• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z0532
管理番号 1210047 
審判番号 取消2008-301092 
総通号数 122 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2010-02-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2008-08-26 
確定日 2010-01-04 
事件の表示 上記当事者間の登録第4562298号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4562298号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示したとおりの構成からなり、平成13年3月2日に登録出願、第5類「医療用のビタミン・鉱塩を含む飲料,運動選手用医療用高栄養価飲料,ビタミン剤及び総合ビタミン剤,薬草抽出物からなる薬剤,医療用栄養補助剤及び医療用食品添加剤」及び第32類「栄養補給のための清涼飲料,ビタミン・鉱塩を含むアイソトニック飲料,アルコール分を含まないアイソトニック飲料,ビタミン又はミネラルで栄養価を高めたアルコール分を含まない清涼飲料,運動選手用高栄養価清涼飲料(医療用のものを除く)」を指定商品として、同14年4月19日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求人は、本件商標が、その指定商品について使用されているか否かについて調査したところ、そのいずれについても継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実を確認できなかった。
よって、本件商標の登録は、商標法第50条の1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁(要点)
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第26号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)商標権者及び通常使用権者の関係
ア 被請求人である「オリゾンテ ファブリカサン ディストリブイサン インポルタサン エ エスポルタサン リミターダ」(平成20年12月24日に「ホリゾンテ リミタダ.」から登録名義人の表示の変更の登録がなされている。(以下「オリゾンテ社」という。))は、ブラジル国サンパウロ市に本社をおく外国法人であり、平成13年より「BadBoy」のブランド名を冠した栄養補給のための清涼飲料を日本に輸出する計画を開始し、同年3月2日付けで、本件商標の商標登録出願を行い、同商標は平成14年4月19日に設定登録された。
イ 「オリゾンテ社」は2006年末より、日本に町田商店有限会社(以下「町田商店」という。)なる主要取引先を有するブラジルの貿易会社「エム・ゼット・エー コメルシオ インポルタサン エ エスポルタサン リミターダ(MZA COMERCIO IMPORTACAO E EXPORTACAO LTDA)(以下「MZA社」という。)と交渉を開始した(乙第26号証第4及び第5パラグラフ)。
ウ MZA社の共同経営者の一人であるデニス ハシモト氏は、当時町田商店の従業員でもあり、日本で株式会社ベイゼ(以下「ベイゼ社」という。)を設立し、その共同経営者となった(乙第26号証第1ないし第3パラグラフ)。
エ MZA社は、被請求人自身が本件商標を付した日本向けの栄養補給のための清涼飲料等の輸出代理店であり、ベイゼ社(ベイゼ社の設立前においては町田商店)は、当該商品の日本における輸入・卸販売代理店である。そして、オリゾンテ社とベイゼ社/町田商店との具体的な協業関係をかんがみれば、両者の間で、本件商標についての黙示的な使用許諾があったことは、明らかである。
(2)ベイゼ社による輸入・販売行為
ア ベイゼ社は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標と社会通念上同一の商標が付された栄養補給のための清涼飲料「BadBoy Power Drink」を日本国内に輸入し、日本国内で販売している(乙第1号証の1ないし乙第8号証の3)。
イ 乙第1号証の1は、輸入された商品の現物であり、輸入された商品の缶の側面の成分等表示ラベルには、「名称:炭酸飲料」及び「原材料名:・・・ナイアシン、パントテン酸Na、V.B2、V.B6、V.B12」と記載されており、アルコール分は、含まれていない。ここで炭酸飲料は、清涼飲料の1つであり、ナイアシン、パントテン酸Na、V.B(=ビタミンB)2、V.B6及びV.B12はビタミン類であることはいうまでもない。以上のことから、輸入された商品は、少なくとも「栄養補給のための清涼飲料」あるいは「ビタミン又はミネラルで栄養価を高めたアルコール分を含まない清涼飲料」に該当するので、本件商標の指定商品であることは、明らかであり、当該商品に本件商標と社会通念上同一の商標が付されている。また、被請求人であるオリゾンテ社が当該商標を当該商品に付し、ベイゼ社が日本に輸入したことが分かる。
ウ 乙第1号証の2の写真(b)は、缶の側面にポルトガル語で「依頼主:オリゾンテ ファブリカサン ディストリブイサン インポルタサン エ エスポルタサン リミターダ」、さらに「製造者:ウルトラパン インダストリア エ コメルシオ リミターダ」(以下「ウルトラパン社」という。)と記載されている。これは、当該商品は商標権者であるオリゾンテ社がウルトラパン社に指示して製造させたものである。また、成分等表示ラベルには、「輸入者:株式会社ベイゼ」と記載されていることから(「乙第1号証の1」及び「乙第1号証の2の写真(d)」)、当該商品がベイゼ社によって輸入されたことも明らかである。
エ 乙第1号証の2の写真(c)に示す当該商品の缶の底面には「製造日(FAB):2008年3月4日、賞味期限(VAL):2009年8月24日、L001」(「L001」は、ロット番号を示す。)と記載されている。
オ 乙第2号証は、2008年7月3日付けで、オリゾンテ社がMZA社に対して発行した収入伝票(NOTA FISCAL FATURA)である。当該収入伝票の製品明細(DES CRICAO DOS PRODUTOS)の欄には、「BADBOY POWER 250ml缶×24」及び「ロット番号001」と記載されている。当該収入伝票が乙第1号証の1の商品の譲渡に係るものであることは明らかであり、オリゾンテ社からMZA社へ譲渡されたものと認められる。
カ 乙第3号証は、2008年7月2日付けで、MZA社がベイゼ社に対して発行した商業送り状(COMMERCIAL INVOICE)である。同号証の輸出者(Exporter)の欄には、MZA社の社名が、送り先(Send to)の欄には、輸入者としてベイゼ社の社名及びデニス ハシモト氏の宛名が記載されている。
キ 乙第4号証の1は、2008年7月19日付けで、当該貨物の輸送を担当した日本郵船株式会社が発行した船荷証券であり、輸出者がMZA社、荷受人及び着荷通知先がベイゼ社であり、積込港がサントス、送り先が横浜であり、貨物が同日付けで船積みされたことが記載されている。横浜港への到着予定時刻が2008年8月22日の午前8時であることが記載されている。
ク 乙第4号証の2は、2008年8月20日付けで、日本郵船株式会社が着荷通知先であるベイゼ社に対して、貨物の到着を通知するために発行した到着案内書兼請求書である。
ケ 乙第5号証は、ベイゼ社より通関手続の依頼を受けた通関業者である株式会社ワイオーエスが、2008年8月28日付けで発行した食品等輸入届出控である。同号証の備考欄には、「BAD BOY POWER DRINK」の品名が記載され、積込港(サントス)、積込年月日(2008年7月19日)、積卸港(横浜)、積卸年月日(2008年8月22日)、用途欄には、「小売り用」と記載されており、当該商品が日本国内での販売を目的として輸入しされたことが分かる。
コ 乙第6号証の1は、2008年9月3日付けで、横浜税関大黒埠頭出張所長により許可され、輸入者ベイゼ社に対して発行された輸入許可通知書であり、同号証2は、貨物輸入に係る税金の納付書兼領収証書である。同号証には、輸入者「ベイゼ社」、輸出者「MZA社」の記載がある。
サ 乙第7号証は、当該商品の出荷先リストであり、出荷先名、出荷伝票の日付、出荷数量等が記載されている。これによると、本件審判請求の登録日である平成20年9月11日前に、小売業者に対して「栄養補給のための清涼飲料」が譲渡されていたことが分かる。
シ 乙第8号証の1ないし3は、平成20年9月5日付けで出荷された当該商品に関するベイゼ社から各出荷先への請求書であり、「WORKS GROUP ATACADO」、「BANANA BRASIL」、「PRODUTOS DO ALEMAO」にそれぞれ96ユニットを出荷した事実が認められる。
ス 以上のことから、平成20(2008)年9月5日には、ベイゼ社が本件商品の国内販売を開始していたことは明らかであり、上記輸入・販売行為の実際の主体は、ベイゼ社であるが、当該ベイゼ社の輸入・販売行為をもって、商標法50条に規定する商標権者による本件商標の「使用」があったものと認められる。
(3)町田商店による輸入行為
ア 町田商店は、FOODEX JAPAN2008/第33回国際食品・飲料展(以下「FOODEX展」という。)に、オリゾンテ社がMZA社及びベイゼ社とともに共同参加するに際して、同社が同会場に展示する目的で輸出した、本件商標と社会通念上同一の商標を付した栄養補給のための清涼飲料「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」の商品を平成20(2008)年3月12日付けで日本国内に輸入している(乙第11号証の1ないし乙第16号証の2)。
イ 乙第15号証の残余貨物処理方法の欄に記載されるとおり、廃棄処分となっているが、その缶容器のイメージは、FOODEX展において広告用に展示されたパネル(乙第23号証)及び頒布された広告チラシ(乙第21号証)に示されるとおりのものであり、乙第1号証の1の商品「BadBoy Power Drink」に付されたものと同一の商標が缶の側面に付されている。
ウ 「BadBoy Power Drink」についてみても、「Badboy」の文字が、悪童の顔をイメージした図形標章の下ではなく左側に配置されてはいるが、全く同じ字体で表記されており、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。また、デニス ハシモト氏の宣誓書に陳述されるとおり(乙第26号証第15パラグラフ)、同氏は、2008年2月5日付けのEメール(乙第11号証の1)で、缶製造の雛形とするための「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」の缶のイメージ(乙第11号証の2)をオリゾンテ社に送付した。オリゾンテ社は、このイメージをもとに、FOODEX展で展示するための商品の製造を缶の納入業者に対して指示した。「BadBoy Power Drink」については、「名称:炭酸飲料」と記載されている。一方、「BadBoy Turbo Drink」については、「名称:清涼飲料水」と記載されている。どちらも、原材料から「栄養補給のための清涼飲料」あるいは「ビタミン又はミネラルで栄養価を高めたアルコール分を含まない清涼飲料」に該当する商品であるので、本件商標の指定商品であることは明らかである。
(4)本件商品が本件審判の請求の登録前3年以内である平成20(2008)年3月12日に日本国内へ輸入された事実
ア 2008年2月5日付けのオリゾンテ社のフェルナンド カルダスからハシモト氏へのEメール(乙第19号証の2)には、「同意した通り、FOODEX展に参加するために、航空便でパレットを送付する」旨が記載されている。
イ 乙第12号証は、2008年3月5日付けでオリゾンテ社がMZA社に対して発行した収入伝票であり、「BAD BOY POWER 250ML 24缶入」10ケースと、「BAD BOY TURBO 10ML 48×6本入」3ケースが、オリゾンテ社からMZA社へ譲渡されたことがわかる。
ウ 乙第13号証は、MZA社が町田商店に発行した納品書(インボイス番号:MS-666/08)である。同号証には、輸入者として町田商店、宛先としてフラビオ ハシモト氏の名が記載されている。また、同号証には、「Bad Boy Power Drink 24×250ml」10ケースと、「Bad Boy Turbo Drink 48×6×10ml」3ケースを、2008年3月7日付けで、サンパウロの空港から東京へ向けて航空便で出荷したこと、さらに、備考欄にはオリゾンテ社の社名等が記載されている。
エ 乙第14号証は、2008年3月5日付けで、当該貨物の空輸を担当したブラジル日本通運が発行した航空貨物運送状であり、輸出者がMZA社、荷受人が町田商店(フラビオ ハシモト氏)であり、「BAD BOY POWER DRINK」及び「BAD BOY TURBO DRINK」を、グアッルリョス空港(サンパウロ)から成田空港に向けて輸送する旨が記載されている。オリゾンテ社からブラジル国内でMZA社に譲渡された2つのBadBoy商品が、2008年3月7日付けでサンパウロから成田空港へ向けて、航空便で輸出されたことは、明らかである。
オ 乙第15号証は、町田商店が、2008年3月10日付けで成田空港検疫所に提出した確認願であり、上記のようにして成田空港に到着した当該貨物が、FOODEX展の展示用及び社内検討用見本であり、品名「清涼飲料水 “Bad Boy”ブランド Power Drink/Turbo Drink」、到着年月日「平成20年03月09日」と記載されている。
カ 乙第16号証の1は、2008年3月11日付けで、東京税関成田航空貨物出張所長により許可され、輸入者町田商店に対して発行された輸入許可通知書である。同号証には、輸入者が町田商店、輸出者がMZA社、入港年月日が2008年3月9日、卸港が成田空港/東京、積出地がグアッルリョス サンパウロ及び品名がノンアルコール飲料、加糖であることが記載されている。同号証は、FOODEX展での展示用として出荷された2つのBadBoy商品に係る輸入許可通知書であることは、明らかであり、当該商品の日本国内への輸入が2008年3月11日付けで許可されたものと認められる。
キ 乙第16号証の2には、乙第16号証の1の冒頭右肩に付された申告番号(10716388310)と同一の申告番号が記載され、さらに、乙第16号証の1に記載された関税額、並びに消費税・地方消費税の合計額とそれぞれ同じ金額が、本税欄に記載されていることから、乙第16号証の2が乙第16号証の1の貨物輸入に係る税金の納付書兼領収証書であることは、明らかである。そして、同号証には、窓ロ銀行による平成20(2008)年3月12日の領収日付印が押印されていることから、同日付けで当該商品の輸入通関手続が完了したものと認められる。
ク 以上の証拠より、商標権者たるオリゾンテ社が本件商標と社会通念上同一の商標を付した栄養補給のための清涼飲料「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」が、町田商店により、本件審判請求の登録前3年以内である平成20(2008)年3月12日に日本国内へ輸入されたことが認められる。
(5)FOODEX展での広告の展示・頒布行為
ア 商標権者たるオリゾンテ社は、2008年3月11日ないし14日に開催されたFOODEX展において、栄養補給のための清涼飲料「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」に関する広告(パネル、チラシ、衣服)に、本件商標と社会通念上同一の標章を付して展示若しくは頒布する行為を行っている。
イ 乙第17号証は、FOODEX展の開催概要に関する資料(http://www2.jma.or.jp/foodex/ja/fx/3/pdf/report01.pdf)である。同号証の記載から、FOODEX展とは、食品・飲料専門展示会であって、2008年3月11日ないし14日の4日間、日本の千葉県千葉市の幕張メッセにて開催されたものである。
ウ 乙第18号証の1(http://www.foodex.com.br/jp/expositores/)及び乙第18号証の2(http://www.foodex.com.br/expositores/exhibitors.html)は、FOODEX展におけるブラジルブースの出展者一覧についての資料(それぞれ日本語版及び英語版)であり、MZA社及びベイゼ社が共同でブースを確保し出展している事実が記載されている(乙第18号証の1第10/15頁第11から19行及び乙第18号証の2第7/9頁第8ないし25行)。
エ 以上の証拠より、展示会が催されたこと及び当該展示会にMZA社及びベイゼ社が出展したことは、明らかな事実である。
(6)MZA社及びベイゼ社がFOODEX展に出展するに際し商権者であるオリゾンテ社が出資して共同参加した事実
(オリゾンテ社とデニス ハシモト氏(ベイゼ社及びMZA社の共同経営者)との間、並びにオリゾンテ社内の一連のEメールであり、オリゾンテ社がFOODEX展に出展するに至った経緯や、出展費用の支払いについての取り極め等が記載されている。)
ア 乙第19号証の1は、2008年1月27日付けのハシモト氏からオリゾンテ社代表者であるフェルナンド カルダスヘのEメール及びその添付ファイルであり、ハシモト氏がカルダスにFOODEX展への共同参加を提案している。本メールの添付ファイルにはFOODEX展の概要が紹介されている。
イ 第19号証の2は、2008年2月7日付けのカルダスからハシモト氏へのEメールであり、提案のあった4社共同で、FOODEX展に参加する旨及び支払い方法として売上げから支払いを行うかまたは口座から支払う旨が記載されている。
ウ 乙第19号証の3は、2008年7月1日付けのハシモト氏からカルダスヘのEメールであり、「BadBoy Power Drink」24缶入り1152ケースを日本へ輸入する予定であること、及びその料金の支払い方法としてFOODEX展の資金を使用したい旨(すなわち、商品の購入代金からオリゾンテ社がFOODEX展への共同参加費用として負担することになっていた金額を差し引くということ)が記載されている。
エ 第19号証の4は、2008年7月3日付けのカルダスからマルコス(オリゾンテ社員)へのEメールであり、ベイゼ社がFOODEX展分のクレジットを持っており、その資金を利用できる旨が記載されている。
オ 乙第26号証第8パラグラフは、FOODEX展への出展に際し、商標権者オリゾンテ社が出展費用の一部を支払って、当該展示会にMZA社及びベイゼ社と実質的に共同参加していたことは、明らかである。なお、ハシモト氏の宣誓書には、2007年8月21日に、MZA社の支配人であるフラビオ トレド氏とカルダスとが会談した際、両者は、翌年のFOODEX展にオリゾンテ社が参加することについて合意したことが記載されている。
カ オリゾンテ社は、「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」の商品現物をFOODEX展の会場ブースに展示するために、2008年3月5日付けで当該商品を日本に向けて出荷した。結果的に当該商品はFOODEX展での展示には間に合わなかったが、オリゾンテ社の当該行為は、同社自身が当該展示会に主体的に参加していた事実を裏付けるものである。
(7)「栄養補給のための清涼飲料」に関する広告類に本件商標を付して、日本国内において展示等した事実
ア 乙第20号証は、FOODEX展にベイゼ社及びMZA社が出展した際の写真であって、ベイゼ社及びMZA社が展示ブースにおいて、商品「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」が描かれたパネル等を展示して商品の広告をしている(同号証写真(a)ないし(d))。
イ 乙第21号証は、FOODEX展に出展した際に頒布した広告チラシであり、当該チラシには商品「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」並びに本件商標と社会通念上同一の標章が大きく記載されて、裏面の左下部には、本件標章と伴に商標権者であるオリゾンテ社について、「権利者:ホリゾンテ リミタダ」(表示変更前の商標権者の名称と一致する。)と記載されている。
ウ 乙第22号証は、FOODEX展に出展した際に広告として、ベイゼ社の従業員が着用した衣服の写真であり(同号証写真(a))、衣服の背面には本件商標と社会通念上同一の標章が付されている(同号証写真(b))。
エ 乙第23号証は、FOODEX展に出展した際に広告として、展示したパネルの写真であり(同号証写真(a)及び乙第20号証)、パネルには商品「BadBoy Power Drink」及び「BadBoy Turbo Drink」並びに本件商標と社会通念上同一の標章が大きく記載されている(同号証写真(b))。
オ 以上の証拠より、商標権者であるオリゾンテ社は、ベイゼ社及びMZA社と共同で、2008年3月11日ないし14日の間、FOODEX展の会場において、本件商品に関する広告に本件商標と社会通念上同一の標章を付して展示し、若しくは、頒布等する商標の使用行為をしたことは、明らかであり、被請求人たる商標権者は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件商標を本件商品について使用している。
(8)広告を電磁的方法により提供する行為
ア 乙第21号証の広告チラシや乙第23号証に表わされたパネルに示された「BadBoy Power Drink」の缶のイメージの最下部には「www.badboypowerco.com」というURLアドレスが記載されている。インターネットで当該URLにアクセスすると、自動的にオリゾンテ社のwebサイト(www.e-horizonte.com.br)に遷移し、その初期画面には、本件商標と社会通念上同一の標章が付されている(乙第24号証の1)。
イ 乙第24号証の2は、画面下のブラジル若しくはアメリカ国旗をクリックすると、「BadBoy Power Drink」に関する広告画面が表れる。
(9)通常使用権者の使用について
ア MZA社は、商標権者自身が本件商標を付した日本向けの本件商品の輸出代理店であり、ベイゼ社(並びにベイゼの設立前においては、町田商店。)は、当該商品の日本における輸入・卸販売代理店である。そればかりでなく、オリゾンテ社とベイゼ社/町田商店との具体的な協業関係をかんがみれば、両者の間で商標権使用許諾契約書は、交わされていないものの、本件商標についての黙示的な使用許諾があったと認められる。
イ オリゾンテ社は、ベイゼ社が製造してブラジルに送付したラベルを缶に貼付して輸出するのではなく、自らが当該ラベルを発注して製造させ、これを缶に貼付した上で輸出しているのである。このこと一つをとっても、オリゾンテ社が、ベイゼ社や町田商店からの注文に応じて受動的に商品を日本へ輸出しているのではなく、自らが主体的に日本市場への参入を企図し、そのためのビジネスパートナーとしてベイゼ社や町田商店と緊密な連携をとっていることがうかがえる。
ウ ベイゼ社が、本件商品に関する広告用のチラシ、衣服、パネルに本件商標と同一の標章を付して展示若しくは頒布した行為は、仮に使用許諾がなかったとするならば、オリゾンテ社の商標権の侵害に当たるわけであるが、商標権者たるオリゾンテ社は、当該行為の差し止めを求めるどころか、ベイゼ社の出展に対して共同出資することでこれを援助しているのであるから、両者の間には、黙示的にベイゼ社が本件商標を使用することについての了解があったものと解するのがきわめて自然である。また、ベイゼ社の設立前及びFOODEX展当時のようにベイゼ社設立後ではあるが、未だベイゼ社の輸入部門が機能していなかった時期においては、町田商店が同様の関係をオリゾンテ社との間に有していたと解される。そうすると、ベイゼ社による輸入・販売行為、町田商店による輸入行為、並びにのベイゼ社によるFOODEX展での広告の展示・頒布行為は、いずれも通常使用権者による本件商標の使用にほかならない。
エ 上記のとおり、本件商標権についての通常使用権者であるベイゼ社及び町田商店は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件商標を「栄養補給のための清涼飲料」について使用している。
(10)結語
以上のとおり、乙第1号証ないし乙第26号証(枝番号を含む。)から、商標権者、通常使用権者が、本件商標をその指定商品中「第32類 栄養補給のための清涼飲料」等について、少なくとも本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において使用している事は、明白である。
したがって、商標法第50条第1項の規定により、本件審判請求に係る指定商品について、その登録を取り消し得ないものである。

4 当審の判断
被請求人は、本件商標と社会通念上同一の商標を本件商標の指定商品中の「栄養補給のための清涼飲料」(以下「本件商品」という。)について本件審判の請求の登録前3年以内に使用している旨主張し、証拠として乙第1号証ないし乙第26号証(枝番号を含む。)を提出しているので、その証拠について検討する。
(1)通常使用権者について
被請求人であるオリゾンテ社は、ブラジル国サンパウロ市に本社をおく外国法人である。日本の主要取引先である「町田商店」、「MZA社」の共同経営者の一人であるデニス ハシモト氏は、当時町田商店の従業員でもあり、デニス ハシモト氏は、日本で「ベイゼ社」を設立し、その共同経営者となった(乙第26号証第1ないし3パラグラフ)ことが確認できる。
日本の町田商店を主要取引先とするブラジルの貿易会社MZA社は、被請求人の本件商品の輸出代理店である。ベイゼ社は、本件商品の日本における輸入・卸販売代理店であることから、両者の間で、本件商標についての黙示的な使用許諾があったことが推認できるので、ベイゼ社を通常使用権者とみて差し支えない。
(2)本件商標の使用について
ア 本件商標の使用
乙第1号証の1及び2は、商品の現物(缶入り炭酸飲料)及びその写真であるが、そこには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されている。また、「名称:炭酸飲料」及び「原材料名:・・・ナイアシン、パントテン酸Na、V.B2、V.B6、V.B12」と記載されており、アルコール分は、含まれていないことから、当該商品が本件商品であることは、明らかである。さらに、「原産国:ブラジル」、「輸入者:株式会社ベイゼ」及び、「BadBoyはホリゾンテ リミタダの登録商標です。」との記載がある。
イ 輸入・販売行為
乙第2号証は、被請求人が発行した収入伝票、乙第3号証は、「MZA社」が「ベイゼ社」に発行した送り状、乙第4号証は、本件商品「BADBOY POWER DRINK」についての船荷証券及び到着案内書兼請求書、乙第5号証は、本件商品の食品等輸入届出書であり、用途の欄には、「小売り用」と記載されている。乙第6号証は、本件商品の輸入許可通知書及び関税等の納付書・領収書であり、輸入許可通知書の輸入者の欄に「BHASE CO.」、輸出者の欄に「MZA COMERCIO IMPORTACAO E EXPORTACAO LTDA.」の記載があり、本件商品が日本国内での販売を目的として輸入されたことが分かる。乙第7号証は、ベイゼ社からの商品出荷先リストであり、伝票日付欄に「08.9.5」、入出荷先名の欄に「WORKS GROUP ATACADO」出荷数量の欄に「96」の記載がある。乙第8号証の1は、ベイゼ社からの出荷先宛の請求書であり、右上に「08年9月30日締切分」「株式会社ベイゼ」、左上に「WORKS GROUP ATACADO様」、中央部の伝票日付けの欄に「08 9 5」、品名の欄に「BAD BOY POWER DRINK」、数量の欄には「96」の記載がある。
これらからは、通常使用権者であるベイゼ社は、2008年9月5日伝票日付(2008年9月30日締切分)として「WORKS GROUP ATACADO」に本件商品の販売にともなう請求を行ったことが認められる。
ウ FOODEX展での広告の展示・頒布行為
乙第17号証ないし乙第23号証は、千葉県の幕張メッセで2008年3月11日ないし同14日に開催されたFOODEX展(国際食品・飲料展)の開催概要に関する資料、出展した商品、広告チラシ等である。これらからは、本件審判の請求の登録前3年以内に、乙第1号証の商品を展示したこと、該商品に関する広告を展示し又は広告チラシを頒布したこと及び電磁的方法により広告したことが認められる。
(3)これに対して、請求人は何ら弁駁するところがない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者が請求に係る指定商品中の「栄養補給のための清涼飲料」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用したことを証明したものと認めることができる。
したがって、本件商標は、商標法50条により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する
別掲 別掲


審理終結日 2009-08-06 
結審通知日 2009-08-12 
審決日 2009-08-25 
出願番号 商願2001-18635(T2001-18635) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z0532)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内山 進渡邉 健司 
特許庁審判長 森吉 正美
特許庁審判官 瀧本 佐代子
小畑 恵一
登録日 2002-04-19 
登録番号 商標登録第4562298号(T4562298) 
商標の称呼 バッドボーイ 
代理人 小山 方宜 
代理人 望月 秀晃 
代理人 福島 三雄 
代理人 高島 一 
代理人 天井 作次 
代理人 谷口 操 
代理人 奥谷 優 
代理人 山本 健二 
代理人 鎌田 光宜 
代理人 向江 正幸 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ