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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服200728086 審決 商標
不服20091105 審決 商標
不服200910682 審決 商標
不服20096227 審決 商標
不服20109245 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 取り消して登録 Y09
管理番号 1218292 
審判番号 不服2008-10122 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-04-22 
確定日 2010-06-21 
事件の表示 商願2006- 95377拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、2006年4月17日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成18年10月12日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同19年1月24日付け及び当審における同21年7月6日付け手続補正書により、第9類「デジタル一眼レフカメラ」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『α』の文字を書してなるところ、アルファベットの1文字は、商品の種類、型式、規格、等級、品番などを表示する記号、符号として類型的に取引上普通に採択使用されている。また、『α』は、ある商品の新版、改良版等を表すものとしてもしばしば使用されるものである。してみれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。また、請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を満たす旨主張し、資料を提出しているが、請求人が本願商標を『デジタル一眼レフカメラ』において使用していることは認められるものの、そのほかの指定商品についての使用の事実を確認することができないことから、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を満たすものではない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、やや図案化した「α」のギリシア文字を書してなるところ、「α」のギリシア文字は原審説示のごとく、商品の品番、規格などを表示する記号又は符号として類型的に使用されるものであり、また、本願商標が特殊な態様からなるものということもできないから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標にすぎず、商標法第3条第1項第5号に該当するとした原査定の拒絶の理由は妥当なものであった。
しかしながら、請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備すると主張し、証拠方法として原審において第20号証ないし第33号証を、当審において第34号証ないし第232号証を提出している。
そこで、以下、請求人の前記主張及び証拠について検討する。
(1)請求人が使用している商標及び商品
請求人が、商品「デジタル一眼レフカメラ」に使用しているとして第22号証ないし第29号証、第31号証、第34号証、第49号証、第50号証、第53号証及びそのほかの証拠で示している商標(以下「使用商標」という。)は、いずれも本願商標とその構成において同一の商標といえるものである。
(2)使用開始時期及び使用期間
請求人の主張によれば、使用商標を付した「デジタル一眼レフカメラ」は、2006年6月に発売されたとあるところ、提出された日付け入りの全国紙(第22号証及び第23号証)、雑誌の掲載日(第24号証ないし第29号証)及びテレビ広告の日付けの入った提供番組ローテーション表など(第30号証)を総合して勘案すれば、請求人は、遅くとも、2006(平成18)年6月ころより使用商標を「デジタル一眼レフカメラ」に使用してきており、現在も継続して使用していると認め得るものである。
(3)使用地域
第232号証における取引先の所在地によれば、請求人は、全国規模による事業展開を行っており、「デジタル一眼レフカメラ」は、北海道から沖縄県にわたる全国的規模で市場流通に供されているといえるものである。
(4)商品の販売数量及びシェア
請求人の主張によれば、使用商標を付した「デジタル一眼レフカメラ」の販売数量は、2006(平成18)年6月ないし同年12月の間において7909台、そのシェアは、10.2%とある。また、2006年8月の新聞記事(第32号証)によれば、「デジタル一眼レフカメラ」の国内市場シェアは、2006年7月が21.6%、同年8月(20日まで)が19.0%と3位であることが認められる。そして、当審において職権をもって調査したところ、2008年10月26日付 朝日新聞 東京朝刊の記事に「国内のデジタル一眼レフ市場でソニーのシェアは、07年は一ケタだったのが、08年はα350が原動力になり平均10%台を確保しているという。」の記載があることが確認できた。
これらのことを考慮すれば、販売数量及びシェアに関する請求人の主張は十分に信ぴょう性があるものと認められ、「デジタル一眼レフカメラ」の販売数量としては相当程度の実績を得ているものとみても差し支えないというべきである。
(5)広告宣伝の方法及び回数
第52号証ないし第231号証によれば、使用商標を付した「デジタル一眼レフカメラ」に関する広告が、全国紙や一般紙及び専門誌などの各種雑誌に掲載されていることが認められる。また、テレビ広告に係る提供番組ローテーション、放送通知書及びスポット放送確認書など(第30号証)によれば、2006年6月から、「デジタル一眼レフカメラ」のテレビ広告が行われ、その広告が扱われた回数は、例えば同年11月分の1か月のみをみても千回以上であり、これを放送するチャンネルの数は8つあることから、広告の回数及び広告に係る時間は相当量になるものと認められる。さらに、請求人の主張によれば、使用商標の「α」を強調した商品カタログ(第31号証)は、ビックカメラ、ヨドバシカメラ及びヤマダ電機など大手量販店で配布されていることが認められる。
これらのことから、使用商標を付した「デジタル一眼レフカメラ」についての宣伝活動・実績は、相当程度高いとみて差し支えない。
(6)他者による「α」の商標の使用の有無
当審において職権をもって調査したところ、本願の指定商品に関して「α」の文字が、請求人以外の者により使用されている事実は発見できなかった。
以上、上記の(1)ないし(6)を総合して検討すれば、本願商標は、2006(平成18)年6月ころより継続して商品「デジタル一眼レフカメラ」に使用された結果、現在においては需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認められる。
してみれば、本願商標は、前記商品について商標法第3条第2項に規定する要件を満たしているものであるから同法第3条第1項第5号に該当するとして拒絶すべき限りでない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標


審決日 2010-06-09 
出願番号 商願2006-95377(T2006-95377) 
審決分類 T 1 8・ 15- WY (Y09)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 正樹茂木 祐輔高橋 幸志 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 大島 勉
小林 由美子
商標の称呼 アルファ 
代理人 足立 泉 
代理人 柳生 征男 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 

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