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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない X23
審判 査定不服 観念類似 登録しない X23
審判 査定不服 称呼類似 登録しない X23
管理番号 1218214 
審判番号 不服2009-12125 
総通号数 127 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-03 
確定日 2010-05-10 
事件の表示 商願2008-48796拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲1に示す構成よりなり、第23類「糸」を指定商品として、平成20年6月19日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同20年12月3日付け手続補正書により、第23類「手編みに使用する手芸用糸」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、登録第5179381号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり、手書き文字風の書体で横書きした「ホーム」及び「メイド」の片仮名文字と、擬人化された家屋状の図形からなるものであるところ、「ホーム」及び「メイド」の各文字部分は、該家屋状の図形を中心として左右両側にバランスよく同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔をもって表されていることから、これらの文字は一体のものとしてみられるものであり、該文字部分から、「自家製の、手製の」の意味で一般に知られた「ホームメード」の語を直感することからすれば、「ホーム」と「メイド」の各文字部分は、観念上も一体のものとして把握されるものであって、さらに、該文字部分より生じる「ホームメイド」の称呼もよどみなく一連に称呼しうるものである。そして、図形部分と文字部分については、常に一体不可分のものとみるべき格別の理由も見いだし難いものであるから、それぞれの各構成部分が独立して自他商品の識別標識の機能を果たし得るものであるというのが相当である。
してみれば、本願商標は、その文字部分に相応して「ホームメイド」の称呼を生じ、「自家製の、手製の」の観念を生ずるものというのが相当である。
他方、引用商標は、別掲2に示すとおり、切り妻屋根風の家の図形を簡素な直線で描き、その下部に「homemade」の欧文字を、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で横書きしてなるものである。そして、該欧文字中「h」の文字と「d」の文字の縦棒を上に長く伸ばしてあたかも家屋の壁のように表し、また、該欧文字中「e」の文字の上部に図案化した花と思しき図形を配してなるものである。しかしながら、商業広告等においては、しばしば使用する文字の一部を図案化する手法が用いられている実情があるところ、該「h」「d」の欧文字が縦棒を上に伸ばしていることや、「e」の欧文字の上部に図案化した花と思しき図形を配しているとしても、それらの欧文字の字体、大きさ、前後の文字との構成及びバランスからみて、「homemade」の欧文字を無理なく容易に認識できるものであり、加えて、該欧文字は「自家製の、手作りの」の意味で一般に知られた英語である(株式会社大修館書店発行 ジーニアス英和辞典第3版第1刷)ことから、観念上も一体のものとしてみるべきであって、さらに、該文字部分より生じる「ホームメイド」の称呼もよどみなく一連に称呼しうるものである。
してみれば、引用商標は、その文字部分に相応して「ホームメイド」の称呼を生じ、「自家製の、手作りの」の観念を生ずるものというのが相当である。
そうとすれば、本願商標と引用商標は、「ホームメイド」の称呼及び「自家製の、手製の(手作りの)」の観念を共通にすることから、本願商標と引用商標とは、上記のような外観上の相違があるとしても、称呼及び観念を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標及び引用商標から「ホームメイド」の称呼、「手作りの、自家製の」観念が生ずるとしても「ホームメイド」及び「homemade」の各文字の識別力の弱さが特段に考慮されるべきであり、実際に店頭で商品を確認し購入するという取引の実情を考慮すれば、両商標は、文字部分と図形部分とが一体不可分であり、両商標は、類似しない旨主張する。しかしながら、職権をもって、本願指定商品の分野について調査したところ、「ホームメイド」「homemade」の文字が、商品の品質を表示するものとして使用されている事情は見当たらないばかりか、本願指定商品の分野では、インターネット上の仮想店舗において、手芸用・手編み用の糸が販売されている実情がある上に、商品の見本帳が頒布されている実情からすると、需要者は当該見本帳で商品を確認することもできることから、必ずしも実際の店頭に赴いて商品を選択し購入することのみが取引の実情とは言い難い。また、請求人は、過去の審査例や審決例を具体的に挙げて、本願商標の登録適格性を主張しているが、請求人が主張する事例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、該事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切ではない上に、商標の類否判断は個別になされるべきであるところ、本願商標については、前記の認定のとおりであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)

(色彩については原本を参照されたい)

別掲2(引用商標)

(色彩については原本を参照されたい)

審理終結日 2010-03-17 
結審通知日 2010-03-19 
審決日 2010-03-30 
出願番号 商願2008-48796(T2008-48796) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (X23)
T 1 8・ 263- Z (X23)
T 1 8・ 261- Z (X23)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 芦葉 松美
特許庁審判官 内田 直樹
岩崎 良子
商標の称呼 ホームメイド、ホームメード、ホーム、メード 
代理人 宮本 泰一 

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