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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) X25
管理番号 1210089 
異議申立番号 異議2008-900057 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2010-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2008-02-08 
確定日 2009-11-26 
異議申立件数
事件の表示 登録第5090508号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5090508号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第5090508号商標(以下「本件商標」という。)は、「TROY SHIRTMAKERS GUILD」の欧文字を標準文字で表してなり、2007年4月23日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、平成19年5月30日に登録出願、第25類「ワイシャツ類及びシャツ」を指定商品として、同年10月18日に登録査定、同年11月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4585793号商標(以下「引用商標」という。)は、「TOROY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成13年8月23日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服、運動用特殊靴」並びに第3類、5類、第6類、第8類ないし第10類、第12類ないし第14類、第16類ないし第22類、第24類、第26類ないし第28類、第31類及び第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年7月12日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由(要点)
申立人は、登録異議の申立ての理由を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第37号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
「TOROY」は、申立人が、「被服,かばん類,袋物,時計,傘,眼鏡,タオル」等に使用している商標であり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者間に広く認識されていた。
したがって、当該「TOROY」の称呼「トロイ」と同一の称呼を生ずる「TROY」の文字を含む本件商標は、「TOROY」と類似するものといえる。
また、本件商標は、申立人が「TOROY」を付して使用する「被服」と同一・類似の商品である「ワイシャツ類及びシャツ」を指定商品とするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、類似する商標であり、指定商品も同一又は類似である。

(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)で述べたとおり、「TOROY」は、申立人が「被服,かばん類,袋物,時計,傘,眼鏡,タオル」等に使用している商標であり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、取引者、需要者間に広く認識されていた。
したがって、当該「TOROY」の称呼「トロイ」と同一の称呼を生ずる「TROY」の文字を含む本件商標は、「TOROY」と類似するものといえる。
また、本件の指定商品「ワイシャツ類及びシャツ」は、申立人が「TOROY」を付して使用するファッション関連の商品と極めて関連性の高い商品である。
したがって、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者は、当該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである

4 取消理由の通知(要旨)について
(1)本件商標
本件商標は、「TROY SHIRTMAKERS GUILD」の欧文字を横書きしてなるところ、「TROY」「SHIRTMAKERS」「GUILD」の各語の間に1文字分の間隔を空けてなるから、容易に「TROY」、「SHIRTMAKERS」及び「GUILD」の各欧文字よりなるものと看取されること、全体より生ずる称呼「トロイシャツメーカーズギルド」が極めて冗長であること、全体として親しまれた熟語的意味合いを有するものとは認め難いこと、及び甲第3号証ないし甲第36号証のとおり、構成中の見やすい語頭部に位置する「TROY」が、我が国において取引者・需要者間に広く認識されている「TOROY」と近似した「TROY」の綴りからなり同一の称呼を生ずることから、簡易迅速を旨とする取引の実際においては、「TROY」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
してみると、本件商標は、「TROY」の文字部分に相応して「トロイ」の称呼を生ずるものであり、我が国において親しまれた英語等の外国語とはいい難いから、特定の語義を有しない造語と解されるものである。

(2)引用商標
引用商標は、「TOROY」の欧文字を標準文字で表してなるから、その構成文字に相応して「トロイ」の称呼を生ずるものであり、前記のとおり、「TOROY」が、我が国において取引者・需要者間に広く認識されているから、「TOROY」といえば、パイプ図柄を想起するものとみるのが相当である。

(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標の構成中の「TROY」と引用商標「TOROY」とは、先頭から2文字目の「O」の文字の有無に差異を有するものであるが、外観においては、両者はいずれもアルファベットの標準文字を同一書体かつ同一の大きさで表してなるから、このような違いが及ぼす印象は顕著な差異を有するほどではないものである。
また、称呼においては、本件商標と引用商標は、前記のとおり「トロイ」の称呼を生ずることから、「トロイ」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の語義を有しない造語と解されるから、引用商標と比較できない。
上記認定を総合すると、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、いずれも「トロイ」の称呼を共通にすること及び外観において顕著な差異を有するほどではなく、共通の称呼に与える影響は決して大きいものとはいえないことから、これらを同一又は類似の商品に使用すれば、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標といえるものである。
また、本件商標の指定商品「ワイシャツ類及びシャツ」は、引用商標の指定商品「被服」に包含されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。

5 当審の判断
平成21年3月2日付けで、上記4の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、当該取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2009-07-09 
出願番号 商願2007-54289(T2007-54289) 
審決分類 T 1 651・ 26- Z (X25)
最終処分 取消  
前審関与審査官 久我 敬史 
特許庁審判長 井岡 賢一
特許庁審判官 末武 久佳
田村 正明
登録日 2007-11-09 
登録番号 商標登録第5090508号(T5090508) 
権利者 シャツ エリート インコーポレイテッド
商標の称呼 トロイシャツメーカーズギルド、トロイシャツメーカーズ、トロイ、シャツメーカーズ 
代理人 鎌田 文二 
代理人 青木 篤 
代理人 東尾 正博 
代理人 原 隆 
代理人 鳥居 和久 
代理人 田島 壽 

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