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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X35
管理番号 1216479 
異議申立番号 異議2009-900278 
総通号数 126 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-06-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-07-27 
確定日 2010-04-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第5223576号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5223576号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5223576号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成19年5月18日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同21年3月16日に登録査定、同年4月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3322937号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、平成6年12月27日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同9年6月13日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
同じく登録第4750875号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、平成13年12月21日に登録出願、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同16年2月27日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
同じく登録第4915762号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり(引用商標2と同じ態様)、平成17年4月7日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年12月16日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(以下、これらの登録商標をまとめて「引用各商標」という場合がある。)
(2)理由の要点
引用各商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標がその指定役務に使用された場合、その役務の需要者が申立人に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録を取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)引用各商標の周知、著名性について
申立人の提出の甲第6号証によれば、引用商標2及び引用商標3について、各国で商標登録を受けている事実が認められるが、これは、あくまでも周知、著名性を判断する際の補完的な証拠とはなり得ても、両引用商標の周知、著名性を直接的に裏付けるものとはいえない。
また、甲第7号証及び甲第8号証は、いずれも英語で記載されたカタログ(本件商標の登録査定後にホームページをプリントアウトしたもの)及び本件商標の登録査定後にプリントアウトしたホームページであるが、これらには、「DSQUARED2」(「2」は左隣の「D」の右肩に小さく表されている。以下、「DSQUARED2(2乗)」という。)、「DSQUARED2」、「Dsquared2」の表示は認められるものの、引用各商標の表示は確認することができない。
さらに、「D2」(「2」は「D」の右肩小さく表されている。以下、「D2(Dの2乗)」という。)の表示が、独立して自他商品識別機能を有する態様で表示されている事実も確認できない。
してみれば、申立人の提出の全証拠によっては、引用各商標が、本件商標の登録出願の時及び登録査定時において、申立人に係る商品を表示する商標として取引者、需要者の間で広く認識されていたものと認めることができない。
(2)本件商標と引用各商標との類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、青色で「D」の文字を肉太に表し、これに連結した細い青色の線で「2」を表した構成からなるものであり、その構成要素である「D」と「2」に相応して「デイツー」及び「ディーツー」の称呼を生ずるというのが相当である。また、本件商標は、特定の観念を生じないものである。
一方、引用商標1は、別掲(2)のとおり、黒い正方形内に「D2(Dの2乗)」及びその下部に「D SQUARED.」の文字を白抜きに表した構成からなるものである。また、引用商標2及び3は、別掲(3)のとおり、いずれも、「D2(Dの2乗)」とその下部に「DSQUARED2(2乗)」の文字を表してなるものである。
そして、引用各商標は、上段の「D2(Dの2乗)」と下段の「D SQUARED.」及び「DSQUARED2(2乗)」の文字部分とは視覚上分離されるから、それぞれの部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
よって、引用各商標は、「ディーツー」「ディー(ノ)ジジョー」「ディースクエアード(ツー)」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。
そこで、本件商標と引用各商標を比較すると、その外観は明らかに異なるものである。
また、本件商標と引用各商標の観念については比較できないから、互いに紛れることはない。
そして、称呼については、本件商標の称呼「デイツー」「ディーツー」と引用各商標の称呼「ディー(ノ)ジジョー」「ディースクエアード(ツー)」とは、明らかに音構成を異にし、称呼上互いに区別し得るものであるが、本件商標の称呼「デイツー」「ディーツー」と引用各商標の称呼「ディーツー」とは、同一又は類似のものである。
しかしながら、欧文字1字と数字1字とを結合してなる構成の商標においては、両商標が外観において明らかな差異を有する場合、取引者、需要者は、その外観の差異に注目し、両者について異なった印象を抱き、記憶するのが自然である。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合的にみれば、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、引用各商標は、取引者、需要者の間で広く認識されていると認めることができないものであり、かつ、本件商標と引用各商標とは十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲

(1) 本件商標


(色彩については原本参照)

(2)引用商標1



(3)引用商標2、引用商標3



異議決定日 2010-04-01 
出願番号 商願2007-49845(T2007-49845) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (X35)
最終処分 維持  
前審関与審査官 堀内 真一 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2009-04-17 
登録番号 商標登録第5223576号(T5223576) 
権利者 株式会社ケーヨー
商標の称呼 デイニ、デイツー 
代理人 石田 純 
代理人 吉田 研二 
代理人 吉川 俊雄 

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