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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 X35 審判 全部申立て 登録を維持 X35 審判 全部申立て 登録を維持 X35 審判 全部申立て 登録を維持 X35 |
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管理番号 | 1214733 |
異議申立番号 | 異議2009-900307 |
総通号数 | 125 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2010-05-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2009-08-12 |
確定日 | 2010-04-14 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5231240号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5231240号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 登録第5231240号商標(以下「本件商標」という。)は、「AJ-style」の文字を書してなり、平成19年11月28日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同21年5月15日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由 (1)引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4736462号商標は、別掲に示す構成からなり、平成12年6月30日に登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品・役務を指定商品・指定役務として、同15年12月26日に設定登録されたものである。 同じく国際登録第834108号商標は、別掲に示す構成からなり、第3類、第9類、第14類、第16類、第24類、第26類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品・役務を指定商品・指定役務として、平成16年7月7日(国際登録の日)に登録出願されたものである。 (以下、これらをまとめて「引用商標」という。) (2)理由の要点 申立人及びその関連会社の宣伝広告活動や製品の優秀性と相侯って、申立人会社等の提供に係る「ARMANI JEANS」なるブランドの製品は高い評価を得るに至っていると共に、そのブランドを指称する商標として機能する引用商標や単なる「AJ」の文字からなる標章は、我が国において周知著名な商標として認識されている。 本件商標は、引用商標及び標章「AJ」との関係において商標法第4条第1項第10号、同第11号の規定に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきものである。 また、仮にこの規定に違反していないとした場合であっても、本件商標は、恰も申立人会社又は同会社と経済的・組織的に何らかの関連を有するものの提供に係るサービスであるかの如く、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあることから、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。 更に、本件商標は、国際的な流通市場の維持に真っ向から反するものであり、商標法第4条第1項第7号の規定に違反して登録されたものである。 3 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第10号及び同第11号該当について ア 申立人提出の証拠によれば、引用商標は申立人に係る商品「被服等」について使用されており、「ARMANI」ブランドの一として、その需要者の間で広く認識されているものであることを認めることができる。しかしながら、全証拠を綜合してみても、引用商標がその構成部分「AJ」や「エイジェイ」の称呼において需要者間に広く認識されるに至っているものであるということはできず、また、標章「AJ」が単独で使用される事例を窺い知ることはできるけれども、これをもって、標章「AJ」が本件商標の出願時において既に、申立人に係る商品を表示する商標として需要者間に広く認識されるに至っていたとまで認めることはできない。 イ 本件商標は、「AJ-style」の文字からなるものであるところ、「AJ」がありふれた欧文字の2字であり、「style」が「様式、スタイル」を意味する平易な英語であるけれども、「AJ」と「style」とは「-」(ハイフン)を介して一体的に結合され、前後の文字間において、いずれかが主従というような軽重の差はみだせず、全体としては特定の観念を生じさせない一連の造語として看取されるというのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成に相応して「エイジェイスタイル」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせないものである。 一方、引用商標は、別掲のとおりの構成であり、これより「アルマーニジーンズ」「エイジェイアルマーニジーンズ」の称呼が生じるものである。 しかして、本件商標の称呼と引用商標の称呼「アルマーニジーンズ」「エイジェイアルマーニジーンズ」とを対比しても、構成音数の相違及び相違する各音の音質の相違により、相紛れることなく判然と区別されるものである。そして、標章「AJ」に照応した称呼「エイジェイ」と本件商標の称呼「エイジェイスタイル」とが「スタイル」の音の有無の差異によって、相紛れないことも明らかである。 また、本件商標と引用商標及び標章「AJ」とは、外観構成において顕著な相違があり、外観上で相紛れるおそれはなく、さらに、観念について比較することができないから、観念上で相紛れるおそれはない。 してみれば、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標及び標章「AJ」に類似する商標と認めることができない。 ウ したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当について 上記のとおり、本件商標は引用商標に類似するものといえないうえ、標章「AJ」が申立人の商標として広く認識されたものとは認められないから、本件商標の構成中に「AJ」の文字部分が含まれているとしても、それをもって、引用商標等に関連付けてみられるとは言い難く、結局、本件商標と引用商標等は、全く別異の商標として看取されるといわざるを得ないものである。 してみれば、本件商標をその出願時に指定役務に使用した場合にも、これに接する需要者が引用商標等を想起するとはいえず、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く誤信してその出所を混同するおそれはなかったというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第7号該当について 本件商標は、その構成自体において公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標でないことは明らかである。 そして、標章「AJ」が申立人の商標として広く認識されたものと認められないことは上記のとおりであるうえ、本件商標がありふれた欧文字2字と平易な英語の結合であって、全証拠によっても、唯一引用商標等の名声に依拠して採択された等、その出願の経緯において社会通念に照らして妥当性を欠くというべき事情等はみいだせないから、これを登録することが、商取引の秩序を乱し、国際信義に反し、ひいては公の秩序を害するおそれがあると認めることはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。 よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲 引用商標 |
異議決定日 | 2010-03-24 |
出願番号 | 商願2007-119021(T2007-119021) |
審決分類 |
T
1
651・
22-
Y
(X35)
T 1 651・ 25- Y (X35) T 1 651・ 271- Y (X35) T 1 651・ 26- Y (X35) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 瀬戸 俊晶 |
特許庁審判長 |
石田 清 |
特許庁審判官 |
小林 由美子 久我 敬史 |
登録日 | 2009-05-15 |
登録番号 | 商標登録第5231240号(T5231240) |
権利者 | 株式会社アルフレックス ジャパン |
商標の称呼 | エイジェイスタイル、スタイル |
代理人 | 筒井 大和 |
代理人 | 筒井 章子 |
代理人 | 小塚 善高 |