、引用商標の要部である欧文字部分と同一の綴りからなる同じ文字であり、外観においても相紛らわしいものである。
そして、本件商標の指定商品中の「化粧品」は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」については、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
前記3の取消理由に対し、商標権者は、指定した期間内に何ら意見を述べていない。

5 当審の判断
当審において、商標権者に対し、平成21年10月28日付けで商標登録の取消の理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、上記3の取消理由は、妥当なものと認められる。
してみれば、本件商標は、その指定商品中「化粧品」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、本件商標登録は、この指定商品については、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものであり、その余の指定商品については、取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別 掲(引用商標)



異議決定日 2010-03-19 
出願番号 商願2007-111113(T2007-111113) 
審決分類 T 1 651・ 262- ZC (X03)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 岩崎 良子
井出 英一郎
登録日 2008-09-26 
登録番号 商標登録第5168713号(T5168713) 
権利者 株式会社ワンウェーブジャパン
商標の称呼 エスター 
代理人 小山 方宜 
代理人 福島 三雄 
代理人 向江 正幸 
代理人 高崎 真行 
代理人 源新 明 

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