• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部申立て  登録を取消(申立全部取消) X14
管理番号 1213069 
異議申立番号 異議2008-900429 
総通号数 124 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-10-27 
確定日 2010-02-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第5154247号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5154247号商標の指定商品中、第14類「ブレスレット」についての商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5154247号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成19年12月14日に立体商標として登録出願され、第9類「眼鏡」、第14類「ブレスレット」、第18類「ハンドバッグ」及び第25類「婦人靴,紳士靴」を指定商品として、平成20年7月25日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4715567号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成からなり、平成14年9月24日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年10月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)同じく、国際登録第771474号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲3に示すとおりの構成からなり、2001年5月1日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)9月24日に国際商標登録出願、第14類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成14年12月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。(以下、一括していうときは「引用各商標」という。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第14類「ブレスレット」については、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨主張し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし第7号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本件商標は、単に商品又は商品の一部の形状のみからなるものであって、自他商品識別機能を有しないものである
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用各商標と類似するものであって、その指定商品も同一又は類似なものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、申立人が商品「時計」等について永年に亘り使用し、広く需要者や取引者に知られているから、仮に本件商標の指定商品「ブレスレット」と引用商標2の指定商品が非類似の商品である場合であっても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。

4 当審における取消理由
当審において、登録異議申立に基づき、平成21年5月27日付けで商標権者に対して通知した取消理由は、要旨以下のとおりである。
(1)本件商標は、別掲1のとおり、ギリシャ文字の「Ω(オメガ)」のやや広く開けた開口部を、その両端外側に短く伸びた直方体と同一幅の直方体で閉じて円環状としたものであって、本件異議申立に係る指定商品「ブレスレット」ないし「ブレスレットの一部分(留め具、飾り)」の立体的形状の一形態を表したものと認めるのが相当である。
(2)ところで、立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として採択されるものではない。そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは前記したように商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではないことから、商品等の形状が全体として商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感と関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには、原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。
(3)そこで、これを本件商標についてみるに、本件商標は、前記(1)のとおり、ブレスレットないしその一部分(留め具、飾り)の形状としての一形態を表したものであって、極めて簡単な形状と認められ、一定の美感を有するとはいえ、格別特異なものであるとも認められないから、本件の指定商品「ブレスレット」に使用しても、取引者、需要者は、単に商品の形状と認識するにすぎないものと判断するのが相当である。したがって、本件商標の登録は、商品「ブレスレット」ないし「ブレスレットの一部分(留め具)」の形状を普通に用いられる方法をもって表示してなるにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである。

5 商標権者の意見
本件商標について、前記4の取消理由を通知し相当な期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者は何ら意見を述べるところがない。

6 当審の判断
本件商標についてした先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「ブレスレット」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)

別掲2(引用商標1)

別掲3(引用商標2)



異議決定日 2009-10-02 
出願番号 商願2007-124133(T2007-124133) 
審決分類 T 1 652・ 13- Z (X14)
最終処分 取消  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 佐藤 達夫
特許庁審判官 野口 美代子
小川 きみえ
登録日 2008-07-25 
登録番号 商標登録第5154247号(T5154247) 
権利者 サルヴァトーレ フェラガモ イタリア エス. ピー. エー.
代理人 紺野 正幸 
代理人 黒川 弘朗 
代理人 山川 政樹 
代理人 西山 修 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 山川 茂樹 
代理人 田中 克郎 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ