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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 X16
審判 一部申立て  登録を維持 X16
審判 一部申立て  登録を維持 X16
管理番号 1214725 
異議申立番号 異議2009-900196 
総通号数 125 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-05-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-05-25 
確定日 2010-03-13 
異議申立件数
事件の表示 登録第5208180号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5208180号商標の指定商品中、申立てに係る指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録異議申立てに係る登録第5208180号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおり「LUCKY CLOVER」の欧文字を横書きした構成からなり、平成20年6月3日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,印刷物,写真立て,事務用又は家庭用ののり及び接着剤」を指定商品として、同21年1月13日に登録査定、同年2月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(ア)ないし(ウ)の登録商標を引用し、本件商標の指定商品中「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」については、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきであると申立て、その理由の要点を次のとおり述べて、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)引用商標
(ア)登録第1201362号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおり、「クロバー」の片仮名文字と「Clover」の欧文字とを2段に書し、当該「クロバー」の片仮名文字の左側に、クローバーと認められる図形を、茎の部分が「Clover」の欧文字に重なるように描いてなるものであり、昭和47年7月28日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同51年5月24日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、平成18年4月5日に、第8類「アイロン(電気式のものを除く。),糸通し器,チャコ削り器」、第14類「貴金属製針箱」、第16類「型紙,裁縫用チャコ」、第20類「ししゅう用枠」、第21類「アイロン台,霧吹き,こて台,へら台」及び第26類「編み棒,裁縫箱,裁縫用へら,裁縫用指抜き,針刺し,針箱(貴金属製のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(イ)登録第4686452号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおり、「クロバー」の片仮名文字と「Clover」の欧文字とを2段に書し、当該「クロバー」の片仮名文字の左側に、クローバーと認められる図形を、茎の部分が「Clover」の欧文字に重なるように描いてなるものであり、平成14年9月19日に登録出願、第1類「のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。)」、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」並びにその他の第1類ないし第12類、第14類、第16類ないし第28類、第30類、第31類及び第33類ないし第45類に属する商標登録原簿記載の商品又は役務をその指定商品又は指定役務として、同15年6月27日に設定登録され、その後、指定役務については、商標登録の取消し審判により、指定役務中、第39類「鉄道による輸送、車両による輸送、船舶による輸送、航空機による輸送、貨物のこん包、寄託を受けた物品の倉庫による保管」、第40類「義肢又は義歯の加工(医療用材料の加工を含む)」及び第44類「美容、理容、医業、医療情報の提供、健康診断、歯科医業、調剤」について取り消すべき旨の審決がされ、同21年4月9日にその確定審決の登録がされたものであり、その他の指定商品及び指定役務については、現に有効に存続しているものである。

(ウ)登録第4269860号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおり、「クロバー」の片仮名文字と「Clover」の欧文字とを2段に書し、当該「クロバー」の片仮名文字の左側に、クローバーと認められる図形を、茎の部分が「Clover」の欧文字に重なるように描いてなるものであり、平成9年12月26日に登録出願、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」及びその他の第16類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同11年5月7日に設定登録され、同21年5月7日に存続期間が満了し、同22年1月13日に本件商標の登録の抹消がされているものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、「引用商標」という。

(2)引用商標の周知・著名性について
申立人は、手芸・裁縫用品の専門・総合メーカーであり、「Clover」及び「クロバー」の文字並びにクローバーの葉の図形を、自社の業務を表すものとして60年以上にわたって継続的に使用してきた。
さらに、昭和33年には、「クロバー」の文字を自社の商号の一部として使用し、当該マークを含みクローバーの葉をモチーフとした引用商標をハウスマークとして、自社製品に継続して使用してきた。
その結果、引用商標及び「Clover」の文字は、「手芸・裁縫用品」を取り扱う業界において、申立人の業務を表すものとして周知・著名となっている。

(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標「LUCKY CLOVER」は、全体として特定の熟語的意味合いを有するものではなく、視覚上も分離して看取されるものである。
また、本件商標「LUCKY CLOVER」から生ずる「ラッキークローバー」の称呼も語呂語調がいいとはいえない。
さらに、本件商標の指定商品のうち、「家庭用ののり及び接着剤」は、引用商標の指定商品に抵触する。
加えて、「CLOVER」の文字部分は、手芸・裁縫用品の分野において、申立人の出所を示すものとして周知・著名である。
そうすると、本件商標に接した需要者が「CLOVER」の文字部分のみに着目し、「クロバー」なる称呼にて商取引に資することがないと断ずることはできない。

(4)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、手芸・裁縫用品について申立人を表示するものとして、需要者間に広く知られた引用商標と同じ綴りからなる「CLOVER」を含み、その指定商品も申立人の業務分野である手芸・裁縫用具である。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、本件商標に接した需要者は、引用商標を連想、想起し、申立人若しくは同人と何らかの関連性を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(5)商標法第4条第1項第19号について
商標権者を同じくする過去の異議事件の決定において、手芸・裁縫用品の分野での引用商標の周知・著名性が認められ、これらの分野における「Clover」を含む商標の使用は、申立人の業務と混同が生じる旨示されている。
商標権者は、かかる異議決定を知った上で、本件商標を登録出願しており、このような商標権者の行為には、故意に出所混同を生じさせるか若しくは引用商標が有する出所表示機能を希釈させようとする不正の意図があったと推認せざるを得ない。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標は、別掲(1)のとおり、「LUCKY CLOVER」の欧文字からなるところ、称呼についてみるに、構成文字全体から生ずる「ラッキークローバー」の称呼は格別冗長ではなく、一気一連に称呼し得るものである。
次に、観念についてみるに、本件商標を構成する「LUCKY」及び「CLOVER」の各文字は、前者が「幸運の」及び後者が「クローバー」を意味する平易な英単語として容易に理解される言葉である。
したがって、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成文字全体から「幸運のクローバー」の如き意味合いを認識、把握するというべきである。
また、外観についてみるに、その構成中の「LUCKY」及び「CLOVER」の各文字は、両語間に僅かな間隙はあるものの、同じ書体、同じ大きさで一連に表されたものであるから、外観上も一体的に認識、把握されるものである。
さらに、本件商標「LUCKY CLOVER」の後半の「CLOVER」の文字部分のみが分離・抽出されて、それに相応した称呼及び観念をもって商取引に資されるとみるべき特段の事情も見いだすことができない。
してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「ラッキークローバー」の称呼のみを生ずるものであり、「幸運のクローバー」の観念を生ずるというのが相当である。

(イ)一方、引用商標は、別掲(2)ないし(4)のとおり、いずれも、「クロバー」の片仮名文字と「Clover」の欧文字とを2段に書し、当該「クロバー」の片仮名文字の左側に、クローバーと認められる図形を、茎の部分が「Clover」の欧文字に重なるように描いてなるものであるから、その構成中「クロバー」の片仮名文字から「クロバー」の称呼を生じ、また、「クローバー」と認められる図形と「Clover」の欧文字から「クローバー」の自然称呼及び「クローバー」の観念を生ずるものである。

(ウ)そうすると、本件商標から生ずる「ラッキークローバー」の称呼と引用商標から生ずる「クロバー」及び「クローバー」の称呼とを比較しても、両者は、冒頭の「ラッキー」の音の有無において、判然と聴別し得るものである。
また、「クローバー」の観念を生じる引用商標と「幸運のクローバー」の観念を生じる本件商標とは、その観念を異にし、明確に区別することができるものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らして、外観においては相違するものである。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標であるということはできないものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、手芸・裁縫用品の分野において、申立人に係る前記商品を表示する商標として、本件商標の登録査定時はもとより登録出願時には、既に、取引者、需要者の間で広く知られるに至っていたと認めることができる。
しかし、前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても全く別異の商標であるから、引用商標が手芸・裁縫用品の分野において周知性・著名性を有している点を考慮に入れてみても、本件商標を指定商品に使用した場合、本件商標の登録査定時はもとより登録出願時において、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想、想起して、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤認するとはいい難く、商品の出所について混同を生ずるおそれはなかったといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するといえない。

(3)商標法第4条第1項第19号について
前記(1)で認定したとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。
また、本件事件と申立人が挙げる過去の異議決定の事件とは全く別の事件であるから、当該過去の異議決定の事件の存在をもって、商標権者の行為に不正の意図があったと推認することはできない。
さらに、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標が不正の目的をもって使用をするものであるとの理由を見いだすこともできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲


(1)本件商標




(2)引用商標1




(3)引用商標2




(4)引用商標3









異議決定日 2010-02-25 
出願番号 商願2008-42541(T2008-42541) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (X16)
T 1 652・ 222- Y (X16)
T 1 652・ 26- Y (X16)
最終処分 維持  
前審関与審査官 内藤 順子 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 田村 正明
末武 久佳
登録日 2009-02-27 
登録番号 商標登録第5208180号(T5208180) 
権利者 株式会社カミオジャパン
商標の称呼 ラッキークローバー 
代理人 寺田 花子 
代理人 田中 光雄 
代理人 鮫島 睦 
代理人 勝見 元博 

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