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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 審判 全部申立て 登録を維持 X12 |
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管理番号 | 1218468 |
異議申立番号 | 異議2009-900378 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-10-05 |
確定日 | 2010-04-23 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5244683号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5244683号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5244683号商標(以下「本件商標」という。)は、「BARTH」の文字を標準文字で書してなり、平成19年5月17日に登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年5月19日に登録査定、同21年7月3日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第11号について 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第917107号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2006年10月16日にイタリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2006年11月27日に国際登録され、第3類、第11類、第12類、第14類、第16類、第18類、第20類、第24類、第25類、第28類、第30類、第32類及び第33類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年11月21日に我が国において設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 本件商標と引用商標は、外観において類似し、また、本件商標より生ずる「バース」、「バート」、「バルス」、「バルト」の称呼は、引用商標より生ずる「アバース」、「アバート」、「アバルス」、「アバルト」の称呼と類似する。 (2)商標法第4条第1項第15号について 「ABARTH」(アバルト)の文字よりなる標章(以下「申立人標章」という。)は、1949年にイタリア国トリノに設立された競技用自動車メーカーの名称であり、その後、買収されたフィアットの業務に係る自動車の名称としても、自動車関連の業界において広く知られている。 本件商標は、申立人標章と「A」の文字の有無の差異を有するにすぎないものである。また、本件商標の指定商品「自動車用のホイール」は、タイヤを車軸に装着するための部品であるから、自動車メーカーの純正部品であるかのように誤認を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、前記1のとおり、「BARTH」の文字を標準文字で書してなるものであるところ、我が国においては、外国語の中でも英語が比較的親しまれている実情にあり、このような状況からすると、本件商標に接する需要者は、これを英語の発音に倣い、「バース」と称呼して商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。したがって、本件商標より生ずる自然の称呼は「バース」と認めることができる。 これに対して、引用商標は、別掲のとおり、構成全体が紋章を表した図形よりなるものであるところ、紋章図形全体から一定の称呼が生ずることは否定し得ないが、その構成中の上部に横書きされた「ABARTH」の文字部分に着目し、これより生ずる称呼をもって商品の取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。そして、「ABARTH」の文字は、後記(2)認定のとおり、「アバルト」と称呼され、申立人の業務に係る自動車の名称を表すものとして、本件商標の登録査定時には、我が国において、外国の車に関心のある一部の取引者、需要者の間にはある程度知られていたものといえるから、「ABARTH」の文字に接する自動車関連の分野の需要者は、「アバルト」と称呼して商品の取引に当たる場合が多いというべきである。したがって、引用商標中の「ABARTH」の文字部分より生ずる自然の称呼は「アバルト」であるといわなければならない。 そうすると、本件商標より生ずる「バース」の称呼と引用商標より生ずる「アバルト」の称呼は、構成する各音の音質・音感等の相違により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものである。 また、本件商標は、前記のとおり、「BARTH」の文字を標準文字で書してなるものであるのに対し、引用商標は、前記認定のとおり、構成全体が紋章を表した図形よりなるものであるから、両者の外観上の差異は明らかである。仮に引用商標中の「ABARTH」の文字部分のみに着目する場合があるとしても、本件商標と引用商標中の「ABARTH」の文字部分は、4文字あるいは5文字といった簡潔な構成よりなり、しかも、看者の注意を強く引く語頭において、「A」の文字の有無の差異を有するものであるから、この差異は、看者に与える印象において異なるものであって、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、通常の注意力をもってすれば、互いに見誤るおそれはないというべきである。 してみれば、本件商標と引用商標は、称呼及び外観において類似するものではない。他に、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見出せない。 以上によれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものと認める。 (2)商標法第4条第1項第15号について 甲第3号証によれば、申立人標章は、1949年にイタリア国トリノに設立された競技用自動車メーカーの名称を表示するものであったが、該メーカーは、1971年に、申立人に買収され、1997年まで申立人のレーシング部門として活動をしたこと、申立人標章を冠した自動車は、その後も申立人より製造、販売され、その生産活動は現在も継続しており、2009年(平成21年)2月より日本国内のオフィシャルディーラーネットワークが構築され日本国内で発売されたこと、などを認めることができる。 そうすると、申立人標章は、申立人の業務に係る自動車の名称として、本件商標の登録査定時である平成21年5月19日の時点においては、我が国の自動車関連の取引者、需要者のうち、外国の車に関心のある者など、ある程度限られた範囲内の者に知られていたと推認することができる。しかし、申立人標章が、申立人の業務に係る自動車の名称を表示するものとして、本件商標の登録出願の時点において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めるに足る証拠は見出せない。 そうすると、申立人が提出した証拠をもってしては、申立人標章が、申立人の業務を表示するものとして、本件商標の登録出願及びその査定の時点において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることは困難であるといわざるを得ない。 また、前記(1)認定のとおり、本件商標は、引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相違する非類似の商標であるから、申立人標章との間における類似性についても、これを認めることができる特段の理由は見出せない。 そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標と認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものと認める。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標(色彩の詳細は原本を参照。)![]() |
異議決定日 | 2010-03-29 |
出願番号 | 商願2007-49216(T2007-49216) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(X12)
T 1 651・ 262- Y (X12) T 1 651・ 261- Y (X12) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 田中 敬規 |
特許庁審判長 |
芦葉 松美 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 内山 進 |
登録日 | 2009-07-03 |
登録番号 | 商標登録第5244683号(T5244683) |
権利者 | DAテクニカルサービス株式会社 |
商標の称呼 | バース |
代理人 | 特許業務法人 清水・醍醐特許商標事務所 |