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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X2528
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X2528
管理番号 1213071 
異議申立番号 異議2009-900093 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2009-03-06 
確定日 2010-02-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第5188024号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5188024号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5188024号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZARA WEST」の欧文字と「ザーラウエスト」の片仮名文字を二段に併記してなり、平成20年5月9日に登録出願され、第25類「釣り用ベスト,釣り用ズボン,釣り用ジャケット,釣り用帽子,被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,釣り用靴,履物,釣り用ヤッケ,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「釣り具」を指定商品として、同年11月14日に登録査定、同年12月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりである。
なお、いずれも現に有効に存続するものであり、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。
(1)登録第2467891号商標は、「ザラ」及び「ZARA」の文字を二段併記してなり、平成2年6月1日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第3331264号商標は、「ZARA」の欧文字を横書きしてなり、平成7年1月26日に登録出願され、第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年7月11日に設定登録されたものである。
(3)登録第4108998号商標は、「ZARA」の欧文字を横書きしてなり、平成5年3月31日に登録出願され、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年1月30日に設定登録されたものである。
(4)国際登録第750570号商標は、「ZARA」の欧文字を横書きしてなり、2000年5月3日にスペイン国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第4類、第8類、第11類、第16類、第21類、第26類、第28類及び第34類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2000年10月24日に国際登録され、我が国においては、平成13年10月26日に設定登録されたものである。
(5)国際登録第752502号商標は、「ZARA」の欧文字を横書きしてなり、2000年8月1日にスペイン国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第25類及び第35類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2001年2月1日に国際登録され、我が国においては、平成14年4月12日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、本件商標の登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし第30号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、アパレル業界における世界最大企業の1つであり、「ZARA」を商品ブランドとしてチェーン店を展開しており、「ZARA」ブランドは、本件商標の出願日前から著名性を有するものである。そうすると、これと類似する本件商標が、その指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について
本件商標は、申立人の著名商標である「ZARA」をその構成中に有し、当該「ZARA」の部分が要部として機能するものであるところ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の関係にあり、かつ、著名な引用商標が使用されている商品と同一又は類似の関係に立つものである。

4 当審における取消理由
当審において、登録異議申立に基づき、平成21年10月6日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。
(1)引用商標の周知性について
申立人は、スペインに本拠地を置く、アパレル業界における世界最大企業の1つであり、フリー百科事典「ウィキペディア」によれば、2008年現在で世界中に約1,400店舗を有し、我が国においては1997年に日本法人が設立され、東京を中心に、渋谷をはじめ主要都市に現在32店舗を構えている(甲第11号証)。
また、「Best Global Brands 2008」によれば、引用商標「ZARA」が、2008年において世界第62位のブランドとしてランクされていることが認められる(甲第12号証)。
そうすると、引用商標「ZARA」が、「被服」の分野において、本件商標の出願時である平成20年5月9日の時点において、既に外国及び我が国において、一定程度の周知性を獲得していたことが認められる(甲第8号証ないし甲第26号証)。
(2)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、前記のとおり、「ZARA WEST」及び「ザーラウエスト」の文字からなるところ、全体として特定の意味合いを有する成語(熟語)ではなく、しかも、欧文字部分は「ZARA」と「WEST」の文字の間に半文字程度の間隔が設けられていることからして、容易に「ZARA」と「WEST」の文字とに分離して看取されるものである。
そして、その構成中後半部の「WEST」の文字部分及びその表音と認められる「ウエスト」の語(文字)は、「西洋、西部地方」等の意味を表す英単語(外来語)として広く知られ親しまれている語(例えば、株式会社三省堂発行「コンサイス英和辞典」参照)であり、「西洋、西部地方」の語義からは、商品の産地、販売地等を認識させるものであるから、その構成中「WEST」の語自体には指定商品との関係では自他商品の識別力はないか弱いものというべきである。
そうとすれば、「ZARA」及び「ザーラ」並びに「WEST」及び「ウエスト」の語(文字)の結び付きは決して強いものとはいえず、他に、これらの語を常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別の理由があるものとも認められない。
してみれば、本件商標に接する取引者・需要者は、これを分離して把握・認識することも十分にあり得るものというべきであるから、本件商標からは、その構成文字全体に相応する「ザーラウエスト」の称呼を生ずるとともに、「ZARA」及び「ザーラ」の文字部分から、単に「ザーラ」あるいは「ザラ」の称呼をもって取引に供される場合もあるものとみるのが相当である。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「ザラ」あるいは「ザーラ」の称呼を生ずるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、「ザーラ」あるいは「ザラ」の称呼において類似し、「ZARA」の外観を共通にするものである。
また、引用商標の周知性をも勘案すれば、互いに出所の混同のおそれのある類似の商標といわなければならず、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものというべきである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

5 商標権者の意見
本件商標について、前記4の取消理由を通知し、相当な期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-12-25 
出願番号 商願2008-35926(T2008-35926) 
審決分類 T 1 651・ 262- Z (X2528)
T 1 651・ 261- Z (X2528)
最終処分 取消  
前審関与審査官 山田 正樹 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 小川 きみえ
野口 美代子
登録日 2008-12-12 
登録番号 商標登録第5188024号(T5188024) 
権利者 株式会社ヨコハマ
商標の称呼 ザーラウエスト、ザラウエスト、ザーラ、ザラ、ウエスト 
代理人 幡 茂良 
代理人 蔵田 昌俊 
代理人 小出 俊實 
代理人 河野 哲 
代理人 吉田 親司 
代理人 石川 義雄 
代理人 潮崎 宗 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 橋本 良樹 

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