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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X25 審判 全部申立て 登録を維持 X25 審判 全部申立て 登録を維持 X25 審判 全部申立て 登録を維持 X25 |
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管理番号 | 1216499 |
異議申立番号 | 異議2009-900397 |
総通号数 | 126 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-06-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-10-19 |
確定日 | 2010-05-12 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5249536号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5249536号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5249536号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成20年12月15日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年6月8日に登録査定、同年7月17日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項に該当するとして引用する登録商標は、以下のとおりである。 (1)登録第5241089号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成20年5月15日に登録出願、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年6月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 (2)商願2008-063997号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第3類、第4類、第6類、第8類、第9類、第16類、第20類、第21類、第24類、第27類、第28類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年8月4日に登録出願、その後、同21年8月14日に登録第5257963号商標として設定登録され、現に有効に存続しているものである。 以下、上記(1)及び(2)の登録商標を一括して「引用各商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、登録異議申立に係る理由を要旨以下のように述べ、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について 引用各商標が本件商標の先願先登録ないしは先願の商標であることは明らかであり、また、本件商標の指定商品と引用各商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似のものであることは明らかである。 そこで、両商標の類否を検討するに、本件商標は、角を有し、耳とおぼしき部分を左右に張出し、口のある顔の下部に向かって次第に細くなる構成で角を有する雄の草食獣の顔をシルエット状に描いてなるものである。 一方、引用各商標も、角を有し、耳とおぼしき部分を左右に張出し、口のある顔の下部に向かって次第に細くなる構成で角を有する雄の草食獣の顔をほぼシルエット状には描いてなるものである。 このように、本件商標と引用各商標とは、細部において相違はあるものの、モチーフ及び基本的な構成を共通にしている。 商標が類似するか否かは、両商標を直接的に見比べるのではなく、ある商標と他の商標とが時と処を異にした場合に相紛れるか否かという離隔観察において判断されるものであり、過去に別の場所で見て記憶した引用各商標と目の前にある本件商標とが相紛れるか否かという観点から類否が判断される。 人が図形を記憶する場合には、そのモチーフ及び基本的な構成でもって記憶するものであるから、引用各商標は詳細に記憶された場合であっても、角を有し、耳とおぼしき部分を左右に張出し、口のある顔の下部に向かって次第に細くなるように角を有するシルエット状の雄の草食獣の顔からなると記憶されるものであり、通常は、角を有し、口のある顔の下部に向かって次第に細くなるように角を有するシルエット状の雄の草食獣の顔からなると記憶されるものといえる。 そうであれば、引用各商標と同じく角を有し、耳とおぼしき部分を左右に張出し、口のある顔の下部に向かって次第に細くなるように角を有する雄の草食獣の顔をシルエット状に描いてなる本件商標に接した需要者が当該商標を引用各商標であると誤認混同するは必定であり、本件商標は引用各商標に類似する。 (2)まとめ 以上述べた如く、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第8条第1号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきである。 3 当審の判断 本件商標は、別掲(1)のとおり、その角の形からして牛の類をイメージさせる獣類の正面の顔のシルエット状図形からなるところ、該図形は左右の角が横に大きく開き、その角の上部が内側に湾曲し、鼻から口にかけた部分に特異な白抜きの部分を配した構成よりなるものであって、全体として、すっきりした獣類のシルエット図形という印象を有するものである。 他方、引用各商標は、別掲(2)及び(3)のとおり、その角の形から山羊の類をイメージさせる獣類の正面の顔をかすれたような白黒部分にて描いた図形からなるところ、該図形は左右にやや狭まった目を配し、角は縦にやや鋭角に伸び、その角の上部が外側に向いた構成よりなるものであって、全体として、判然としない表現からなる獣類の図形という印象を有するものである。 そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、両者は、獣類の顔の図形という点では共通するものの、目の有無、角の描き方、シルエット状とかすれたような白黒部分にて描いたものという表現方法が相違し、上記のとおり、前者がすっきりした獣類のシルエット図形という印象を有するものであるのに対し、後者は判然としない表現からなる獣類の図形という印象を有するものである。 してみると、本件商標と引用各商標は、これに接する看者に全く別異の印象を与えるといえるものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、両者は外観において判然と区別できる相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。 また、本件商標と引用各商標は、別掲(1)ないし(3)のとおり、図形のみからなるものであって、それぞれ、牛及び山羊の類をイメージさせるものではあるが、直ちに特定の獣類を認識するとまではいえないというのが相当であるから、両者よりは、特定の称呼、観念を生じないものというべきである。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用各商標とは非類似の商標であるといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(1) 本件商標 別掲(2) 引用商標1(登録第5241089号) 別掲(3) 引用商標2(登録第5257963号) |
異議決定日 | 2010-04-21 |
出願番号 | 商願2008-100715(T2008-100715) |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(X25)
T 1 651・ 262- Y (X25) T 1 651・ 263- Y (X25) T 1 651・ 4- Y (X25) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 石戸 拓郎、金子 尚人 |
特許庁審判長 |
佐藤 達夫 |
特許庁審判官 |
野口 美代子 小川 きみえ |
登録日 | 2009-07-17 |
登録番号 | 商標登録第5249536号(T5249536) |
権利者 | 株式会社トム |
代理人 | 橘高 郁文 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 田島 壽 |
代理人 | 原 隆 |