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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X2528
審判 全部申立て  登録を維持 X2528
審判 全部申立て  登録を維持 X2528
審判 全部申立て  登録を維持 X2528
管理番号 1218463 
異議申立番号 異議2009-900351 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-07-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-09-11 
確定日 2010-06-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5237311号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5237311号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5237311号商標(以下「本件商標」という。)は、「UNITED CORRS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成20年9月19日に登録出願、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年4月17日に登録査定、同年6月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3280215号商標(以下「引用商標1」という。)は、「UNITED COLORS」の欧文字よりなり、平成6年7月12日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年4月11日に設定登録され、その後、同19年1月30日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)登録第4129845号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年10月18日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年3月27日に設定登録され、その後、同20年3月11日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
上記引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 称呼類似
本件商標の称呼「ユナイテッドコアーズ」と引用各商標の称呼「ユナイテッドカラーズ」とを比較すると、両称呼は、語頭部分の「ユナイテッド」及び語尾の「ズ」の6音が共通している。
そして、両称呼は、中間部分の「コアー」と「カラー」の音においてその称呼を異にしているが、「コ」及び「カ」の音は同じ力行に属する比較的近似した音であり、「ア」及び「ラ」の音は子音「ア」を同じくする非常に近似した音である。
したがって、「コアー」と「カラー」との音の違いが称呼全体に与える影響は小さい。
さらに、両称呼の「コ」及び「カ」の音は、明瞭に称呼される語頭部分「ユナイテッド」と「ア」及び「ラ」の音に挟まれた中間音となるため、明瞭に称呼されない。
イ 外観類似
本件商標と引用各商標は、語頭から続く「UNITED」において同一であり、語尾の「RS」において同一である。そして、各商標は、構成文字のうち大部分の文字の順序を同じくする。
したがって,本件商標と引用各商標とを目にした需要者にとって、各商標の視覚的印象はほぼ同じである。
ウ 商品の類似
本件商標の指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」と、引用各商標の指定商品「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」は同一である。
エ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 商標の類似
本件商標と引用各商標はその構成文字及びその配置順において著しく共通している。両商標の構成おける共通性を考慮すると、本件商標の使用は混同するおそれがある。
イ 引用各商標の周知、著名性
引用各商標の商標権者であるベンコム・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ(以下、「ベネトン」という。)は、被服を中心にその事業を多岐に亘って展開している。中でも、被服のブランドの一つである「UNITED COLORS OF BENETTON」は、世界120力国において店舗を展開し、日本においても広く使用されており、周知、著名性を有している。(甲第4号証ないし甲第7号証)
甲第4号証は、「UNITED COLORS OF BENETTON」の日本における店舗の一覧である。当該資料によると、日本において60店舗以上もの多数の店舗を展開していることが分かる。
甲第5号証は、インターネット検索結果である。「UNITED COLORS OF BENETTON」を検索したところ、219,000件ものウェブサイトがヒットしたことが分かる。
甲第6号証は、ベネトンがバービー人形とコラボレートして「UNITED COLORS OF BENETTON」の人形を販売していることを示す資料である。
甲第7号証は、ベネトンが「UNITED COLORS OF BENETTON」のゴルフセットを販売していることを示す資料である。
以上より、「UNITED COLORS OF BENETTON」は、被服を中心に人形や運動用具等、幅広い分野において使用されていることが明らかとなっている。
したがって、「UNITED COLORS OF BENETTON」が、日本において周知、著名性を有していることは明らかである。
上記商標は、16音という長い音数から構成されるので、その称呼は「ユナイテッドカラーズ」又は「ベネトン」と略称される可能性が十分にある。
よって、略称された「UNITED COLORS(ユナイテッドカラーズ)」もまた周知・著名性を有しているといえる。
ウ 出所の混同
本件商標の指定商品をみると、その内容は被服と運動に関連する商品で占められていることが分かる。
そうとすると、引用各商標と類似し、かつ、非常に似た構成からなる本件商標がその指定商品に使用された場合、需要者が本件商標を付した商品は、ベネトンに関連する商品であると混同するおそれがある。
エ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用各商標が類似すること、引用各商標が日本国内及び外国において周知、著名性を有していること、本件商標と引用各商標とが、その構成において共通性を有していることは上記で述べたとおりである。
引用各商標が周知、著名性を有していることを考慮すると、本件商標の権利者は、引用各商標の構成文字の中央部分のみをわずかに異にした構成の商標を偶然に採択したということは有り得ないことであり、引用各商標の構成に似せた本件商標を採択したことは明らかである。
したがって、本件商標を、申立人の事業分野と深く関わりのある商品について出願し権利化しようとする行為は、申立人の名声にフリーライドしようとする行為に他ならない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり「UNITED CORRS」の文字よりなるところ、構成各文字は同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「ユナイテッドコアーズ」の称呼も格別冗長というほどのものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、構成全体をもって一体不可分のものと把握、認識されるとみるのが自然である。
他方、引用商標1は、前記2(1)のとおり、「UNITED COLORS」の欧文字を書してなるところ、構成各文字は同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「ユナイテッドカラーズ」の称呼も格別冗長というほどのものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、構成全体をもって一体不可分のものと把握、認識されるとみるのが相当である。
また、引用商標2は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成文字全体から、「ユナイテッドカラーズオブベネトン」の一連の称呼を生ずるが、その称呼が冗長であること、及びその構成中「UNITED COLORS」の文字部分が外観上分離されることから、これより「ユナイテッドカラーズ」の称呼をも生ずるものである。
そこで、本件商標から生ずる「ユナイテッドコアーズ」の称呼と引用各商標から生ずる「ユナイテッドカラーズオブベネトン」及び「ユナイテッドカラーズ」の称呼とを比較すると、「ユナイテッドコアーズ」と「ユナイテッドカラーズオブベネトン」の称呼は、後半部の音構成において明らかな差異を有しており、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。また、「ユナイテッドコアーズ」と「ユナイテッドカラーズ」の称呼は、前半部の「ユナイテッド」の音を同じくするものの、後半部の「コアーズ」と「カラーズ」の音構成において明らかに相違し、その差異が称呼全体に及ぼす影響は大きく、これらを一連に称呼しても、十分に聴別し得るものである。
また、観念においては、本件商標及び引用各商標から、特に観念が生じないから、これを比較することはできない。
次に、本件商標と引用各商標の外観についてみるに、各商標は、「UNITED」の文字部分が共通にするものの「CORRS」の文字と「COLORS」の文字及び「COLORS OF BENETTON」の文字とで相違し、各商標は全体として外観上判然と区別し得るものであり、互いに見誤るおそれはないとみるのが相当である。
してみれば、本件商標と引用各商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人は、「UNITED COLORS OF BENETTON」は、周知、著名であり、略称された「UNITED COLORS(ユナイテッドカラーズ)」もまた周知、著名である旨主張して、甲第4号証ないし甲第7号証を提出している。
しかしながら、甲第4号証ないし甲第7号証は、そのウェブページの右下の「2009/12/07」の表示から、2009年12月7日に打ち出されたものとみるのが相当であり、本件商標の登録出願の日以降のものである。
また、具体的な顧客数や販売数量等は明らかでなく、甲第5号証ないし甲第7号証に申立人の表示がないから、申立人が甲5号証や甲7号証に表示された使用商品の「スポーツ用品、バッグ、ゴルフセット」とどのように関わっているか不明確である。
よって、そこに表示された「UNITED COLORS OF BENETTON」、「United Colors of Benetton」及び「ユナイテッドオブBENETTON」の一連の標章、及び略称された「UNITED COLORS(ユナイテッドカラーズ)」の標章が申立人のものとして周知、著名であるとは認められない。
上記のとおり引用各商標は、前記のとおり、申立人の業務に係る商品について使用する商標として我が国の取引者、需要者間に広く認識されていると認められず、また、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、これに接する取引者、需要者が、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれもないものといわなければならない。
また、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに別異の商標と解されるものであるから、本件商標は、直ちに、不正の目的をもって使用をするものとはいえず、不正の目的を持って使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しないものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 引用商標2


(色彩については原本参照)


異議決定日 2010-05-18 
出願番号 商願2008-81075(T2008-81075) 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (X2528)
T 1 651・ 262- Y (X2528)
T 1 651・ 271- Y (X2528)
T 1 651・ 222- Y (X2528)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 鈴木 修
特許庁審判官 小畑 恵一
大島 康浩
登録日 2009-06-12 
登録番号 商標登録第5237311号(T5237311) 
権利者 株式会社CORRS
商標の称呼 ユナイテッドコアーズ、コアーズ 
代理人 深見 久郎 
代理人 森田 俊雄 
代理人 竹内 耕三 

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