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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 X30
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管理番号 1213097 
異議申立番号 異議2009-900343 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-08-28 
確定日 2010-02-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5236192号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5236192号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5236192号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成20年7月29日に登録出願され、第30類「三輪産のそうめんのめん」を指定商品として、平成21年6月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2219632号商標(以下「引用商標1」という。)は、「三輪素麺」の文字を横書きしてなり、昭和56年7月8日に登録出願、第32類「そうめん」を指定商品として平成2年3月27日に設定登録され、その後、平成12年2月8日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
同じく登録第2219633号商標(以下「引用商標2」という。)は、「極寒手延」及び「三輪そうめん」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和56年7月8日に登録出願、第32類「そうめん」を指定商品として平成2年3月27日に設定登録され、その後、平成12年2月8日及び同22年1月19日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
上記引用商標1及び2は、いずれも現に有効に存続しているものであり、以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点
申立人は、本件商標が、以下の(1)ないし(5)に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきものであると主張している。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性
本件商標と引用商標とは、称呼を共通にする類似の商標であり、両者の指定商品も同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性
引用商標は、申立人の業務に係る商品「そうめん」について使用する商標として広く認識されているものであり、本件商標と引用商標とは類似し、本件商標の指定商品と引用商標が使用されている商品とは同一又は類似のものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性
本件商標は、申立人が商品「そうめん」について使用する商標として著名な引用商標と類似するものであり、これをその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第16号該当性
本件商標は、「そうめん」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性
本件商標権者の代表者は、申立人「奈良県三輪素麺工業協同組合」の組合員であったが、平成20年6月頃脱退し、その直後に本件商標を登録出願したもので、かかる行為は上記組合に対する背信そのもので、信義則に反する不正目的によるものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、別掲のとおり、右上において縦方向に二列に配された四角形内に記載された「本場三輪」及び「手延素麺」の文字部分(「本」「場」「素」「麺」の各文字は、いずれも黒塗り四角形内に白抜きで書されている。)、その下方に縦書きされた「古都の歌」の文字部分、これらの左側に毛筆風書体で7行に縦書きされた「味に技あり」、「幾代にも」、「語りつぎ」、「守りきたえた」、「手延のさえ」、「伝えたい」及び「万本のよろこび」の文字部分、そして、これらの下方に配された黒塗りの地紙図形中に白抜きで書された「有限会社三輪そうめん奥野」の文字部分の4つの要素によって構成されている。
これらの構成要素のうち、右上に配された「本場三輪」及び「手延素麺」の文字部分は、奈良県桜井市の三輪地区が、我が国で古くから作られているめん類の一種で独特の食感と風味があり珍重される「手延素麺」の産地として広く一般に知られていることからすると、「そうめんの本場である三輪産の手延素麺」であること、すなわち、単に商品の産地、製造方法、品質を表示したものとして認識し把握されるとみるのが自然であるから、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというべきである。
また、7行に縦書きされた上記「味に技あり」等の文字部分は、商品の品質等を誇称するキャッチフレーズとして認識し把握されるに止まり、やはり自他商品の識別標識としての機能を有しないものというべきである。
他方、本件商標の構成要素のうち、右側に配された「古都の歌」の文字部分は、それ自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
また、下方中央に配された黒塗りの地紙図形中の「有限会社三輪そうめん奥野」の文字部分は、本件商標権者の名称を表すと共に、自他商品の識別標識としての機能も有するものであり、会社の種類を表す「有限会社」の文字部分が省略されることがあるとしても、「三輪そうめん奥野」の文字部分は一連一体のものとして認識し把握されるものといえる。
イ 以上を総合すると、本件商標は、「古都の歌」又は「有限会社三輪そうめん奥野」の文字部分より生ずる称呼・観念をもって取引に資されるというのが自然であるから、これよりは「コトノウタ」(古都の歌)、「ユウゲンカイシャミワソウメンオクノ」(有限会社三輪そうめん奥野)又は「ミワソウメンオクノ」(三輪そうめん奥野)の称呼・観念を生ずるものと判断するのが相当である。
ウ 以上を前提として、以下、本件商標と引用商標との類否について検討する。
本件商標からは上記(イ)のとおりの称呼・観念を生ずるのに対し、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、引用商標1からは「ミワソウメン」(三輪素麺)、引用商標2からは「ゴッカンテノベミワソウメン」(極寒手延三輪そうめん)の各称呼・観念を生ずるものといえる。
また、引用商標2は、その構成中「極寒手延」の文字部分が、商品の製造時期・方法、品質を表示したものとして認識し把握されることから、自他識別標識の要部たる「三輪そうめん」の文字部分より「ミワソウメン」(三輪素麺)の称呼・観念をも生ずるものといえる(なお、引用商標は、いずれも商標法第3条第2項の適用を受けて登録されたものである。)。
しかして、本件商標から生ずる「コトノウタ」(古都の歌)、「ユウゲンカイシャミワソウメンオクノ」(有限会社三輪そうめん奥野)及び「ミワソウメンオクノ」(三輪そうめん奥野)の称呼・観念と、引用商標から生ずる「ミワソウメン」(三輪素麺)及び「ゴッカンテノベミワソウメン」(極寒手延三輪そうめん)の称呼・観念とは、音構成の相違、構成音数の差等により、称呼上容易に区別することができるものであり、観念も別異のものであって、観念上互いに紛れるおそれはないというべきである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第10号該当性について
引用商標は、いずれも永年使用された結果、自他商品識別機能を有するに至り、商標法第3条第2項の適用を受けて登録されたものであるから、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものと認められるとしても、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標が商品「そうめん」に使用する商標として周知著名になっているとしても、前示のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標であるから、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)本件商標の商標法第4条第1項第16号該当性について
申立人は、本件商標が商標法第4条第1項第16号に該当する旨主張しているが、その理由は必ずしも明らかでない。すなわち、本件商標は、「三輪産のそうめんのめん」を指定商品とするものであり、「そうめん」以外の商品に使用するものではないから、品質の誤認を生ずる余地はない。
なお、「そうめんのめん」と「そうめん」とは、表現が異なるとしても、しばしば同義語として用いられるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(5)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、本件商標権者の代表者(以下「代表者」という。)が、平成10年2月1日付の申立人組合の組合員名簿に記載されていること、及び「商友会」と称する会の会員たる「株式会社池利」ほか8名による「確認書」の存在が認められるものの、代表者の申立人組合脱退の事実、代表者による申立人組合に対する背信行為の事実、本件商標と代表者との関係、本件商標の採択・登録出願経緯に関する事情等は明らかでない。
加えて、前示のとおり、本件商標は、引用商標とは類似するところのない別異の商標であり、引用商標や申立人を連想、想起させるものではなく、商品「三輪産のそうめんのめん」について使用するものである。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願が、直ちに信義則に反する不正目的によるものであるということはできない。
その他、本件商標が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものであることを具体的に示す証左はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同第16号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標

異議決定日 2010-01-27 
出願番号 商願2008-61941(T2008-61941) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (X30)
T 1 651・ 222- Y (X30)
T 1 651・ 263- Y (X30)
T 1 651・ 271- Y (X30)
T 1 651・ 272- Y (X30)
T 1 651・ 262- Y (X30)
最終処分 維持  
前審関与審査官 石塚 文子小田 明 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
小川 きみえ
登録日 2009-06-05 
登録番号 商標登録第5236192号(T5236192) 
権利者 有限会社三輪そうめん奥野
商標の称呼 ホンバミワテノベソーメン、ミワテノベソーメン、ミワソーメン、コトノウタ、ミワソウメンオクノ、ミワソーメンオクノ、オクノ 
代理人 田川 孝由 
代理人 鎌田 文二 
代理人 築山 正由 
代理人 東尾 正博 

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