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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z10 |
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管理番号 | 1218346 |
審判番号 | 取消2009-300644 |
総通号数 | 127 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2010-07-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2009-05-28 |
確定日 | 2010-05-31 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4459629号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4459629号商標の指定商品中、第10類「医療用機械器具」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4459629号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成12年2月10日に登録出願、第10類「医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、平成13年3月16日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、その指定商品中の「医療用機械器具」について、継続して過去3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 ア 使用商標について 被請求人は、本件商標が使用されていることを証明する書面として、「製品カタログ」(以下「乙第1号証」という。)及び「医療用機械器具へのマーキングのコピー」(以下「乙第2号証」という。)を提出する。 しかしながら、本件商標は、欧文字「T」が大文字で、その他の欧文字「ies」は小文字で書され、それらの文字は丸みを帯びたフォントで、各文字の外側は白色で縁取られている。そして、欧文字「T」及び「i」の下部には図形が描かれている(甲第1号証)。 他方、乙第1号証に表示された別掲2のとおりの商標(以下「使用商標1」という。)は、全て大文字で書された欧文字「TIES」であり、同各文字の中心部分に青色の横線が引かれている。 そして、本件商標中の欧文字「T」及び「i」の下部に描かれている図形は、使用商標には含まれていない。 また、本件商標からは、その綴りに対応して、「タイズ」又は「ティーズ」の称呼が生じるの対し、使用商標1からは、欧文字と併記されている片仮名文字「タイズ」に対応して、「タイズ」の称呼のみが生じる。 以上から、本件商標と使用商標は、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標とも、文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼を生じる商標とも認められない。 したがって、本件商標が使用されていることは証明されない。 イ 使用時期について 乙第1号証及び乙第2号証には、その発行日を特定できる記載は一切ない。 したがって、本件商標が、本件審判の請求の登録前から継続して3年以上、使用されていることは証明されない。 ウ 本件商標の使用者について 乙第1号証及び乙第2号証には、その書面の発行者、作成者を特定できる記載は一切ない。 したがって、商標権者、専用使用権者または通常使用権者によって、本件商標が使用されていることは証明されない。 エ まとめ 以上述べたとおり、乙第1号証及び乙第2号証によっては、本件商標が、本件審判の請求の登録前から継続して3年以上、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者によって、使用されていることの証明はなされていない。 3 被請求人の主張 (1)被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。」旨の審決を求めると答弁し、その理由を「平成21年7月14日現在も本件商標を使用している。」と述べ、証拠方法として、「製品カタログ」(乙第1号証)及び「医療用機械器具へのマーキング」(乙第2号証)を提出した。 (2)弁駁に対する答弁 被請求人は、請求人の弁駁に対して何ら答弁するところがない。 4 当審の判断 (1)商標の不使用による登録取消しの審判請求があった場合は、商標法第50条第2項本文は、「前項の審判の請求があった場合においては、その審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。」と規定している。 ア そこで、被請求人が本件商標の使用をしている事実を証明するための証拠として提出した乙第1号証及び乙第2号証について検討する。 (ア)乙第1号証は、製品カタログの表紙部分の写しと認められるところ、その上部には、別掲2のとおり、「TIES」の文字よりなる使用商標1(「TIES」の文字には、これらを縦に2分するように、文字の中央部に、凸レンズ状の青色の横線が引かれている。)、「INSTRUMENTS」の文字及び「タイズ手術器械総合カタログ」の文字が横書きされ、同下部には、手術器械と認められる商品の写真が掲載されている。 しかし、乙第1号証は、上記のとおり、製品カタログの表紙のみであり、このカタログの内容、発行日、発行者又は作成者等は明らかでない。 また、使用商標1は、別掲1のとおりの本件商標とは明らかに異なるデザインが施されており、その構成及び態様は顕著に相違するものであって、社会通念上同一と認められる商標の範疇には入らないというべきである。 (イ)乙第2号証は、「Ties」の文字よりなる商標(以下「使用商標2」という。)が刻印された商品「医療用はさみ」の実物を複写機でコピーした1枚紙と認められるところ、この証拠の作成日、作成者及びその商品の製造、販売に関する事実等は明らかではない。また、乙第2号証は、乙第1号証との関連性も見出せない。 イ 前記アで認定した事実によれば、製品カタログ(乙第1号証)には、使用商標1が表示されてはいるものの、本件請求に係る指定商品中の「手術器械」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されているとは認められず、また、その使用者、使用時期は、不明といわざるを得ない。 また、乙第2号証の「Ties」の商標が刻印された商品「はさみ」は、仮に本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用であるとしても、その使用者、使用時期及びその商品の製造、販売に関する事実等は明らかではない。 したがって、乙第1号証及び乙第2号証のみをもってしては、本件審判の請求の登録(平成21年6月17日)前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品中の「手術器械」等に本件商標を使用したものとは認めることができない。 その他、商標権者等が請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたと認めるに足る的確な証拠は見出せない。 (2)まとめ 以上のとおりであるから、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたことを証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、請求に係る指定商品について、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、取消請求に係る指定商品中の「医療用機械器具」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標) (色彩については原本参照。) 別掲2(使用商標1) (色彩については原本参照。) |
審理終結日 | 2010-04-01 |
結審通知日 | 2010-04-05 |
審決日 | 2010-04-19 |
出願番号 | 商願2000-10553(T2000-10553) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Z10)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 中村 謙三 |
特許庁審判長 |
渡邉 健司 |
特許庁審判官 |
鈴木 修 井出 英一郎 |
登録日 | 2001-03-16 |
登録番号 | 商標登録第4459629号(T4459629) |
商標の称呼 | タイズ、ティーズ |